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◆フォン・ラッダーワン(ฝน ลัดดาวัลย์)@受賞記念&バースデー・パーティーにて(2016年5月27日)
タイ音楽、特にルークトゥン・モーラムに於いては、大きな賞が二つあります。
コムチャットルック・アワードとマハーナコン・アワード。この二つの賞で今年、トータル4つの賞を受賞し、注目を集めた1人の女性歌手がいます。
その歌手の名前はフォン・ラッダーワン。と言われてもピンとくる人は少ないでしょう。
彼女に関しては日本はおろか、タイでもまだまだ名前が知られ始めたばかりです。
そんな歌手の歌がコムチャットルック・アワードでは作詞・作曲・編曲賞の3冠、マハーナコン・アワードでは新人女性歌手部門で受賞という快挙を成し遂げたから驚きです。
◆コムチャットルック・アワード(左)とマハーナコン・アワード(右)授賞式でのフォン。
そんなフォン・ラッダーワンという歌手の存在を筆者が知ったのは2014年の暮れ頃でした。この頃は彼女の名前すら知っている人はほとんどいなかったでしょう。たまたまYouTubeでリンクされていたMVを見て、そのハスキーな歌声と美貌に虜になりました。
フォンはもともとラムシンのステージで活躍していた歌手なので、イサーン方面でそこそこ知名度があったかもしれませんが、タイ全土ではほとんど無いに近い状態だったと思われます。
そんな、まだ無名に近い歌手に対して、彼女の才能を認めたスタッフがたった1人の歌手の為にプロダクションを立ち上げ、アルバムを作りプロモーションをするというのは、大きな賭けだったに違いありません。
◆フォン・ラッダーワン(ฝน ลัดดาวัลย์)/ナムター・サーオ・ラムシン(น้ำตาสาวลำซิ่ง)
https://youtube.com/watch?v=uREz95snKjY
◆フォン・ラッダーワン(ฝน ลัดดาวัลย์)/ティン・ノーン・ゴ・ダイ、ター・ヂャイ・アーイ・プローム(ทิ้งน้องก็ได้ถ้าใจอ้ายพร้อม)
https://youtube.com/watch?v=uB9JTZ7VHoE
筆者がフォンの存在を知ってから、やはり生のステージを観たいとコンサート情報を探していたのですが、イサーンではぽつぽつあるもののバンコク周辺では皆無でした。
結局、痺れを切らして2015年6月にウドンタニーで彼女が出演するコンサートがあるというので、わざわざ観に行った事もありました。
ただ、その時は筆者の計算ミスでCDを入手し、本人に会えたまでは良かったんですが、肝心のステージで歌う姿を見ることが出来ませんでした。
◆ウドンタニーでのフォン(2015年6月)
◆フォン・ラッダーワンの1stアルバム「ターン・ファン・サーオ・バンノーク(ทางฝันสาวบ้านน้อก)」
それからも必死に彼女のバンコク周辺でのコンサート情報を探すものの、やはり無く、来てもせいぜいチョンブリーまで。場所柄、しっかりとした足が確保できないと行きにくい場所だったりしたので、2の足を踏んでいました。
そんな状態が続いた約1年後にコムチャットルック・アワードのノミネートの話が。実はフォンは2015年のコムチャットルック・アワードにも新人歌手部門でノミネートされていました。
以前からコムチャットルックでは評価が高かったフォンですが、2016年はさらにすごく、彼女の関連のノミネートだけでも少なくとも5部門はされていたと思います。
3月22日に行われた受賞式では筆者も会場にいたのですが、発表される賞で次々とフォンの名前が読み上げられるので、以前から応援していたという事もあり、さらに無名に近いが歌手がこんなに高く評価されるなんてと考えたら、思わず目頭が熱くなってしまいましたね。
◆コムチャットルック・アワード授賞式でのフォン・ラッダーワンとスタッフ。
◆賞の対象となった曲「ターン・ファン・サーオ・バンノーク(田舎娘の夢の道)」
https://youtube.com/watch?v=JhfCd-Aw3zU
さらに5月13日に発表されたマハーナコン・アワードでも女性新人歌手部門で受賞したと知った時には、ビックリしました。確かに先の「ターン・ファン・・・」という曲はFMではそこそこヒットしたようでしたが、ここまで良い結果が出るというのはファンとしても予想外でした。
そして、この2つの賞の受賞を受けて、ようやくバンコク周辺でのコンサートも決まり始めました。
まずは5月5日にトゥーパテーミー競技場で行われたコンサート。こちらは現在も不動の人気を誇っているゴン・フアイライとの共演でした(※この時はまだマハーナコン・アワード発表の前)。
◆トゥーパテーミー競技場でのコンサート(2016年5月5日)
ルークトゥン・モーラムのコンサートで、あまり名前の知られていない歌手はたいてい、自分のオリジナル曲は少なめにして、他の歌手の人気曲を歌う事が多いのですが、フォンの場合はアルバムを出しているということもあって、前半は自分の曲で構成していました。これは自信がないとなかなか出来ない事です。
それと、フォンという歌手は若いながらも落ち着いた感じのキャラクターだと筆者は勝手に想像していたのですが、ラムシンの舞台で養われているだけあって、結構激しい動きもするというのは新しい発見でした。
その後もラムシンの人気歌手ペー・パーヌチャイとの共演で、息のあった素晴らしいステージを見せてくれたりと、期待を裏切らないパフォーマンスをしてくれています。
◆ペー・パーヌチャイとの共演コンサート(2016年5月28日)
それ以外にも、バンコク周辺に関わらずイサーンでも徐々にコンサートが増え始めてきたフォン・ラッダーワン。
これからのルークトゥン・モーラムの重要な一角を担ってくれる歌手になるのでは、と秘かに期待しています。
◆2016年5月27日の受賞記念パーティーには、サワット・サーラカーム先生もお祝いに駆けつけてくれました。
※協力:ルークトゥンタイランド http://loogthungthai.blog34.fc2.com/
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