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©タイ警察
東南アジアに広がる詐欺組織の問題をめぐり、タイ警察の幹部が日本の警察庁を訪問し、国際的な詐欺対策における連携強化を確認しました。タイと国境を接するミャンマー東部では、日本人を含む外国人が特殊詐欺に加担させられていたとみられ、日タイ双方の警察が対策を進めています。タイ警察が令和7年4月12日にSNS投稿で明らかにしました。
2025年4月9日、タイ警察のタッチャイ・ピッタニーラブット監察総監(国家警察本部サイバー犯罪対策センター所長)が東京都内の警察庁を訪れ、楠芳伸・警察庁長官らと会談しました。
会談では、ミャンマーのミャウディやカンボジアなどに拠点を置く詐欺グループによる被害が日本国内でも深刻化している現状を共有。タイ警察が摘発・送還した日本人容疑者の事例や、今後の捜査協力の方向性について協議が行われました。
楠長官は「詐欺対策は国際社会共通の課題であり、今後も日本とタイが連携して取り組んでいきたい」と述べ、これに対しタッチャイ総監は「日本人の被害を減らすため、できる限りの協力を行う」と応じました。日本側からは、タイ警察による詐欺事件捜査への貢献に対し、感謝状が贈られました。
警察庁によりますと、会談に先立ち行われた実務者協議では、両国の詐欺の現状や捜査体制、国境を越えた犯罪取締りの重要性について意見が交わされ、今後の情報共有と連携の強化が確認されました。
タイではこれまでに、元関東連合メンバーとされる山口哲哉容疑者が特殊詐欺グループの首謀者として逮捕され、日本に送還されたほか、日本人の高校生らが犯罪拠点から保護されています。現在もタイ警察により2人の日本人が拘束中で、日本の警察は移送後、詐欺事件への関与を調べる方針です。
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