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アイドルオタク界のトップに立つ「へなぎ」こと木本憲志氏。普通の一オタクからスタートし、分析能力を買われTVに出演、事務所(/トイプラ。旧称TOY Planet*)を立ち上げてアイドルプロデュ―サーになり、CDを10万枚以上売り上げ、数百本以上のイベント主催や大型フェスを開催。カリスマ的存在になります。
活動はアイドル関連だけにとどまらずInterFMの番組でDJを元モーニング娘。の小川麻琴さんと一緒にしたり、地元である岡山県の地域発展に寄与する活動を行う社団法人はれとこの理事を務めるなど活動は多岐に渡っています。
前編「オタクが有名文化人になるまで」では木本氏の成功の軌跡を追ってきましたが、後編ではいよいよタイでの活動と今後について迫ります!
2019年、木本氏はバンコクから煌めき☆アンフォレントのライブ出演依頼を受けます。快諾してタイへやって来て出会ったのがタイのインディーズ系アイドル事務所の最大手のサイアムドルの社長であるスット・ブンサワン(愛称ネット)氏でした。
「ハロプロ全盛時代、タイのファンがわざわざコンサートやバスツアーに来ているってオタクたちの間で話題になっていたんです。それで、もしかしたらと思って尋ねてみたらネットさんのことでした(笑)」
以前、当サイトでもインタビューしたネット氏、木本氏と同じように一アイドルオタクから事務所を立ち上げ、日本からのアイドルを招聘したり、地元のアイドルグループをプロデュースしています。
「ハロプロの当時のアイドル話で盛り上がりました(笑)。私も地元へ東京のアイドルを呼んだり、グループのプロデュースをしていますからネットさんにはすごく親近感があります」
タイでの展開も漠然と考えていた中、コロナ禍が世界を襲います。
数年の空白期間を経て、やっと海外の行き来も可能になりました。
「そんな時、サイアムドルから綺星★フィオレナードのバンコクでのライブ依頼がありました。即決でOKを出しました」
そして、先日(9月17日&18日)、バンコクのドンキモール・トンローでライブが行われたのです。日本のコンサートやライブ公演では今もコールが制限される所があったりする中、熱いタイのオタクたちの熱気に木本さんは改めてライブの楽しさを感じました。
「手拍子だけなんてつまらないですよ。バンコクは自由でリフトもあり。オタクたちのフリコピやコールも完璧でね、感動しましたよ。日本から遠く4,400キロも離れた場所でと思うと感慨深いものがありますね」
今回の綺星★フィオレナードと現地アイドルとの対バンライブの際、タイのオタクたちを驚かせる発表がありました。木本氏とネット氏のプロデュースによる新グループの発表です。その名は「綺星★フィオレナード -Thailand-」。
木本氏はこの新グループのためにタイの事務所トイプラ・タイランドを起こし準備を進めてきました。この新グループ、8月末から9月25日までメンバー募集をし約200人が応募してきたそうです。
「残念ながらコロナ禍前と比べると、予想していたより数は少なかったですね。でも、タイ人らしくみんなスタイルも良く、面白そうな子がたくさんいます。これからじっくりオーディションを進めて行って、11月には結果発表したいと思います」
木本氏の意気込みは半端ではなく、数か月間もタイに滞在しグループを一から育てていくつもりです。
「他にも日本のアイドルの姉妹グループがタイにありますが、日本側のプロデューサーがじっくりと腰を据えてというケースはありません。その分、良いグループになるのは間違いありません」
タイに滞在する内、その問題点も色々明らかになってきました。
「まず時間間隔が違いますね。マイペンライ(大丈夫、大丈夫)の世界ですから、どうしても日本のようなスピードは求めても難しい。そしてライブをするためのイベントスペースが圧倒的に少ない。ただ状況は理解したので、後は分析をして、それぞれの解決策を打ち出していこうと思っています」
木本氏は長期的な視野に立っての業界戦略を行おうとしています。
「アイドルファンの母数を増やし、グループをもっと作り、ライブをどんどん行うといった一からの底上げがタイのアイドル業界には必要です。そのために出来ることは何でもするつもりです」
今回の滞在期間を利用して、木本氏は各界とのパイプ作りも着々と進めているそうです。
「やはりスポンサーを得たりするためにもコネクションは欠かせません。そのため地道に人脈を広げていっています」
木本氏の現時点での最大目標は、タイでの東南アジア最大のアイドルイベント開催です。
「タイでライブを観ていたら、現地のオタクたちが“高まるよ!高まる低まるビスマルク! シジマール!アルシンド!”ってコールをやっているんです。実は、これ私が一オタク時代に作ったコールなんですよ(笑)。それが大阪から東京、東京からバンコクへと伝わっていたと思うと驚きですよね。こんな風に熱心なタイの人たちに対して、少しでも恩返しがしたい。そういう気持ちなんです」
数千人のファンが集う夢のようなアイドルイベント。木本氏の脳裏にはタイの青い空をバックにして行われる素晴らしい祭典の姿がすでに浮かんでいる。
■へなぎ
https://twitter.com/hngjapan
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