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タイにはボーイズグループが星の数ほど存在し、さながら戦国時代の様相を呈しているのだとか。それもそのはず。K-POP界の人気グループでは、BLACKPINKのリサを筆頭に、2PMのニックン、元GOT7のベンベンほか、タイ人がいることはもう特別なことではありません。タイはそれだけ逸材の揃う国であるという事。
ただタイのすべてのボーイズグループが、本当に歌唱力、ダンスのレベルともにハイクオリティかつ、タイでも大人気なのかと言うと話は別。日本同様本場のK-POPを聴く方が良いという人と、やっぱりタイのメロディ、タイの歌詞が安心するよとT-POPを聴く人に分かれます。その中で、タイ人の支持を得るボーイズグループはある程度決まってくるものなのです。
2024年4月5日、Zepp Shinjukuで行われた「T-POP Showcase Tokyo 2024」では、そんな戦国時代のタイのボーイズグループの中で特に注目を集める2組が集う奇跡が起きました。
その中の一つ、PROXIEに取材ができるということで、現場にやってきたタイランドハイパーリンクス。
しかし!人気者はスケジュールが詰まっていることが世の常。我々は、T-POP Showcase Tokyo 2024のリハーサルの合間になんとか15分、取材時間を作っていただいた。
ああ、6人もいるのに15分ですよ!
最初はどうなるのかと思ったものの、PROXIEメンバー6人のお茶目で明るいキャラクターと、メンバーの仕切りの良さで、取材時間も少し伸びました(感動)。
ただ、本当はもっとファンの皆さんと、初めて知る日本の皆さんに、PROXIEの魅力をもっともっと伝え切りたかったという気持が今もあります。
短い持ち時間でフルに質問に答えていただいたGun・Kim・Chokun・Gorn・Onglee・Victorの6人に感謝!
シューティングでは圧倒されるほどのイケメンぶりを発揮しているのに、なぜ話すとこうなってしまうのか!?…元気いっぱいで、外見と異なりちょっと3枚目?摩訶不思議でチャーミングすぎる6人の魅力が少しでも伝わりますように!
ーータイランドハイパーリンクスです。今日はよろしくお願いします!
一同:おおー!
ーーえっ、あれ?ご存知でしたか?
Chokun:聞いたことだけあります(笑)。
ーーノリが良かったので、知っているのかと思いました(笑)。今日はよろしくお願いします!
皆さんは「The Brothers」というサバイバル ショーを経て結成されたそうですね。番組にはどんなきっかけで出演したのですか?
Onglee:「The Brothers」のオーディション告知を見た時、僕が凄く尊敬しているティック(ติ๊ก) 、アナンダ―(อนันดา)、 マリオ(มาริโอ้)、ニックン(นิชคุณ)が番組に携わっていたんです。そこで興味を持って、オーディションに応募しました。
ーーあまりK-POPに詳しくないのですが、2PMのニックンはさすがにわかります。タイからK-POP界で最初にデビューした方ですよね。凄い大物がサポートする番組だったんですね。
Onglee:はい。
Kim:僕はスカウトですね。
ーーあ!スカウト組もいるんですね。
Kim:あの時は丁度大学生で、僕のInstagramのポストを見た方が声をかけてくれたんですよね。ただ、当時はまだ何をやるのか、と言うことは具体的に決まっていなくて、面白そうだなと思って参加しました。
ーーKimさんはチュラロンコン大学卒(タイの東大と例えられることが多い)だそうですね。賢いんですね…。
Kim:…(照笑)
Gun:僕もOngleeと同じで、番組のコーチ的存在(番組ではブローチと称されていた)が2PMのニックンだったということが大きいですね。心から尊敬している方です。
Victor:僕が住んでた家に、お手伝いさんがいて、その人がずっとK-POPを聴いていたんですよ。その影響で僕も自然にK-POPを聴くようになっていました。
ーーそのお手伝いさんがいたから今があるという、運命的な方でしたね。
Victor:本当にそうです。「The Brothers」のオーディションのニュースが出た頃、僕は旅行でアフリカに行っていて、全く知らなかったんですよね。
ーーえっ?アフリカに?
Victor:はい(笑)。だから祖母が「あなた、タイでオーディション受けてみたらどう?」って教えてくれました。
ーーVictorさんは身近な人に導かれて今があるんですね。
Gorn:僕はFacebook広告から応募しました。
ーータイってSNSでデビューのきっかけを掴んだ人が多いですね。日本だと怪しいものも多いので、調べてから信用するパターンが多いです。
Gorn:タイも怪しい広告はありますよ(笑)。ただ、僕も今振り返れば不思議に思うんですけど、オーディションを受けたことなんてなかったから、怪しみもせず、自分がギターを弾いている動画を送ってみたんです。
まさかそこから、今こんなところにいるなんて(笑)。
Chokun:僕もGornと同じでFacebookの広告がきっかけですね。最初は母にナイショで応募して。…でも、僕、実は凄く恥ずかしがり屋なんですよ。
オーディションに出るためのサインをするかどうかためらっていたら「あんた何やってるの?早くサインしなさいよ!」って、結局母に背中を押されてしまいました(笑)。
ーーお母さん、強い(笑)。
ちょっと発音が違うんですが、ChokunさんのChokunというチューレン(タイは名前が長いので幼いころからニックネームをつける)は日本の「将軍」という意味なんでしょうか?
Chokun:多分、そうだと思います。
Gun:ええ?そうだったんだ(驚)。知らなかった(笑)!
Chokun:父が偉い人になってほしくてつけてくれたチューレンなんですよ。
ーーPROXIEというユニット名なのですが、辞書に出てこなかったんですよ。どういう意味なのでしょう。
全員:Gornをちらりと見る
ーーん?Gornさんが名付け親なのですか?
Gorn:はい。と言っても、一から考えたわけではなく、番組からテーマをもらって、メンバー全員でユニット名を考えることになったんです。
その時のテーマが「テクノロジー」で、僕は丁度その時、PCやゲームにはまっていて、ユーザーとサーバーをつなぐ「PROXY」が良いな、って思っていたんですよ。そうすると、ファンを「ユーザー」と例えたらかっこいいなと。
辞書に出てこないのは、ちょっとスペルを変えたからって言うのがあります。
ーー造語だったんですね。通りで…(笑)。でもすごく考えられた名前ですね。
ーーちなみにこの中で一番年下は誰ですか?
Victor:はい!19歳です。
ーー年上は?
Gun:僕です。27歳です。
ーー年代が違うと、仲良くするメンバーも決まってきたりするんでしょうか?
Chokun:最初は緊張してたけど、今はショッピングに一緒に出掛けたり、プライベートでも仲良くしてますね。
Gun:時と場合によって、一緒に行動するメンバーが変わったりします。例えば、カフェに行くとき、PC関連の買い物をする時、単にショッピングに行く時…。
Victorは、カフェに行くのが好きだから、カフェに行くときのリーダーなんです。
ーーカフェリーダー!
Victor:…(笑)。
Gun:そう(爆笑)、カフェリーダーです。僕は抹茶系のドリンクが飲みたい時は、Victorについて行くし、Gornはコーヒーが好きだから、一緒に行く、みたいな感じ。
Kim:僕はですね、ウィンドーショッピングが好きなんですけど、出かけたい時はショッピングが好きなongleeとChokunを誘います。そして「買って!買って!」とねだります。自分では買いません(両手で親指を立てる仕草)!
ーーええ(爆笑)?酷い!
一同:(笑)
ーー今着ているのは衣装だと思うんですが…。
Kim:今リハーサルだったので、完成形ではないですけどね。
ーープライベートではどんなファッションが好きですか?
Onglee:普段は本当にラフな恰好が好きですね。緩めのパンツにスニーカーって感じです。ちょっとかっちりしたい時はスラックスに変える感じですかね。
Kim:僕はタンクトップが多いかな。あと、靴が嫌いなのでいつもサンダル。靴下は絶対履きたくない(笑)。
Victor:ビンテージが好きですね。最初はちょっと年上の紳士が着そうな渋いデザインのものを着ていたんですけど、最近はモード系のミニマルな色の服装が多いです。
Gorn:おじさんが若い頃に着ていた服が好きで、引っ張り出して着たりします。気に入った丈の長さのパンツがないから、裁断してくれるお店に持って行って、好きな長さにカットしてもらうことが多いかな?
Chokun:僕は肌を見せるのが苦手です。
一同:(笑)
ーーそう言えば今も首が詰まってますね(衣装の黒いシャツ)
Chokun:(笑)…。日光が苦手なんです。
一同:(頷く)
ーータイの男性は肌の色が白い人が増えた印象です。皆さんも日光には気を付けているんですか?
Gun:どちらかというと、日光に当たった後のケアの方が大事なのかなって思ってますね。
ーータイは暑いから、皆さん普段はラフな恰好をしている方が多いんですね。Gunさんは?
Gun:僕は汗っかきなんですよ。タイは暑いから、汗が目立たないようにしてますね。
Kim:Gunは汗が目立たないように、全裸です!
ーーこら(爆笑)!
Gun:いやいや(笑)、ちょっとやめて(笑)。
全裸ではありません(笑)!僕は白、黒、グレーって言う感じのミニマルな色の服が多いです。でも「今日はパワーが欲しいな」って思う時はトップをオレンジにしてデニムと合わせる事が多いです。
ーーPROXIEの曲は恋愛の歌詞が多いと思うんですけど、実際に好きになるタイプはどんな人ですか?
Chokun:えーっと、いたずらっぽい人
Gorn&Kim:奇妙な動きでからかう
ーーそういういたずらっぽい人が好きなわけじゃないですよね(笑)。何ですかその妙な動きは(笑)。
Chokun:こんな動きをする人は想定してないです…(笑)。それと、面倒見のイイ人が良いなあ。
Gorn:僕は賢くて頭の回転が早い人が良いな。話が合う人は良いですね。
ーーじゃあ、ちょっとバカっぽい感じの人はダメってことかあ(笑)
Victor:(爆笑)…。
Gorn:まあ、言葉は選びますけどそうですね(笑)。知的な人の方がタイプですね。
Victor:僕はかわいい人が好きです。あと好きな物に対してパッションを持っている人。
Gun:僕のことを理解してくれる人!それから人懐っこい人が好きですね。
Kim:優しすぎるくらいの人(親指を立てる仕草)。お互いを思いやるような関係が理想です。
Onglee:やっていることに対してまじめな人、そしてなついてきてきてくれる人。
Kim:(わざとなつく)
Onglee:(笑)…。
ーー結構皆さん恋愛相手の好みは分かれるんですね。
ーー6人もいるとダンスや歌の部分で意見が合わない事とかあると思うんですけど、そんな時はどうしているんですか?
Kim:多数決で決めることが多いよね?
Gun:(頷く)
ーー平和的に解決できると。
一同:(頷く)
ーーリーダーのGunさんから見て、このメンバーのココが面白い、という部分はありますか?
一同:(笑)
Gun:性格的な面白さですか?もう、たくさん、ありますよ~(笑)。
Gun:Ongleeは一見シャイで全然しゃべらない印象があるんですけど、実はめちゃくちゃおしゃべりです。
ーーえ~?私の印象もおとなしいのかな?恥ずかしがり屋なのかな?と。なんだか全然しゃべってくれない印象(笑)!
Onglee:あー、違うんです、違うんです!人見知りなので、親しい人とは凄くたくさん話せるんですけど、初対面の人とはなかなか話せないんです。ごめんなさい(笑)。
ーー冗談です(笑)!
Gun:本当は凄く陽気です。よくやるのは、自分が失敗した時に人のせいにするギャク。
ーー えっ?それって、嫌な奴じゃなく?
Gun:冗談でやってるんです(笑)。
Gun:Kimはね、こうやってふざけてきますけど、凄くパワフルですよ(笑)。メンバーが全員疲れ果てている時も、僕が「疲れた」「もう動けない」と言っている時も、一人で飛び跳ねたりして、みんな頑張ろうよ!って言ってみんなを引っ張って行ってくれる。
Kim:(照笑)。
Gun:「今日の今と言う時間は、一生に一回、今しかないんだよ。だから頑張ろう!」って言ってくれるんです。
ーー良い事言いますね。確かにパワフルさは凄く伝わってきます。全員元気いっぱいに感じる PROXIEでも疲れ果てることってあるんですね。
Gun:レッスン終わって、外で仕事をして、そしてまたもう一か所どこかで仕事って言う時は、さすがに疲れますねー(笑)。
ーー Victorさんはどんなところが面白いですか?
Gun:天然です!
Victor:(吹き出す)
Gun:彼にしかないオリジナルの持ちネタのギャクや冗談が多いですね。それからGornはエネルギーが多くてじっとできない人
Gorn:(笑)…。
Gun:よく「うぇーい、うぇーい」って奇声を発しています。
――それって、変な人じゃないですか(笑)!
Gun:少し前はもっと甲高い声の「きゃー!」っていう奇声を出してたんですけど、声変わりしてそこまでのハイトーンは出なくなりました。
――いや、Gornさん、イケメンだと思うんですけど、凄いキャラですね(笑)。
Gun:それを言うと、Chokunもかなりキテますよ。もの凄い変顔で近付いてきますからね。
Chokun:(わざとキリッとした顔)
Kim:(変顔して、変顔とジェスチャー)
Chokun:(変顔)
Gun:こんな感じで…
――(爆笑)。
Gun:いつもこうやってみんなを明るくしてくれるんです。
Kim:僕からリーダーの面白い所を言ってもいいですか(笑)?
――お願いします!
Kim:Gunは「疲れた」「もう動けない」って言う事があるんですけど、そういう時は単にお腹が空いている時です(笑)。
ーー子どもか(笑)?
Gun:(笑)…。
ーー日本にもファンの方がいるようなんですけど、今日の「T-POP Showcase Tokyo 2024」を見て、更にファンが増えると思うんですよ。それも考えて日本の皆さんにメッセージをお願いできますか?
Kim:PROXIEに興味を持ってくれて本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
Gun:オマエノココロハ、オレノモノ(低音で)
ーー(爆笑)…。
Kim:(爆笑)何?どういう意味?
Victor:タイから来たPROXIEです!僕たちの曲を聴いて幸せになってくれたらうれしいです。
Gorn:もっともっと沢山日本に来たいです。PROXIEのメンバーはみんな日本旅行が大好きなので(笑)。
Chokun:僕たちPROXIEは日本に来られてとてもうれしいです。今後はファンとたくさんしゃべれるようにしたいです。ファンミートとかできたらいいですね。
Onglee:ライブを見てくださった皆さん、本当にありがとうございました。また日本に来ます!
ーーありがとうございました!
取材を終えて―――――
サバイバルショー出身と言うと、メンバー同士、もっと競争意識が強いのかな?という印象があったものの、全くそんなことはなく、年齢に関係なくいじり、いじられ、リハーサル終わりの疲労感の中でも、まるで子供のような無邪気な明るさと、ほのぼのとした雰囲気、そして仲の良さが伝わってきます。
こんなふうにふざけ合って、お互いを励まし合いながら、インタビュー内に出てきた疲れ果ててしまうようなスケジュールの日でも、6人で乗り越えていけるのでしょう。
T-POP Showcase Tokyo 2024のステージで初めてPROXIEのステージを拝見しましたが、タイらしい流れるような優しいメロディに合わせて歌い踊る姿が、心から楽しそうで、まぶしく感じました。
アーティスト資料に「スローテンポで心安らぐタイポップスが魅力的」とあったものの、過去のMVを遡ると、ミドルからアップテンポの曲も、メロディに強いタイらしさがあり、歌の部分も耳障りの良いタイ語独特の発音がきちんと活かされています。
T-POPの魅力は、タイという国そのものの魅力が詰め込まれた存在であり続けてほしいと、タイが大好きな筆者は願っています。PROXIEはそれを全面に感じさせてくれるグループでした。
タイ人のファンはもちろん、日本人ファンも多く詰めかけていたT-POP Showcase Tokyo 2024ですが、6人とも新たな「ユーザー」もしっかりと「接続」できた手ごたえを感じたに違いありません。
取材・文:吉田彩緒莉(Saori Yoshida/Interview・text)
撮影:沢多泰季
Gun(ガン)、Kim(キム)、Chokun(チョークン)、Gorn(ゴーン)、Onglee(オンリー)、Victor(ビックター)からなる男性6人組ダンス&ボーカルグループ。1996年から2004年生まれのタイ人男性で構成されている。
2022年に結成し、2022年4月にデジタルシングル『Crazy Love』でデビュー。2作目となる『Silent Mode (คนไม่คุย)』がYouTubeで2926万回再生の大ヒットを記録(2023年12月24日時点)。
スローテンポで心安らぐタイポップスが魅力的な 6 人組。
<オフィシャルYoutube>
https://www.youtube.com/@PROXIEth
<オフィシャルTikTok>
https://www.tiktok.com/@proxie.officialth
<オフィシャルInstagram>
https://www.instagram.com/proxie.officialth/
<オフィシャルFacebook>
https://www.facebook.com/proxie.officialth
<オフィシャルX(旧Twitter)>
https://twitter.com/proxie_official
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