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タイ国立開発行政研究院(NIDA; National Institute of Development Administration)の調査センター(NIDA Poll)は2025年4月13日、「高齢者は60歳を超えても働きたいと思っているのか?」とのテーマについての世論調査の結果を発表しました。調査は4月3日から5日にかけて、全国の60歳以上の1,310人を対象に実施されました。
この調査では、まず定年退職年齢を60歳から65歳に引き上げる政策への賛否を尋ねたところ、57.71%が賛成と回答しました。賛成理由として最も多かったのは「健康でまだ働けるため」(79.50%)で、次いで「収入を得る期間を延ばせる」(77.12%)、「子や孫を支えられる」(36.64%)などが挙げられました。一方で、42.29%が反対しており、その理由には「健康に問題がある」(69.86%)、「好きなことができなくなる」(37.55%)、「年金などの受給が遅れる」(33.94%)といった声がありました。
現在の就労状況については、65.50%が働いていないと回答し、理由としては「健康上の問題」(50.82%)や「家族の希望で働いていない」(44.29%)、「十分な貯蓄がある」(26.34%)などが挙げられました。働いていると答えた高齢者は34.50%で、主な理由は「収入を得るため」(84.29%)、「健康だから働ける」(70.58%)などでした。
また、現在も働いている高齢者452人に対して、政府に望む支援策を尋ねたところ、「高齢者が利用しやすい健康保険制度」(75.00%)が最多となり、続いて「高齢者向けのスキル開発制度」(38.72%)、「柔軟な労働時間制度」(23.67%)などの要望が寄せられました。
回答者の属性を見ると、バンコクに住む人が10.15%、北部22.14%、東北部26.03%、南部13.44%など全国に広く分布しており、また女性が56.11%を占めていました。年齢層では60〜65歳が最多で、宗教は仏教徒が97.48%に上りました。収入面では約半数の49.31%が「無収入」と答えた一方、月収が5,000バーツ未満という回答も4.43%にのぼっています。
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