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タイ天然資源・環境省の海洋・沿岸資源局(DMCR)は、サンゴ礁と海洋生態系を保護するため、ダイビング観光に関する新たな規制を導入することを発表しました。今回の措置では、水中撮影の原則禁止や、専門の指導員の同行義務などが盛り込まれています。
DMCRのピンサック局長によると、近年、ダイビング観光の人気が高まる中で、観光客によるサンゴ礁への接触や餌付け、ごみの投棄といった行為が問題視されていました。中には、適切なガイドの指導がないまま観光が行われていたケースもあり、自然環境への影響が懸念されていたとのことです。
こうした背景を受けて、チャルムチャイ・シーオーン天然資源・環境大臣の指示のもと、DMCRは「ダイビング観光によるサンゴ資源保護措置」を策定しました。この措置により、すべてのダイビングツアーにおいては、DMCRの定める研修を修了した「指導員または補助指導員」が同行することが義務づけられます。
指導員は、ダイビングの前に、法律や規則、サンゴ礁などの海洋生物に影響を与えない潜り方について観光客に説明を行います。同行人数は、スキューバダイビングでは指導員1名につき最大4名、スノーケリングやフリーダイビングでは最大20名までとされています。
また、スキューバダイビングにおいては、水中カメラの使用による撮影行為が原則として禁止されます。撮影を希望する場合は、アドバンスドライセンス以上を取得しているか、40回以上の潜水経験を持つ者に限られます。ダイビング講習中の撮影も禁止されており、撮影が必要な場合は、専任の撮影担当者を同行させる必要があります。
これらの規制に違反した場合には、「2015年海洋・沿岸資源管理促進法」第29条に基づき、最長2年の懲役または最大20万バーツの罰金、またはその両方が科される可能性があります。
DMCRは今後、約2,000人の認定指導員に対し、順次バッジや証明書を交付するとともに、持続可能な海洋観光の実現に向けて監視体制を強化していくとしています。
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