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2016年5月14日・15日の二日間、毎年恒例の「タイ・フェスティバル」が東京・代々木公園で開催されました。メインステージはタイの豪華スターたちによるパフォーマンスで大盛況!タイに行ったことがあってもテレビを見ない人や音楽を聴かない人はあまりわからないかもしれません。でも在日タイ人や、タイの文化やカルチャーにどっぷり浸かっている日本人にとっては毎回「今年はあの有名な人が来るんだ!」と話題に。タイ独自の音楽で、日本の演歌に少し似ている「ルークトゥン」というジャンルの歌手が毎年来ていますが、今年はそのルークトゥン界から若い世代で最も人気のある、タッカテン・チョンラダーとパオ・パオワリーがやってきましたよ!二人ともとてもキュートでよく笑う、素敵な女性。特に地方出身者に長きに渡り愛されている「ルークトゥン」の魅力についても語っていただきました
タッカテン・チョンラダー
テレビオーディション番組 「First Stage Show」からデビューした、超人気ルークトゥン (タイ演歌)歌手。2 番目のアルバム「タノ ン・コン・ファン(夢に向かう道)」収録曲の 「マイ・チャイ・フェーン・タム・テーン・ マイ・ダイ」がタイ国内で大ヒットしミリオン セラーになった。その後も、多くのメディアか ら数年連続でタイ女性演歌歌手最優秀賞を受賞 するなど、人気は健在。 (タイ・フェスティバル公式サイトより)
パオ・パオワリー
ルークトゥン(タイ演歌)歌手であり、女優として も活躍している。2010 年に FAN TV で放送されたオ ーディション番組「クワーマイク・クワーチャンプ (マイクを掴み、チャンピオンを勝ち取れ)」 第1回目の優勝者。同年、タイ演歌界の女王として 知られるプムプアンの伝記映画にプムプアン役 として主演。歌手としての高評価を得ている他、 連続ドラマや映画にも多数出演している。(タイ・フェスティバル公式サイトより)
--タッカテンさんって、バッタっていう意味ですよね?
タッカテン:そうですよ!
--いやちょっとびっくりしました。タイではこういうニックネームって普通なんですか?
タッカテン:普通ですねー。バッタっていうニックネームの人、いっぱいいます。
--日本来るのは何度目ですか?
タッカテン:私は3回目です。
パオ:私は2回目です。
--確か二人とも大阪のステージでも歌っていましたよね。
パオ:そうです。大阪と合わせて2回目ですね。でも東京の「タイフェスティバル」で歌うのは初めてです。
タッカテン:私も大阪で2回歌っています。
--大阪と東京って、印象は違いますか?
タッカテン:町の雰囲気は違いますけど、どちらも応援してくれる会場の皆さんが、かわいいなあ、と思いました(笑)。
パオ:大阪で初めて歌った時、私もそう思いました。ファンが皆さんかわいくて。本当に私を見に来てくれたんだなあ、と思うと、とってもかわいいなあと思いました。(日本語で)カワイイ(笑)!
--色々なジャンルがある中で、なぜルークトゥンというジャンルの歌手を選んだんでしょう?
タッカテン:小さい頃から大好きなジャンルでした。聴きやすいジャンルだし、飽きないですよね。ルークトゥンはタイ人と長年の付き合いがあるジャンルですから。
パオ:母がよく聴いたり、歌っていたっていう影響もありますね。歌詞の内容も伝わりやすいし。色々なジャンルの曲が好きですけど、ルークトゥンが一番が好きでした。
--二人ともルークトゥンの若手の女王と呼ばれていますけど、そのことについてはどう思いますか?
タッカテン:わー!
パオ:うれしい!
タッカテン:ルークトゥンの女王って言われるのは本当にうれしいですよね。もう亡くなってしまった人ですが、ルークトゥンには伝説の歌手がいます。プムプアンさんという人ですけど、その人こそが本物の女王です。その人にずっと憧れていたんです。
--プムプアンさんと言えば、パオさんはプムプアンさんを描いた映画の主役を演じたんですよね?
パオ:はい。映画でプムプアン役をやりました。女王と言ってくれてうれしいです!私はルークトゥンでは、新ジェネレーションと言われています。でも、新しい時代のルークトゥン歌手と言われても、長く続いているルークトゥンの伝統を継続していきたいと思っているし、良い歌を歌っていきたいですね。後に若い新人が続いていくように、憧れられるように努力したいです。
--日本にもルークトゥンに似た演歌と言うジャンルがあるんですが、日本ではあまり若い人は聴かないんです。でもルークトゥンは、割と若い人からお年寄りまで、様々な人が聴いていますよね?なぜそんなにタイ人に愛され続けると思いますか?
タッカテン:歌詞の内容だと思います。昔からあるジャンルですが、歌詞は時代に合わせて変えているんですよ。若者言葉を入れてみたり。だからどの時代の人も感情移入できるんですよ。
パオ:ルークトゥンは永遠の歌と言われています。どんな時代に聴いても良い曲だから。それにタイでは「ルークトゥンは死なない」って言う言葉があるんです。それくらいタイ人に昔から愛されてきた曲のジャンルです。
--ミュージックビデオを見ましたが、確かに悲しい曲なんて、歌っているのを見るだけで、何か伝わってきますよね。メロディーにも哀愁がありますし。テレビで見て感動していました。
タッカテン:わあ!それは嬉しいですねー!
--二人はよく共演するんですか?
タッカテン:二人だけの共演と言う形では、そんなに多くないけど、時々ありますね。私が先輩で、彼女は後輩で、ニュージェネレーションの人との共演、っていうステージもあるし。私はバラードが多くて、パオはダンサブルな曲が多いです。それを両方楽しむようなイベントもありますね。
--そうですよね!YouTubeで見ました。
パオ:ありがとうございます(笑)!
--よくタイのドラマではライバル同士、仲が悪くて争う話も多いですけど、二人はそんなことないんですか?
タッカテン:あーー(笑)!
パオ:私のこと嫌いですかー?
タッカテーン:違う違う(笑)!同じレコード会社っていうのもあるんですけど、姉妹みたいに思っています。時には相談に乗って、アドバイスもしていますよ。
--タッカテンさんから見ると、パオさんは後輩ですが、どんな所が素敵だなって思いますか?
パオ:えー(笑)!
タッカテン:彼女はとってもフレンドリー。歌も時代にきちんと合わせてくれる素晴らしい歌手です。しかもルークトゥンのことや歌についてすごく勉強していますよ。それからこの人、何でもやります!
--え(笑)?
タッカテン:ボスや会社にこういう路線でやろうって言ったら、なんでもやるんですよ。
--バイタリティのある人なんですね。パオさんから見た先輩のタッカテーンさんはどんな人ですか?
パオ:タッカテンさんはルークトゥンのアイドル!私はコンテストの時にタッカテンさんの歌を歌いました。
--あ!そうなんですか?じゃあパオさんにとっては、憧れの人だったんですね。
タッカテーン:えへへへ(照れくさそう)
パオ:そうなんです。ステージも魅力的で観客を魅了します。だから私はいつも参考にしているんですよ。バックステージでも面白い話をしてくれて、一緒にいてとても楽しい人です。
--二人は出身はどこですか?
タッカテン:ナコンラチャシマ―(コラート)です。
パオ:スパンブリーです。
--タイが詳しい人はわかりますが、まだタイに詳しくない日本の人があまり知らない場所だと思うので、どんな場所だか紹介してくれますか?
タッカテン:ナコンラチャシマ―は県名だとわからないけど、日本人も知っている有名な観光地があります。カオヤイといえば、わかりますね。有名な自然がいっぱいの場所です。戦争で活躍したとても有名な歴史上のヒロイン・ヤモー(日本ではタオスラナリと紹介されている)も有名です。ピマーイ遺跡もあります。ここは日本人も知っていますね。パットミーコラートって言う料理がおいしい!日本人も絶対知っているパッタイに似てるけど、パッタイよりかなり辛いです(笑)。
パオ:スパンブリーといったら独特のイントネーションの方言があるんです。スパンブリーの言葉で話したら、タイの人は「あ、この人、絶対スパンブリーの人だ!」ってわかるんですよ。
--そうなんですか!?
パオ:(笑)そうです。観光地も沢山あって、お寺が沢山。San Jao Pho Lak Muang Suphanの巨大な竜の像が有名です。
--タイが好きな人の中には、ルークトゥンのファンがいて、二人のことを応援している人もいるみたいですね。会ったことはありますか?
タッカテン:会いました、会いました!タイに住んでいる日本人ですけど、日本まで見に来てくれたり。本当に親切で礼儀正しくて、お土産まで持ってきてくれるんですよ。心を感じますね。それから、お辞儀をしてくれます。あれは敬意を表してくれているんだなあと思って、感動します。
パオ:初めて会った時はびっくりしました。大阪で歌った時だったんですけど、ネームプレートやポスターを持って会場に来てくれていて!「え?日本人ってルークトゥン聴くの?」って驚きましたよ。その後、タイまで団体でコンサートを見に来てくれました。ぬいぐるみやお菓子を持ってきてくれるんですよね。みなさんすごく笑顔が素敵です。それに私のニュースを全部チェックしてくれています。
--そんなけなげな日本のファンの方にメッセージをお願いします。
タッカテン:日本のファンの方には会う度、毎回感激しています。いつも暖かい応援をしてくれてありがとうございます!いつもかわいい存在でいてくださいね!また日本に来たいです。私たちの歌を聴いて、幸せな気持ちになってください。
パオ:タイのファンも日本のファンも、いつもありがとうございます。日本のファンの方たち、愛しています!こんなに暖かく歓迎してくれて、また何度も日本に来て歌いたいです。私の作品を聴いて、私を見てほしいし、「タイ・フェスティバル」にもまた出演したいです!
[インタビュアー 吉田彩緒莉]
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