今ではすっかり代々木の定番行事となったタフェスティバル。2014年のタイフェスも、この日のために天候が味方してくれたような照りつける太陽と、5月とは思えない気温で、訪れるだけでタイ気分にさせてくれる2日間となりました。毎年恒例のメインステージでのタイ人アーティストのライブも、今年は全てのジャンルを揃えたかのようなバラエティに富んだミュージシャンが集結。タイランドハイパーリンクスは出演したミュージシャンに独占インタビューを行いました。
インタビュー3組目となった今回は、チェロ1台、バイオリン2台で編成された兄妹3人組ユニット「Vie Trio(ヴィ・トリオ)」。兄であるタウィーウェート(ペー)さんは、タイ人で初めてアメリカの音楽大学バイオリン専攻で博士課程を終え、卒業した才能の持ち主。チェロのウタイシー(パーン)さんは、音楽家としてだけではなく、テレビドラマやミュージカルに出演し、タイのエンタテインメント全般で活躍しています。更に末っ子にあたるピントゥソン(プイ)さんは、外交官として世界を飛び回った経験がある才女。しかも3人とも美男美女なんてずるーい!
タイの音楽業界に、斬新なクラシックの風を吹き込んだVie Trioは、タイフェスのステージでも躍動感あふれるアグレッシブなステージで観客を魅了したのでした。
— タイ・フェスティバルでの2日間のパフォーマンスの感想を聞かせてください。
ペー 沢山の人が、私達を含めたタイのアーティストのコンサートを見てくれて嬉しい!。今回出演したアーティストの全員、クオリティーが高いですよ。
プー&パーン 出演できて、とても 嬉しいです。
ペー 今日(18日)は昨日(17日)よりも人が多くて、とっても嬉しかったなぁ。しかもみんな、音楽に合わせてノッてくれました。
パーン そうそう!パフォーマンスしている間、みんなとっても楽しそうだった!とても印象的です。「手を振って!」といえば振ってくれて、「手拍子して!」と言えば手拍子をしてくれて、ステージと観客が一体化しましたね。私達も力が出て、とても良いパフォーマンスを見せられたと思っています。
プイ タイフェスに沢山の人が来ているのを見て、タイと日本は兄弟のように良い関係ができているんだなあって思いました。沢山の日本人にタイの文化を知ってもらえていることが、とにかく嬉しいです。タイと日本はご近所の関係ですね!これからもこんなイベントがあるといいな。大きなジャパンフェスティバルがタイであるといいですね。
ペー 30万人もの人が、このステージを見る機会があるのなら、タイのミュージシャンと日本人のミュージシャンが一緒に出演するイベントがあっても楽しいでしょうね。タイと日本が融合したフェスティバルを僕も見たいです。
— 兄妹のユニットだと聞きましたが・・・
ペー 私たちは3人兄妹です。
左からパーンさん、ペーさん、プイさん。
— えーーー!3人とも美人で美男子じゃないですか!すごいですね。クラッシックをベースにしたユニットはタイでは珍しいですよね?
ペー タイも年々音楽を学ぶ人の状況が変わってきています。最近はクラシック音楽も人気が出てきていますよ。
パーン 一つの証拠として、私たちはバイオリンやクラッシック音楽の学校を開いているのですが、大勢の人が来るようになりました。
ペー クラシック音楽は大人が学ぶだけではなく、子供が学ぶことでとても良い影響を受けることも、タイでも知られてきたよね?
プイ 日本ではクラシック音楽を小さなころから勉強することが当たり前だと思っていると思います。でもタイはそういう習慣がなかったんです。最近それが普通になってきました。
— ・・あのう・・・英語も上手いですねえ・・・。※3人とも英語を交えながら話してくれる
パーン 二人が奨学金で留学しました。私と兄です。私は香港の大学でチェロの勉強。カラヤニ王女の奨学金を受けました。兄はイギリスに留学しています。
ペー 僕はイギリスとアメリカに15歳から20年住んでいたんです。
— タイより長いじゃないですか(笑)!?
ペー はい(笑)。タイでバイオリン専攻で博士号を取ったのはタイ人で初めて、僕一人です。ニューヨークの大学を卒業しました。
— すっごーい!
プイ 私はこの中で一人だけ、留学して音楽の勉強をしていません。政治学と国際関係を勉強して、外交官をしていました。
— そんな兄妹3人でユニットを組むきっかけは何だったんですか?
ペー もともと3人とも別々に活動していたんです。日本でも沢山活動していたんですよ。
— え?そうだったんですか?
ペー コンサートを開いたり、東京、名古屋…たくさん…。北海道以外ほとんど全部の県に行っています。5、6年前にグラミーと契約してから、3人でユニットを組みました。今は、ただクラシック音楽をやっているだけではなく、タイのカルチャーの中での、クラシック音楽をやっています。ベースはクラシックですが、普通のクラシックスタイルではないですね。
— 日本人についてどう思いますか?
プイ 子供のころ短期交換留学で日本に来ました。パフォーマンスでも何度か日本に来ているんですが、フレンドリーで、可愛くて、優しい友だちが多いです。タイ人はなかなかそういうことはないんですけど、日本人は子供の頃に出会っても、その後も長くずっと友達でいられるから不思議。
ペー そうなんだよね。日本人の友達とは離れていてもずっと友達でいられる。
— あー、確かに日本人そういうところありますね。どんなに長く会っていなくても、ずっと友達を思っているし、仲が良い友達とは何十年も親友だし。
ペー あっ!パーンは僕とプイばかりで話しているから、さびしいんでしょ!?※冗談です。
パーン そんなことないですよ(笑)!
— あっ!パーンさん(笑)! 日本はどうですか?楽しいですか?
パーン とっても楽しい!和食も大好き。それに、どこもとても清潔。日本人の性格も好きだし、マナーもきちんとしていますよね。今朝、日本の子供たちの生活を紹介するテレビを見て、子供の頃からきちんとしたマナーを教えているんだなあって感心しました。
プイ 私は日本のファッションが大好き。日本に来ると服を沢山買ってしまいます。かわいい服がありすぎて、選べない~!体にフィットして、縫製もとてもイイ!日本のローカルブランドが大好きなんですよ。
パーン そうそう!日本の服はサイズが丁度良いんです。私もたくさん買います。
— どこでお買い物するんですか?
パーン 銀座です。
— せ、セレブだ・・・。
プイ とても生地が良いんですもん。でも、確かに高いですよねぇ。
パーン でもタイよりもはるかにクオリティが良いので、高くても仕方がないんです!
ペー この国は男性がうらやましいですよー。メンズファッションだけのデパートもあるでしょ?アクセサリーもあるし、ファッション天国ですよね。頭のてっぺんから足の先まで、素晴らしいファッションでまとめられる。本当に日本の服は、体にフィットするんですよねえ…その技術が凄い。実は今着ているジャケットも、日本で買ったんですよ。
プイ (笑)兄は一番買い物をしています。
ペー 日本は世界で一番、沢山のメンズファッションが揃っていると思うから。それに食べ物が全て「オイシイ」ですよねえ。寿司、天ぷら・・・最高です。5月13はプイの23歳の妹の誕生日でした。日本で迎えられたので、懐石料理を食べましたよ。太ったかな?
— いやいやいや(笑)、太ってないですよ。どこで食べたんですか?
ペー ミシュラン2つ星 の「麻布かどわき」に行きました。すごーく美味しかった。
— ミシュランだって・・・(質問チーム、顔を見合わせる)。
ペー 僕たちは、食べることにはとっても真剣なんです。日本に来るときは何日にどこでこれを食べるとか、プランを立てて予約をします。ラーメンならここ、鮨ならこことだいぶ前から決めるんですよ。日本はファッションもそうだけど、食の天国でもありますよねー。あ、そういえば「すきやばし 次郎」にも行きました。寿司美味しかったです。日本には10回以上来ていますが、僕達、食べる事とショッピングだけで、もう観光しないもんね。
パーン 日本は全部が好き。何度来ても全然飽きません。
プイ 日本で買い物したり、食べたりってことは高いですけどOK(笑)。全てが安全ですからね。
— 日本人には嬉しいお話です…そして羨ましい(笑)。将来3人でやってみたいことや、夢はありますか?
パーン パフォーマンスをもっと磨いて、皆さんに楽しんでもらいたいです。
ペー ほんとそうだね。
パーン 今までやってきた以上のものを見せていきたいです。
ペー ずっと何度も日本に来てパフォーマンスしたいですね。
— 本当ですか!?
ペー それと、もっと改善してジャンルを超えたパフォーマンスができるユニットになりたいけど、ベースは変わらずクラシックスタイルを貫いていきたい。去年は僕らの学校で「ミュージックキャンプ」というオーケストラのイベントを群馬と東京の新宿文化センターでやったんですよ。交換留学みたいなスタイルです。私たちは仕事をしていきながら、次世代の人たちにチャンスを与えていきたいんです。
— 次世代の事を考えているのは素晴らしいですね。タイでもこれから皆さんのようなクラシックのスターが出てくるという可能性が増えるわけですよね?
プイ タイはまだまだこれからなんですよ。
ペー まだまだこれからだからこそ、タイはチャンスであふれているし、僕たちのチャレンジでもある。クラシックのユニットは初めてだから、僕たちも様々なことにチャレンジしていきたいんです。
— いやー、素晴らしいです。そうそう。学校の事を教えてください。
プイ ラチャダーピセーク通りのエスプラナードの4階に私達のスクールViemusがあります。
日本人の女性が私達のスクールに習いに来ているんですよ。日本人の皆さんはもっとスクールに習いに来てくれたらうれしいですね。かわいい子供たちもたくさん来ているけど、大人の生徒も沢山いますよ。
ペー Vie Musは、日本人が沢山住んでいるエリアに2つ目の教室をオープンする予定なんです。よかったら来てくださいね。
— もしかして、3人とも先生なんですか?
パーン もちろん。私達も講師の一人ですよ!
ペー プイは子供に教えるのが好きなんですよ。タイランドハイパーリンクスからの生徒さんにはスぺシャルサービスしますね。
Viemus Music School
[営業時間]
火 – 金: 10:00 – 20:00
土 – 日: 8:30 – 20:00
[住所]
4th Fl, Esplanade Ratchada, Bangkok 10400
[電話番号]
+66 2 354 0765
[メールアドレス]
info@viemus.com
[ウェブ]
http://www.viemus.com
https://www.facebook.com/Viemus
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日本とタイの文化交流にも力を注いでいる「Vie Trio」の皆さん。タイのクラシック音楽シーンの未来を担う素晴らしいミュージシャンでした。
・・・そして、ミシュラン二つ星で懐石料理をむさぼり食いたいと思ったインタビュアーチームでした。
[インタビュアー Kung Preeyaporn、吉田彩緒莉]
[編集 吉田彩緒莉]
第15回タイ・フェスティバル2014
[日時]
2014年5月17日(土)18日(日)
[会場]
東京・代々木公園
[ウェブ]
http://www.thaifestival.jp/jp