タイ政府、玩具に偽装された危険薬物の流通に警鐘

タイ政府は、人気キャラクター風の見た目を持つ新型の違法薬物「アートトイ」が、ソンクラン期間中に急速に拡散したことを受け、密売人および使用者への取締りを強化しています。2025年4月24日にタイ政府メディアNNTが伝えています。

この麻薬はコレクターズトイ（収集用玩具）の形状をしており、一見無害に見えることから観光客を含む若年層に急速に広まり、死者2名・重体1名の深刻な健康被害が確認されています。

政府副報道官は、「麻薬密売ネットワークは摘発を回避するために手口を巧妙に変えており、今回の“アートトイ・ラブブ（Art Toy Labubu）”もその一環だ」と述べ、無害に見える外見に惑わされないよう警鐘を鳴らしました。

この麻薬には強力な抑制成分が含まれており、アルコールと併用することでその作用が増幅し、呼吸不全や心停止、死亡といったリスクが高まるとされています。

「アートトイ」はタイ国内で第1種麻薬に分類されており、

• 製造・輸入・販売には最長15年の禁錮または最大150万バーツの罰金

• 所持で禁錮2年以下または4万バーツ以下の罰金

• 使用でも禁錮1年以下または2万バーツ以下の罰金が科されます。

政府は、「麻薬問題は健康だけでなく、経済の安定や国家の安全、そして青少年の将来にも悪影響を及ぼす」と述べ、国民に対しても協力を呼びかけています。不審な活動を見かけた場合は、麻薬取締ホットライン1386（24時間対応）まで通報するよう強調しています。
当局には、全国的な監視と取締体制のさらなる強化が指示されました。

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