バンコク・シーロム通りで日本式バー「WOODBALL(ウッドボール)」を経営するとっぴーさんに、ジジイ梅が直撃インタビュー。(2010年12月8日掲載)
「自分自身が通いたくなるような店を作りたい!」
後藤俊行さん=とっぴーさん
WOODBALL(ウッドボール) 日本式バーオーナー
バンコクのビジネスタウン、シーロム。夜になるとそこは一転、華やかな遊びの町へと変貌する。
シーロム通りからソイ6を曲がって数十メートル歩いた所にWOODBALLはある。
気のおけない雰囲気、名物オーナー・とっぴーさんの存在で人気急上昇中の日本式バーだ。
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■とっぴーさん、タイへ来る!
ジジイ梅 タイに来られるきっかけは何だったんですか?
とっぴーさん 以前、金沢で雑貨店をしてまして、その頃、毎月一回ペースでタイに小物や服の買い付けに来てました。ところが、お店が入居するビルが改築をすることになりまして、他に良いスペースも見つからず悩んでいました。
ジジイ梅 日本でもタイでもビジネスで賃貸に絡んでいろいろありますね。
とっぴーさん ええ。そんな折、居心地の良いタイでビジネスをすることを思いついたんです。2006年の春にタイへ移動し、日本の卸し元さん、ホームページを通じて注文されたお客さまに現地から品物を送る仕事を始めました。
WOODBALLで微笑むとっぴーさん
■タイで最初のお店!でも残念ながら・・・
ジジイ梅 では、最初からバーを始められたのではないのですね
とっぴーさん 雑貨輸出の仕事も楽しかったんですが、僕はまず客商売が大好きなんですよ。
新しくお店を始めるに当たって何か良いアイディアがないかと探していた頃、某ショッピングモールにあったクレープ屋さんに行きました。
食べてみたら固くて生クリームも入っていない。これはひどいな~と(笑)。同時に、日本式の美味しいクレープを出したらウケるんじゃないかと閃きました。
ジジイ梅 お、アイディアマン!
とっぴーさん 日本から鉄板などの道具や材料を手に入れ、自分の納得いく味になるまで2~3か月研究を重ねました。
ジジイ梅 こだわりの人ですね。
とっぴーさん そして、2006年の11月、新しくオープンしたモールに店を構えました。僕のタイで手がけた最初のお店です。でも、先行投資のし過ぎやモール自体の不振もあり半年で撤退さざるを得ませんでした。
その後、同じクレープ店をシーロムで開き、こちらはロケーションも良かったので売れ行きもまあまあだったのですが賃貸契約の関係で店を閉めることになりました。
WOODBALLには欠かせないスタッフの皆さん
■自分の経験を生かした新しい店=WOODBALL
ジジイ梅 その後、どうされたんですか?
とっぴーさん 進む方向としては2つありました。
1つ目は金沢に戻って再び雑貨店を開くこと。一度、現地に戻って良い物件がないか調べてみたんですが、商店街自体に人がいないんです。不況の影響なのか。そこで商売をやっている友人知人に訊いても「今はダメだよ」という意見が多かったですね。
2つ目はバーの経営です。雑貨店をする前はバーを切り盛りしていたんです。その経験を生かせるんじゃないかと思ったんです。
ジジイ梅 いろんな経験をされてるんですね~。
とっぴーさん バーを開くにしても、どんな形態が良いのか?あちこち飲みに行ったり、在住日本人の方々に話を聞いたり、いろいろ市場調査をしました。
そんな時、ある日本人女性たちからこんなコメントを貰いました。
「女同士で飲みに行ってカラオケを楽しめる、そういう店ってないのよね」
これはイケルんじゃないかと閃きました。
ジジイ梅 たしかに、言う通りですね。
とっぴーさん 男性向けのカラオケ屋さんやバーはバンコクに星の数ほどありますが、女性が気兼ねなく行ける場所って少ないですよね。彼女たちがカラオケをしたいと思っても、カラオケボックスぐらいしか選択肢はない。
オープン当初のWOODBALL外観
■とっぴーさんのこだわりポリシーを盛り込んだ店
ジジイ梅 ふとしたことからアイディアを得たんですね。実際にこの店をオープンされたのはいつですか?
とっぴーさん 2009年5月です。オープニングの時は、タイちゃんねるというインターネット掲示板を通じて出来た仲間など約100人が集まってくれました。
店を始めるに当たって僕が考えていたコンセプトが幾つかあります。
まず、料金設定を低くすること。
実は、昼間、僕は知人に請われてサクラ・ホリディという旅行会社でも働いているんです。二足のわらじというやつですね。
ジジイ梅 うわっ、そうなんですか?超忙しいですね。
とっぴーさん いえいえ(笑)そこでの仕事は楽しいんですが、現地採用という形なのでサラリーは駐在の方々とは比べ物になりません。
そんな現地採用の方々でも毎週来れるようにしたかったんです。でもクオリティは下げない。サービス面、清潔さ、カクテル類に使う氷も穴空きの安い物ではなく、日本メーカーの物を使っています。薄利多売で頑張っているんですよ(笑)。
ジジイ梅 WOODBALL、偉い!
とっぴーさん ありがとうございます(笑)。そして何より雰囲気。老若男女が楽しめるお店にしたかったんです。その目論見は当たって、ここで知り合い、友達になったりカップルになったケースが沢山あります。
ブログやツイッターを見られて来る観光客の方も多いですね。「****(お客さまたちの住んでいる国や町の名前)にも支店作ってよ」とよく言われます。
僕自身が通いたくなる店、それが一番大事な点です。
Neko Jump と妹のピグレットちゃんととっぴーさん
■WOODBALL、最大の危機到来!
ジジイ梅 このお店を経営されていて苦労話はありますか?
とっぴーさん 今年の政治的動乱でシーロムが閉鎖された時は痛かったですね。
5月の売り上げは30%まで落ち込み赤字状態でした。その後も「シーロムは危ないんじゃないか?」と足を遠ざけるお客さまが多かったですね。10月くらいになってやっと持ち直した感じです。
ジジイ梅 大変な目に遭いましたね…。
とっぴーさん まあ、被害を受けたのはこの店だけじゃないですから。
シーロムの赤シャツの動向をツイッターで刻一刻報告していたんですが、最近、「あの時、読んでました」という観光のお客さまがちらほらいらしゃいます。
ジジイ梅 お仕事以外のジャンルでも活躍されていますね。先日はタイのアイドルたちが集まるライブのMCをやられたそうですが?
とっぴーさん 2010年11月21日にRCAで催された『RS SEXY & CUTE GIRLS / DREAM LIVE PARTY 2010 』でMCを務めさせて頂きました。日本のアニメの主題歌も歌っているネコジャンプやガーリーベリーなど女性アイドルが集まるライブで、主催をしているのが知人の会社パラダイス・ピクニックだったんです。
ジジイ梅 アイドルたちと会えるなんて羨ましい!
とっぴーさん ははは。その絡みでオファーを頂いたのですが、自分の出来的には30点でした(笑)。でも、良い経験だったのでチャンスがあれば、またやってみたいですね。
ウエイクボードのとっぴーさん
■とっぴーさんのこれから・・・
ジジイ梅 多忙な毎日ですが、どうやってストレスを発散しているんですか?
とっぴーさん 特別な用事がない限り、毎週日曜にはウエイクボードをしています。お客様の1人に紹介して貰ったんですが、以前、スノーノードのインストラクターをしていたこともあり、ハマッテしまいました(笑)。
ジジイ梅 今後もタイで生活をされる予定ですか?
とっぴーさん 今の日本の冷めたビジネス状況と比べると、タイの市場はホットですよね。その分、チャンスもあると思います。勿論、タイにこだわらずチャンスがあれば外にドンドン出て行きたいとは思っています。
個人的な夢は暖かい家庭ですね。家族みんなが仲良く食事をしたり遊んだりして毎日を過ごせるような。
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取材を終えたワシは店の外に出た。
WOODBALLの青いネオンサインが輝いている。
このバーのファンたちを、いつものように待ち受けながら。
とてもかわいいウッドボールスタンプ
■ここがWOODBALLのお薦め!
*とっぴーさん秘伝のビール注ぎテクニック!なんと、30分経ってもすっきり炭酸が効いている!
*日本人好みのカクテルメニューが充実!ミルク系やウーロン系などバンコクの他の店ではあまりない物もここではちゃんと用意してある。
*本格日本食が食べられる!元居酒屋で働いていた日本人シェフが腕を振るっている。3か日コトコト煮込んだカレー、チャーシューも手作りのラーメンが一押し!つまみメニューも豊富。
WOODBALL
128/9 Silom Soi 6 Silom Road,Suriyawong,Bnagkok 10500
TEL:02-634-3330
MOBILE:089-001-8532
HP:http://www.woodball.jp/
WOOD BALL外観
WOOD BALL店内の様子
WOOD BALL店内の様子
WOOD BALLの麺類メニュー
WOOD BALLのカレーメニュー