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ETC.独占インタビュー~日本で演奏することが夢だった!タイ人気バンドの5人の素顔とは?

2023年6月6日 配信

ETC.独占インタビュー~日本で演奏することが夢だった!タイ人気バンドの5人の素顔とは?

4年ぶりの開催となった「タイフェスティバル東京2023」の顔ぶれは、コロナ禍に大人気となったタイのドラマ俳優さんたちや、タイで頑張っている日本風のアイドルなど、以前のタイフェスとは異なる新しい波を感じさせてくれました。
しかし、タイフェスティバルでのライブを楽しみにしているタイミュージックファンの皆さんが、ずっと楽しみにしている出演者こそ、タイの人気バンドの出演ではないでしょうか?
これまでも、Carabao、POTATO、Modern DogZEALなど名だたるタイの有名バンドが出演してきただけに、今年は誰だろう?と予想するのも楽しかったですよね!

2023年も大物バンドが登場してくれました。
ETC.!
タイ人の皆さんはもとより、タイリピーターでタイの音楽をよく聴く人なら、曲や名前を耳にしたことがあるのでは?
筆者は十数年前、タイ人の友人に教えてもらいました。

結成20年以上、同じメンバーで活動し、今もなお第一線で活躍するタイの人気バンドです。

チェンマイの大学で知り合った彼らは、日本を代表するフュージョンバンド、カシオペア、T-SQUAREに影響を受け、久保田利伸、角松敏生など日本のR&Bを聴き、爽やかなサウンドとグルーブ感のある今のETC.サウンドを作り上げていったと言います。

「音勝負」の日本の中でもレベルの高いアーティストに影響を受けてきただけに、一人ひとりがシンガー、奏者として確立しているのも凄い。
完成度の高い楽曲とライブは、年代問わず多くの音楽を愛するファン層に支持されているのです。

彼らの夢でもあった「タイフェスティバル東京2023」でのライブ、そして新代田FEVERでのNeighbors Complainとのライブ、さらにはタワーレコード渋谷店限定で『Cruisin’ Till Sunrise:日の出まで クルージング』のリリースと、怒涛の日々を過ごしたメンバー5人にインタビュー!

ちなみに、キーボードのソーさんは、コーさんこと、コー・ミスター・サックスマンら実力派メンバーが揃う「サウンド・オブ・サイアム」のメンバーの一員でもあり、何度かタイフェスティバルのインタビューではお目にかかっています。
…が!まさか日本語がペラペラだなんて!

 

日本で演奏することが夢だった!

ー ソーさんは「サウンド・オブ・サイアム」のメンバーとして写真撮影やインタビューの際にお目にかかっていますね。

ソー:はい。タイフェスティバル東京は「サウンド・オブ・サイアム」で2回、今回のETC.での出演で3回目です。

ー ソーさん以外のメンバーの皆さんは、タイフェスティバル東京の出演は初めてですよね。ライブを終えた感想は?

ヌン:日本でライブができて、本当にうれしくて興奮しましたね。
日本でも音楽をたくさん聴いている人たちに、ライブを見てもらえたらいいなあ、と思っていたので、日本人が楽しんでくれているのをステージから見て、本当にうれしかったですよ。
リハーサルの時から見に来てくれて驚きました。
日本のファンはアーティストをとてもリスペクトしてくれて、音楽をきちんと聴いてくれるんです。それが何よりもうれしいですね。
それからタイフェスティバル東京には、本当にたくさん人が来ていますね(笑)。
実はタイフェスティバルの会場を散策してみたいと思っていたんですが、人が多すぎて、ちょっとその機会には恵まれませんでした(笑)。

ー 毎年、歩くのがやっとの状態です(笑)。日本でも屈指の人気イベントなんですよ。

ミント:日本にはよく旅行で来るんですけど、ずっと日本でライブをすることが夢だったんですよ。僕たちは日本の音楽に影響を受けているので、日本で演奏することはとても意義があるんです。

ビー:ETC.の楽曲には日本の音楽の要素を取り入れているんですよ。

ー 先ほどステージを見させていただいたんですけど、キーボードのアレンジや、全体の演奏の感じが、確かにT-SQUAREやカシオペアの影響を受けてるなあ!ってびっくりしました。

ビー:おお、そうですか!
僕は日本に遊びに来たことが2回あります。日本は本当に美しい国ですよね。日本のマンガ、アニメ、ゲームで育ったから秋葉原が大好き。

オーレ:僕も一生に一度でも良いから日本でライブがしたいと思っていました!

一同:…(笑)

オーレ:本当に日本のすべてが全部大好きなんです。

ー ここまで日本のことを好きって言っていただけると、本当に日本人の一人で良かったと思います…。

ソー:声がガサガサですみません(日本語)

ーえっ?…あれ?ソーさん、すっごい日本語上手ですね(驚愕)

ソー:僕はコーさんと一緒に演奏したサウンド・オブ・サイアムのタイフェスティバルのステージで「いつかETC.もこのステージに立てたらいいなあ」って思っていたんです。それがこうして夢が叶いました。満足です(日本語)。

 

 

日本でCDリリース!嬉しすぎて日本語の歌詞で4曲レコーディング

ー 先ほどステージを拝見させていただきましたけど、日本語で歌っていましたよね?

ヌン:あ!?聴いてくれましたか?どうでした?日本人の発音になっていましたか?

ー 自然な発音でびっくりしました。バッチリです。

ヌン:あー、良かった(笑)。
今回、CDをリリースして(タワーレコード渋谷店で限定販売する『Cruisin’ Till Sunrise:日の出まで クルージング゙』)タイフェス以外でも東京でライブをするんですよ。

ヌン:嬉しすぎて4曲日本語の歌詞でレコーディングしました。今日は全部は演奏しなかったけれど、東京のライブハウスのライブの時に、演奏しますよ。

- 4曲も!?それはわざわざ日本の演奏のために曲を作ったんですか?

ヌン:タイ語のオリジナルの4曲に日本語の歌詞をつけ直したんです。

ー 元々あったタイ語の歌詞を日本語に入れ替えるなんて、大変だったんじゃないですか?

ヌン:日本語の歌詞は日本人の友達が作ってくれて、歌っている時の日本語の発音の監修もやってくれたんですけど…それがすごく厳しくて(笑)…。

ー そこまでやってくれたんですか。

ヌン:はい。日本人の発音になるように一つひとつチェックされたんですよ。

もう一つ特別な曲を用意していて、Neighbors Complainっていう大阪のバンドとコラボレーションした曲があるんですよ。今日はできなかったけど、ライブハウスで演奏します。Neighbors Complainは、僕たちの音に近いというか、とってもファンキーなバンドなんです。

ー 日本のバンドとのコラボレーションも日本の音楽に影響を受けたETC.だからこそできるんでしょうね。

 

結成20年以上。ケンカは楽しく!

ー 皆さん、チェンマイご出身なんですよね?チェンマイ観光のおすすめはありますか?

ヌン:冬なら山がいいですよね。チェンマイのお寺巡りもおすすめです。

ソー:オーレはチェンライ出身です。

オーレ:(頷く)

ソー:チェンライはタイで最北端の県なんですよ。

ー 出会ったのがチェンマイっていうことなんですね?

ソー:チェンマイのパーヤップ大学で、年齢が近い仲間たちが集まってETC.を作りました。

ー 20年以上同じメンバーですよね。ケンカとかしたことないんですか?

ヌン:ケンカは日常的にありますよ(笑)。

ーやばい、これは解散するかも?みたいな大げんかになったことはありますか?

ヌン:さすがにそこまではないです(笑)。ブレーキはかけられます。
作曲のアイディアを出し合っているうちにケンカになったりしますね。でも、みんな楽しそうにケンカしています(笑)。

ヌン

ヌン

 

T-SQUAREやカシオペアは僕たちの先生のような存在

ー T-SQUAREやカシオペアという日本の大物フュージョンバンドに影響を受けているということなんですが…。

ヌン:T-SQUAREとカシオペアのコピーバンドもやってましたよ。レストランで食事している人たちの前で演奏してました。

ーもちろん日本でもとても有名なんですが、イメージ的に日本ではとても大御所なので、ETC.の皆さんの年齢層よりも上の方が聴いている印象なんです。タイではT-SQUAREとカシオペアは、人気があるんですか?

ヌン:はい。タイのミュージシャンは大部分T-SQUAREとカシオペアは聴いていますね。一般の人にも有名で、タイにコンサートにきたこともあるんですよ。僕らにとっては先生みたいな存在なんですよね。

ーそうなんですね。フュージョンバンドって音が勝負だから相当演奏がうまくないと、影響が受けられないと思うので、ETC.自体が相当な実力派バンドなんだなっていうのは凄くよくわかります。

ヌン:他にもスティービー・ワンダーの影響も受けているんですよ。日本だと久保田利伸さんとか。

ビー

ビー

 

富士山に行ったのに、信じてもらえなかったオーレさん

ー 今回は日本にはどれくらい滞在できるんですか?

ソー:10日間くらいですかね。

ー この10日間で「これだけはやって帰りたい」「ここには行っておきたい」と決めているものはありますか?

ヌン:焼き肉は絶対食べて帰る!もうお腹空いた…。それとショッピングかなあ。

ミント:富士山に行きたいですねえ。温泉に入りたい。

ー 忙しいスケジュールですけど、時間ありますか?

ミント:ない(笑)

ー え…(笑)。

ビー:僕は大阪。マリオが好きだら、スーパー・ニンテンドー・ワールド™に行きたいです。…行けないです(笑)。

ー なんだか答えが行く場所ではなく、行ってみたい場所になってきてますね(笑)。

オーレ:僕は富士山に行きたいです。富士山のてっぺんを見たいんですよね。実は前回、富士山を見に行ったんですけど、霧がかかって写真撮ってもパヤオ(タイ)の雲海みたいにしか見えなかったんですよ。

一同:爆笑

ソー:その時の写真が、どうみてもパヤオの雲海で、彼が富士山に行ったことをメンバーみんな信じなかったんですよ(笑)。

ー だから皆さん、ウケているんですね(笑)。

オーレ:だからもう一度、行きたいんです(笑)。機会があれば富士山に登ってみたいです。

ソー:僕はコロナ禍で日本に来ていなかったので、たくさん友達に会いたいです。今回のコンサートも友達が見に来てくれますよ。

ソ―

ソ―

 

2020年のタイフェスティバルに出演予定だった

ー コロナ禍といえば、タイのミュージシャンの皆さんもコンサートができなくて、大変な時期だったでしょうね。皆さんどう過ごしていましたか?

ヌン:曲を作っていました。メンバー全員、家で作ってオンラインで送りあったり、家でのんびり暮らして節約生活…(笑)。省エネ生活…。

ー 確かタイは第一波や第二波の時、かなり厳しい制限があったように思います。

ヌン:タイではステージの施設がある大きなレストランやパブでコンサートをすることが多いんだけど、レストラン自体がお休みになってしまうので、完全にストップしてしまったんですよね。

ー コンサートはいつ頃からできるようになったんですか?

ソー:タイはロックダウンがあったんですよね。最初の1年はコンサートができませんでした。でも、やっとコンサートができるようになった頃、また感染者が増えて、外食禁止になって、コンサートも中止になったんです。

ヌン:実は2020年のタイフェスティバル東京の出演が決まっていたんですよ。

ーえー?

ヌン:それが3年も延期されて、3年も歳取っちゃったよ(笑)!

ミント

ミント

 

各分野でメンバーがそれぞれ活躍中

― 私のタイ人の友達がETC.のファンで「凄く実力のある人たちで、ソロ活動とか、プロデュースの仕事もやっているんだよ」って教えてくれたんですよね。

一同:おお~!

― 皆さん、ETC.以外にはどんなお仕事をそれぞれやられているんですか?

ヌン:僕はソロのサイドプロジェクトがあります。ETC.とは異なるジャンルの曲を歌っています。

ミント:僕はベースを作ってます。

ーベーシストが作るベースって、すごく喜ばれますよね

ミント:そうなんですよね。10年前から販売もしていますよ。チェンマイでレストランとパブも経営しています。

オーレ:チェンライで角煮のお店をやってます。僕がシェフなんですよ。

ーわあ!行きたい!

ビー:僕はほとんど音楽関係ですね。若手アーティストのプロデュースや、企業系の音楽を作ることも多いです。最近手掛けたのはタイ航空の音楽。
コーさんや、ジェニファー・キムさんともコラボしました。

ソー:僕はETC.とサウンドオブサイアム。あと、オンラインでキーボードのレッスンをしていますね。ぜひ僕のレッスン受けてください(笑)。

ヌン:あっ、僕も同じ、オンライン・レッスンしてますよ(笑)。

ー えー?日本で考えたらこれって凄いことですよね。大物バンドのメンバーのキーボートレッスンや、ボーカルレッスンがオンラインで受けられるんですもんね。

ヌン:ぜひ僕のレッスンを受けてください(笑)。

ー 歌がうまくなりたい人はぜひヌンさんのオンラインレッスンを!

オーレ

オーレ

 

日本のファンのみなさんへ

ー 最後に日本のファンの皆さんにメッセージをお願いします。

ヌン:日本が大好きで、リリースが嬉しすぎて『Cruisin’ Till Sunrise:日の出まで クルージング』には日本語バージョンの曲を4曲も収録してしまいました。
僕らのYOUTUBEチャンネルでは、僕らの曲だけではなく、タイのアーティストを紹介しながら、一緒に歌っているのでぜひ見てくださいね。

ー 今回タイフェスのステージを見た方がタイでライブを見たいと思った場合は、どこをチェックすれば良いですか?

ソー:ETC.のインスタやFacebookで毎月のコンサートの予定をアップロードしているのでチェックしてください。日本で「ETC.」で検索すると、交通情報が出てくるから(笑)アドレスをしっかり教えておきますね!

取材を終えて

タイの皆さんは日本が大好きだと言ってくださる方は多いけれど、ここまでメンバー全員が「日本が好きすぎる」と言ってくださると、時々「ああ、なんで日本は…」と思うことを棚に上げて、タイという大好きな国の方々にここまで愛される日本に生まれて良かったな…と思ってしまうのでした。

それほど溢れる日本愛を語ってくれて、音で、歌詞で、歌で表現してくれるETC.の皆さん。

とても新鮮に感じたのは、日本では大御所過ぎてどこか遠くに感じていたカシオペアやT-SQUAREを「先生」と例え、今もアレンジや奏法に「あ!このフレーズ、絶対影響受けてる」と気づかせてくれるポイントを入れてくる心憎い演出!
改めて聴いてみようかな、という気持ちにさせてくれました。
それだけではなくR&Bやファンクなど、多くのジャンルを楽曲も取り入れ、そこにタイならではのメロディアスなボーカルが乗って来るETC.の曲は、とにかく心地よく聴き飽きません。

「日本に影響を受けた僕らが、日本でライブをやることには大きな意義がある」という言葉には「この音の心地よさは、日本人は知っている心地よさだよね?」という意味があるように思えてなりませんでした。

[取材・文:吉田彩緒莉(Saori Yoshida/Interview・text)]
[通訳:Boy In Tokyo]

ETC.
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https://twitter.com/etcband
https://www.youtube.com/@TheETCBAND

 Cruisin’ Till Sunrise:日の出まで クルージング』Move(2023)

リリース日:2023年5月22日(水)
品番:ETC-001
フォーマット:CD
価格:2,000円(税込)
タワーレコード渋谷店限定販売

【TRACKLIST】
CD
1. Cruisin’ Till Sunrise:日の出まで クルージング feat. Neighbors Complain
2. Blur:ボンヤリ
3. 真実はターイ
4. HUG
5. ダレノテイギ?

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