|
|
2024年7月7日、七夕の日。
AKB48とBNK48の姉妹グループであるCGM48の支配人兼メンバーの伊豆田莉奈(いずりな)さんが卒業を発表。
伊豆田莉奈さんが参加する最後のシングル曲は「桜、みんなで食べた」。卒業曲は「アリガトウ」。
チェンマイでの七夕の和やかなイベントに走った衝撃。
しかし、実は我らチーム・タイランドハイパーリンクスは知らされていた。
遡ること2ヶ月前の2024年5月。我々はタイ北部の古都チェンマイで、いずりなさんに、とんでもない秘密を打ち明けられた。
「2024年11月にCGM48を卒業します。そして支配人も辞めます」
人は大きな秘密を知ると、その瞬間は大声で叫ぶものの、しばらくすると、呆然とし、静かになるものであると言うことを知った。いや、単にワタシの声がデカ過ぎただけかもしれない。
その日はそう遠くないということは何となく予想はできていた。
しかし、やはりその日を具体的に、本人から伝えられると、何とも言えない感情が溢れ出てくる。
我らはポカーン、と口をあけたまま、これまでBNK48➔CGM48と取材させていただいてきた長い月日を思い出し、感傷に浸ってしまった。
その日から約2か月。我々は「お口にチャック」という幼少期に覚えた言葉を合言葉に、日々を過ごした。そう。それはタイフェスティバル東京2024で、BNK48とCGM48にインタビュ―した時ですら、耐えねばならなかったのだった。
うう、きつい、きつすぎる。
なぜって、インタビューのために並んだBNK48とCGM48のメンバーは、いずりなさんの卒業を誰ひとり、知らないんだもの。
運営の方のみは知っていると思われる、いずりなさんの卒業。運営側の方と目があっても、何も知らないよ、うふふ、という顔で口笛を吹いたりして(吹かないけど)なんとなく、スタッフさんと一緒にいる時間までソワソワしてしまった。
いずりなこと伊豆田莉奈さんが、AKB48に加入したのは2010年。研究生としてのスタートだった。我々は2022年にもチェンマイでいずりなさんに超ロングインタビューを行っているが、その中で彼女は当時バンコクにできるというBNK48への移籍を自ら希望し移籍したと語っている。これが2017年のこと。
BNK48は2thシングル「恋するフォーチュンクッキー」が爆発的ヒット。一躍国民的アイドルとなる。その勢いは、日本の状況に置き換えれば、本家のAKB48の最盛期を彷彿とさせるものだった。
そして2019年、いずりなさんにまた転機が訪れる。チェンマイを拠点とするCGM48ができるという報告と共に、支配人の打診を受けたのだ。
ただでさえ責任の重いポジションだが、いずりなさんは、なんとメンバーとしてステージに立ちつつ、支配人という重責を引き受けた。CGM48の支配人として、プロデューサーの仕事を任されることもあったと言う。
その時の彼女の心情は、2022年のインタビューで切々と語られているので、チェックしてほしい。
AKB48、BNK48、CGM48と計14年を、日本とタイの48グループに捧げてきたいずりなさん。
今、卒業の発表を前に、何を思うのか。
ーー劇場ならぬ、CGM48がメインで使ってる「Muan More Space」が完成して半年、実は私、ちょっと心配してました。前回のインタビューで、劇場ができるまでりなさんは卒業できないと言ってたじゃないですか。
今回は「Muan More Space」やCGM48の近況をりなさんに自身に紹介してもらおう企画の取材だったんですけど、「Muan More Space」ができてしまったと言うことは、りなさんが卒業しちゃうんじゃないか?と思って。
いずりな:ふふふ。この記事、いつ頃出ますか?
ーーえ?
いずりな:これ、外部の方には初めて話すんですけど、私、今年の11月末でCGM48を卒業します。
ーーえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(悶絶)!
いずりな:本当は私、BNK48の1期生と同じ時期に契約が終わる予定だったんですよ。でも私はCGM48の支配人になっていたこともあって、卒業できる状況ではなかったんです。CGM48のキャプテンだったオームちゃんの卒業も決まっていたっていうのもあるんですけどね。
だからオームちゃんが卒業して少し経ったころ、卒業しようって決めていたんです。
7枚目のシングルに、私は入っていません。8枚目のシングルが私の卒業の曲って決めているんです。
ーーえーっと、いつ記事を出すも何も、りなさんはいつ発表する予定なんですか(汗)。
いずりな:去年、ファンの方が書いてくれた短冊の願い事を、CGM48が叶えるっていう七夕イベントをやったんです。全員で浴衣も着ました。凄く好評で、2024年もやるんですよ。7月6日・7日に開催するので、そこで発表します。
ーーじゃあ、我々もその日に発表します!よ、ね(編集長を振り返る)?ふぁああああ、5月にチェンマイに来れて良かった。そうでなかったらこのタイミングを逃していましたね。
いずりな:ホントですよね(笑)?ありがとうございます(笑)。実はその前には、お世話になった関係者やメディアの方々には、メールで7月6日、7日の七夕イベントで卒業を発表しますという案内を出そうとは思っていたんですよね。
ーー直前じゃ私、日本からチェンマイに来れなかったので、良かったです(涙)。
ーーとはいえ、りなさんの卒業は遠からずあると思っていたので、先日の「T-POP Showcase Tokyo 2024」の取材で、MCをしているりなさんを見て「あっ!りなさんは卒業したら次はこういう道を進んでいくのかなー?」なんて漠然と思っていました。
いずりな:お会いしましたよね!いやー、初めての経験で、大変でした(笑)。
ーー何が凄いって、タイ人のアーティストが出演しているわけなので、いずりなさんが通訳もMCも両方こなしていたってことなんですよ。どっちも大変なのに。
いずりな:今までは通訳をすると言っても、タイと日本のメンバー間の通訳しかやったことなかったんですよ。
シングル曲を出す時に日本の先生とレッスンしてきたんですけど、コロナ禍に入った頃からオンラインでレッスンすることも増えて、その会話を通訳したり、日本の48グループとスペシャルコラボ配信みたいな時に通訳したり。
「T-POP Showcase Tokyo」のイベントはMCだったじゃないですか?
ーーはい、立派なMCでした(笑)。
いずりな:MCに興味がなかったわけじゃないんですけど、私なんかに務まるのかな?って思っていたんですよね。
その仕事を、自分が楽しんでできるのかわからないっていうのもあったんですよ。メンバー間内の通訳は、単にメンバ―同士が仲良くなれるように、おしゃべりを手伝っている感覚でしかなくて。それが仕事となると、通用するんだろうか?って思って。
ーーいやいやいや、御謙遜すぎますよ、それ(笑)。
いずりな:T-POP Showcase Tokyoに出演していたメンバーは、もともとQRRA(カーラー)とQUADLIPS(クアドリップス)は同じ48グループだし、元から会話している上に、仲も良いから特に不安はないんですけどね。ただ、PROXIE(プロキシ)は同じ事務所に所属しているのに、一度くらいしかお仕事をしたことがなくて。PERSES(パーセス)は他の事務所だったので、全くの初対面。それなのに私のタイ語は通じるのか!?と!
ーー確かに(笑)!何度も会っているタイ人はタイ語レベルがわかるから、発音が少し違っても、何となく分かってくれたりするし、表情を見ながら理解してくれたりしますよね。初対面だと、難しい!
いずりな:でも前日に、取材会があって、その時に話したら「何だ、普通に会話できてるじゃん」って思って(笑)。ただ、PERSESだけは当日初対面でした。
とにかくプロ意識が高くて、2組ともリハーサルから100%力を出していて、びっくりしましたし、尊敬しました。
今回初めてボーイズグループの曲を聴いて、名前を覚えて、事前にたくさん勉強しましたよ。自分が女の子のグループにいて慣れているせいか、女の子のタイ人の名前は覚えられるんですけど、男の子のタイ人の名前って、覚えにくいんですよ。覚えているのはファンの方の名前くらい。
ーーファンの方の名前を覚えてるのも、相当凄いと思いますけど(笑)!
いずりな:覚えてますよー。
私は自分が歌いたいから、女性アーティストの曲しか聴かないんですよね。タイだとINKさんをよく聴きます。
ボーイズグループは、やっぱりタイ人のメンバーの方が詳しく知ってるから、メンバーに教わったりしました。でも、不安だったMCは結果的に凄くやりやすかったです。
ーー良かった!良かった!本当に堂々としていましたよ。
いずりな:本当ですか?凄く楽しかったので、またこんなお仕事をやってみたいなって思っています。今回のT-POP Showcase Tokyo 2024みたいな大きなクラスで、T-POPのイベントを広げていくようなお仕事を、もっとできるようになりたいですね。
ーータイが大好きな人はみんな、もっと日本にT-POPが拡がってほしいと思ってますからね。いつか武道館みたいな大きな場所で、タイのアーティストが10組くらい出るようなイベントをやってほしいな~。そして司会はいずりなさんで!
いずりな:武道館(笑)!確かにこれまでT-POPのグループのアーティストが大きいステージに立てるのって、最近だとタイフェスティバルでやっとって感じだったじゃないですか。そういう大きなイベントが他にあっても面白いですよね。
まだまだ日本でT-POPを知ってもらわないといけないですから。
ーー卒業してからのプランはもう具体的には考えているんですか?
いずりな:とりあえず考えているのは、11月にすべての48グループの活動を終えたら、12月は1か月休みたいです。一度日本に帰国して、ゆっくりと家族と過ごして…。私AKB48に入ってから一度も長期休みを取ったことがないんですよね(笑)。
ーーご家族の方も楽しみにしているでしょうね。
いずりな:タイと日本の両方で、仕事をして行きたいと思っているんですよ。まだ卒業の話をしていないので、オファーがあるのはこれからだと思うんですけどね。
実はBNK48の一期生が卒業するころに、私も卒業するんじゃないかっていうウワサが出てたことがあったんですよ。その時に「卒業したらどうするんですか?一緒に仕事しませんか」というお話もあったんですよね。
ーータイも争奪戦ですね(笑)。
いずりな:その時は「機会があったらよろしくお願いいたします。」っていうお話をしていたんですけど、結構お誘いが来てたんですよ。
ーーどんなお仕事のお誘いがあったんですか?
いずりな:タイのお仕事はアイドルのプロデュース系のお話しが多かったんですよね。
ーーあら?裏方?
いずりな:はい。その時は「えーっ?そんなことできるのかな?」って思ったし、ずっと表で仕事してきたから裏方だけだと自分が楽しいと思えなさそうで。
だからバランスよくやっていけるのなら、そういった仕事もしてみたいですね。
T-POP Showcase Tokyo 2024のおかげでMCの仕事にも興味が持てたので。
ーーちなみに支配人の仕事も辞めちゃうんですか?
いずりな:辞めます!
ーーえーっ?そうなんですか?
いずりな:そこだけ残っているのもなんだかなあって思うし(笑)。ここできっぱりやめた方が良いという気持がありました。
ーーじゃあ支配人はまた48グループから誰かが任命されるとか…。
いずりな:どうなんでしょうね〜。これから決まっていくと思います。
ーーもうアイドルはやらないんですか?
いずりな:歌もダンスも好きなので、そういう話があればやりますけど、さすがに
「アイドル」というスタイルではやらないと思います。
個人的に考えているのは、いつかはタイのアイドルをもっと応援できるような立場の仕事をしてみたいなあって思ってます。タイにはアイドルがたくさん居るんですけど、あまりタイでは知られていなくて。
タイのドン・キホーテでよくアイドルイベントをやってるんですよね。
ーーあれ?編集長がよく取材してますよね?ね(編集長を振り返る)?
いずりな:私もアイドルのイベントはこっそり見に行っていて、少しだけ他のアイドルの子たちと会話したり、交流があったりするんですよね。
そういう日本スタイルのアイドルのジャンルで、頑張っている子たちがもっと広まってほしいから、ガッツリではなくやんわりとサポートできたらいいなあ。
みんな全力で頑張っているから、多くの人に知ってほしい。ホントは今でもコラボはしたいんですけど、タイは難しい。
ーータイの芸能系や音楽業界って、メーカーが凄くきっちり分かれてますよね。大きなカウントダウンみたいなイベントはまた別かもしれないですけど、同じメーカーや系列のところしか一緒にイベントやらないし、テレビ番組のチャンネルですら分かれていて。
タイフェスティバルでも割と大物のアーティストが「タイではありえないこと。色々なメーカーのアーティストが一度に会するイベントだから、面白い」って言ってましたもん。
そういう意味では日本の方が女性アイドル同士は交流しやすいですよね。
いずりな:そうそう!そうなんですよ!
日本ではAKB48とモーニング娘。がコラボすることなんて当たり前の話なのに、タイではそういうことが一切ないんですよ。
本当はタイに来た時から「どうしてみんなで一緒にアイドル業界を盛り上げてけないんだろう?」ってずっと思っていたんですよね。
私が時々お話ししていたアイドルの子たちは、2024年2月に開催されたジャパンエキスポの時も、私たちのパフォーマンスをこっそり見に来てくれていたんですよ。アイドル同士、SNSはフォローし合ったりしています。いつかもっと応援してあげられたらいいなあって。
ーーりなさんがアイドルフェスを企画したら面白そうですね。あれ?指原莉乃さんみたい(笑)。
いずりな:確かに(笑)。昔「ゆび祭り」とかやってましたもんね。私はタイでそんなイベントができたらいいなあ、なんて思ってしまいます。今までに前例がないからやってみたいなあ。
ーー他のアイドルを応援することと、MC以外だと、どんな活動をしていきたいですか?
いずりな:まだまだ自分が何に興味を持つか、全く先が見えないんですよね。それがまた楽しみでもあるんですけど。
ーーBNK48の支配人のチャープランさんは、女優をやりながらBNK48の支配人をやっていますよね?りなさんは…?
いずりな:…(爆笑)。いやー、どうなんですか?私。女優みたいなキャラクターじゃないように思うんですけど。私は人とおしゃべりすることが好きなので、基本的に話す仕事なんでしょうね。
ーーりなさんって本当にお話しが上手ですもんね。私、日本のアーティストもタイのアーティストも取材してきたんですけど、大抵の場合、下調べをして答えが少なくてもすぐ投げられるように、準備万端にしていくんですよ。でも、りなさんのインタビューは、りなさんにお任せして、その場の雰囲気で話せるから安心です(笑)。
いずりな:えーっ(爆笑)?
でも確かに私、インタビュアーの方と話すことが好きなんですよね。相手には私がどう見えているんだろうとか。
仲が良いメンバーと話していると、外から見える自分がわからないので、それがわかるのが楽しいんですよ。自分の幅が広がるから、それが面白くて。
ーーT-POP Showcase と言えば、出演していたQUADLISPのメンバーは、りなさんみたいに初めてタイにやって来たメンバーじゃないですか。とくにSKE48のHINAさんから見たら、りなさんは日本からタイに渡航した大先輩だと思うんですけど、何かアドバイスしたり、話を聞いてあげたりはしているんですか?
いずりな:元々顔を合わせたことはなかったんですよ。HINAがSKE48に入ってすぐコロナ禍がきて、交流もなかったし、私はもうチェンマイにいたっていうのもあります。スタッフさんから「今度HINAが行くから、よろしくね」って言われたこともあって、SKE48の仲の良いメンバーに「HINAってどんな子?バンコクに来たら一緒にご飯でも食べたいんだよねー」って、人となりを聞いていました。
丁度CGM48が長期でバンコクにいることがあって、HINAも私もBNK48の寮にいる時期があったんですよ。タイミングを見てご飯食べに行こうっていうことになって。
そこからすごく仲良くなりました。
ーー丁度良かったですね。チェンマイにいたら、会えないですもんね。
いずりな:HINAはその頃、バンコクに来て2か月目くらい。ホームシックとまではいかないけど、「私、英語もできないし、うわあ~!」みたいな時期だったみたいです。そんな時期に日本語で色々話せてありがたかったって言ってくれました。
HINAは根が明るい子なので話していても楽しいし、凄く仲良くなって、私がバンコクに行く時には一緒にご飯を食べに行くようになりました。
お互い仕事があるので、毎日会えるわけではないんですけど、バンコク滞在中は1日だけHINAのための時間を作るようにしています。
ーーお姉ちゃんみたいですね。今後日本の48グループからタイに来る人がいたら、もうりなさんを頼れないんですねえ。
いずりな:実はHINAに卒業のことを話したら「えっ? りなさんが卒業したら私どうなるの(涙)?」って言われたんですよ(笑)。
まあ、私はタイを拠点に活動するつもりなので、いつでも会えるよってことは伝えました。他のメンバーもそうです。同じグループにいないから、ちょっとだけ距離が遠くなるだけ。見守っていきますよ。
ーーこれだけタイ語が話せるようになったら、タイ語を活かした仕事をしないともったいないですよね。
いずりな:そうなんですよ。日本にも徐々にタイのエンタメが拡がってきているので、日本でのタイのイベントにも関わっていきたいし、それ以外の日本にタイのことを伝える仕事、逆にタイに日本のことを伝える仕事もどんどんやっていきたいですけどね。
月並みな言葉ですけどタイと日本の懸け橋になりたいです。
ーーりなさんなら絶対になれますね。今、日本でもタイのイベントってタイフェスティバル東京を始め主要都市でのタイフェスティバル以外にも、たくさん増えてますよね。
いずりな:俳優さんの来日や、映画の試写会みたいなのも増えていますね。
ーーそのうちタイフェスティバル東京の司会とかしちゃったりして。
いずりな:卒業したらぜひやってみたいですけどね。2023年のタイフェスティバルは出演する側ではなく初めて会場を歩いてみたんですよ。その時に、日本人にもタイ人にも声をかけてもらえたんですね。そういう空間が本当に楽しかったんですよ。いつか関われたらいいなあって思っています。
ーーでも、前回のインタビューで、りなさんが言っていたことですけど、りなさんは、CGM48のオーディションでは、りなさんも細かく見てメンバーを決めていますよね?
私はチェンマイをアイドル化したような、今のCGM48は、AKB48のDNAをメンバーであったりなさんが来ることで、直接チェンマイに持ち込まれて、さらにチェンマイらしさを加えることで今のクオリティになったんじゃないかな?と思っていて。りなさんがいなくなったら、今いるメンバーはいいとして、その後はどうなっていくのか、恐くもあります。
いずりな:うーん、そうなんですよね。今回の3期生が私がオーディションを見る最後の候補生なので、4期生、5期生がどうなっていくのかなっていう不安は、私もありますね。
ーー支配人候補はもう選抜されつつあるんでしょうかね?
いずりな:どうなんでしょう。それは今はまだわかりませんけど(2024年5月時点)、自分がメンバー兼支配人をやってみて思ったことは、メンバーに支配人はやらせたくないかな(笑)。
あまりにも荷が重すぎるからかわいそう。
ーー今(2024年5月時点)、りなさんの卒業を知っている身近な人は誰なんですか?
いずりな:事務所のスタッフと、フォーチュンだけです。
ーーじゃあ…ほかのメンバーは…。
いずりな:まだ知らないし、言っていないです。ショックを受けるだろうし(笑)、卒業を正式発表するその日までは言いません。最初にフォーチュンに伝えた時には号泣されましたけどね。
ーーそりゃそうなりますよね。事務所のスタッフさんに言ったのはいつ頃だったんですか?
いずりな:タイはタイで、契約年数が決まっているんですけど、日本の契約はまた違うから、誰も「りなっていつ卒業するんだろう?」というのがわからないんですよ(笑)。自分が申請しない限りわからないんです。
実はファンの方もタイのメンバーなら何期生の誰がいつ頃卒業するっていうのは、だいたいわかっているんですよね。
だから、会社との契約を延長した時に、仲の良いスタッフさんだけに「これくらいまではいるよ」っていう話をしました。その後、他のスタッフさんにも「これくらいの時期には、辞める」って伝えました。そしたら「りなが辞めるなら自分もスタッフを辞める」とか言い出すスタッフさんも出てきちゃって(笑)。
ーータイあるある(笑)。
いずりな:そうなると、ちょっとCGM48に申し訳ないことになっちゃうんですよ。CGM48のスタッフは多くないですし、自分の家庭や生活もあるのに24時間CGMの仕事なんてできるわけないですから。
そういうところで、私も支配人って言う立場で、「これはこう、ああしたほうがいい」とかコメントをするじゃないですか。そのことでスタッフさんの負担にもなっていたと思うし。
ギリギリでまわしている状態で、私が辞めたらスタッフさんもまた大変になるし、メンバーも大変になるから本当に申し訳ないと思った時期もありました。
ーー支配人たるや、もっと大勢のスタッフに囲まれて、優雅な仕事ができるのかと思っていました。
いずりな:いや、そんなこと全然ないんです(笑)。だからこそ、辞めるまでの計画を細かく立てて、ここまでにどのスタッフに言う、ここまでにどのメンバーに言う、将来につながる仕事については、どのスタッフに話すとか。
ーーもう残りの期間が見えているのも、何だか切ないなぁ。
いずりな:残りの期間が見えているから、フォーチュンにはメンバー側の業務を引き継いでいます。レッスンを見てもらったり、立ち位置の書き方とか、振り入れの仕方を一緒に手伝ってもらっています。私のやっていた仕事をどんどん振っていますよ。
私はそれまで、メンバー部分プラス、ライティングの色や、セットリスト、エフェクトを入れるタイミングも全部自分で決めたり、コンサートスタッフさんの部分もチェックしていたんですよね。
ーーそれは支配人だけじゃなくって、舞台監督までやってたといういうか(笑)。
いずりな:そうなりますね(笑)…。。
ファンの方の間では、私はオームちゃんと同じ時期に卒業するんじゃないかとかウワサにはなっていたと思うんですよね。でも私は一切におわせていないので、今、ファンの方たちの間では「じゃあCGMの1期生と同じタイミングで卒表するんだ?」っていう雰囲気になっています。そうなると、来年かな?なんて思われてますね。
ーーそれ逆サプライズじゃないですか(笑)。安心しているところにゴーンと!
いずりな:…(笑)。
ーーでもCGM48のメンバーの皆さんやBNK48のメンバーの皆さん、卒業発表当日まで知らないとはいえ、りなさんの卒業時期についてウワサはしているんじゃないですか?
いずりな:ありましたよ。スタッフさんが他のメンバーに「りなさん辞めちゃうんですか?」って聞かれたから「りなは他のメンバーに卒業時期を言っちゃったの?」って聞いてきたことありましたもん。
他のメンバーにも「りなさんはずっと長く一緒にいてくれるんですよね?」なんて聞かれました。ちょっと心が痛いんですけど。
私的には11月までって結構長いなあって思っていたんで「いやー、結構長くいるよ」って言っちゃったんですけど、メンバーの中には「えっ?11月?早い」って思う子もいるでしょうね。
ーー卒業公演はこの劇場でやるんですか?
いずりな:そうですね。でもコンサートはバンコクでやります。バンコクの方が結局色々な方が来やすいじゃないですか。ファンの方もそうですし、昔のスタッフさん、メンバー…。みんなに「ありがとう」が言いたいから、コンサートはバンコク、劇場公演はチェンマイで。
ーーご家族には報告しているんですか?
いずりな:もう知っています。一緒にゆっくり過ごしたいっていう話もしていますよ。家族と旅行したこともないもんなあ。
ーー日本のファンの皆さんに伝えたいことはありますか?
いずりな:日本のファンの方は、りなは日本に帰って来るのか?タイに残るのか?っていうのを気にかけてくれていると思います。この前のT-POP Showcase Tokyo 2024で、まだ私のことを覚えていてくれるAKB48のファンの方もいて感動しました。そういう環境が好きなので、日本のファンの方に会えるイベントの仕事もしていきたいです。
やっぱり私は人と関わり合うことが大好きなので、これまでみたいな「握手会」のような形ではなくなっちゃうかもしれないけど、ライブ配信もマメにするようにして、みんなが私を見ていられる状況は作っていきたいな。
だから変わらず応援してくれると嬉しいです。
ーーCGM48のファンの方に伝えたいことは?
いずりな:CGM48のメンバーを、皆さんで守ってください。
ファンの方がいなかったら、CGM48は何もできないと思ってしまうくらい、私たちの活動に必要な存在です。
例えば今回のタイフェスティバル東京2024に出演したメンバーは6人中、5人がCGM48なんですよ。ファンの方がいなかったらこんなこと起きなかったと思います。CGM48はほんとうにファンの方に支えられているグループなんです。
しかもBNK48の16thシングル選抜総選挙では、CGM48のPimが1位だったんですね。去年からCGM48の勢いがすごくて。ファンの方が頑張ってくれたからできたことだし、改めてファンの方のパワーの凄さを再認識しました。
今後もう一つお願いしたいことは、自分の推しが卒業しても、CGM48の応援は継続してほしい。それだけでメンバーも安心すると思います。CGM48にとってファンの方は本当に安心、安全な存在なんです。
ーー熱心なファンの方が多くて幸せですね。
いずりな:なんでこんなにファンの方がCGM48を一生懸命応援してくれるのか考えてみたんですけど、CGM48って、大きなお仕事はバンコクであるから、バンコクに出て行かないといけないんですけど、やはり交通費の問題とかあるから、なかなか表に出る大きな仕事ができないんです。
そういうメンバーにチャンスをあげたいという一途な気持ちから、こんなに応援してくれるんだと思います。
投票系のイベントは今、CGM48の方が強いんですよ。個人的には嬉しいんですけど「いいのかな?」って思ったりしつつ、ファンの方たちの力に感謝ですね。
ーーCGM48のメンバーに伝えたいことは?
いずりな:外から見守る立場に変わるけど、これからもずっと、大切な妹たちです。初期から見てるから思い入れが強いし、自分も最初から所属する最後のアイドルグループだと思って活動してきました。見守る距離は遠くなるけど、絶対見捨てないからね。
ーーありがとうございました!
残り少ないチェンマイ生活の中で、バイクタクシーに乗りながら「ああ、こんなチェンマでの日々も、もう少しで終わりか〜」と、今までの思い出を振り返っているといういずりなさん。
筆者はタイの中でもチェンマイは特に好きな都市のひとつなので、そこに日本のAKB48グループの姉妹ユニットが誕生し、チェンマイの「顔」のようなアイドルになってくれていることを、誇りに思っていた。
ここ2回のチェンマイ旅行には、いずりなさんの取材を絡め、近況をうかがっていたので、チェンマイ=いずりなさんの取材、という使命感もあった。
しかし、2024年11月末以降、「北方のバラ」と例えられる美しい古都チェンマイに彼女はいない。
運営以外と限られた身内以外には初めて卒業することを話してくれたいずりなさん。我々を信用してくれたことを、本当にうれしく、光栄に思いつつも
「BNK48の最初のタイフェスティバル東京公演から、いずりなさんには取材していたので、お会いする機会も少なくなると思うと、ちょっと寂しいですね~」と話すと
「何言ってるんですか!むしろこれからサポートしてもらわないと、困ります。」と笑われた。
なるほど!確かにそうだ。
今後ともタイと共に生きていくであろう、いずりなさんの輝きを、タイランドハイパーリンクスでも追って行こうと思う。
これからもよろしくお願いします。伊豆田莉奈さん。
[取材・文:吉田彩緒莉(Saori Yoshida/Interview・text)]
***
***
伊豆田莉奈(Izurina CGM48)
Facebook :https://www.facebook.com/cgm48official.izutarina
Instagram : https://www.instagram.com/rina.cgm48official/
Twitter :https://twitter.com/izuketsu_deen
CGM48
Facebook : https://www.facebook.com/cgm48official
Instagram : https://instagram.com/cgm48official
Twitter : https://twitter.com/cgm48official
YouTube : https://www.youtube.com/c/CGM48official
Tiktok : https://www.tiktok.com/@cgm48official_th
Website : https://cgm48official.com/
—
▼関連記事
伊豆田莉奈 独占インタビュー in チェンマイ~CGM48劇場はどこ?そして現在のCGM48の姿とは?
伊豆田莉奈(CGM48支配人)超ロング独占インタビュー~タイに住む一人の女性として
CGM48のライブも開催、iAMがチェンマイでライブハウス「Muan More Space」オープン
関連記事