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タイ国内で実施された最新の健康調査により、子どもの肥満が急速に増加していることが明らかになりました。調査によると、1~5歳の幼児では過体重・肥満の割合が5.8%から10.6%に、6~14歳の学齢期の子どもでは5.8%から15.4%に上昇しています。2025年4月7日のクルンテープ・トゥラギット (กรุงเทพธุรกิจ)が伝えています。
この調査は、タイ健康促進財団(ThaiHealth)とマヒドン大学人口社会研究所が共同で行ったものです。また、15歳以上の国民のうち、42.4%が肥満であることも報告されています。
肥満の背景には、子どもたちが日常的に接している食品や飲料の広告の影響があります。約70~80%の子どもが毎日のように食品のマーケティングに接触しており、健康への影響を十分に理解しないままスナックや甘い飲料を選んでいる傾向が見られます。
特に6~14歳の子どもでは、84.1%が塩味スナックを平均で1日1.35袋食べており、1~5歳でも76.5%が1.23袋を摂取しています。こうした食生活は、塩分や脂質、糖分の過剰摂取につながり、健康への悪影響が懸念されています。
タイは現在、ASEAN諸国の中で子どもの肥満率がマレーシア、ブルネイに次いで3番目に高いとされています。世界肥満連盟は、2030年には20歳未満のタイの子どもの約半数が肥満または過体重になると予測しています。
この状況を受け、タイ非感染性疾患アライアンス(Thai NCDs Alliance)は保健省や関連機関と協力し、食品や飲料の広告に関する規制法案を策定しました。この法案では、子どもを対象にした広告の禁止、プレゼント付き販売の制限、学校での不健康な食品の配布禁止、オンラインマーケティングの規制などが盛り込まれています。すでに3年以上の検討を経て、広く市民の意見も取り入れながら準備が進められているとのことです。
同アライアンスのペット・ラウダリー医師は、「この10年間で子どもの肥満は2倍に増えました。主な原因は糖分・脂肪・塩分の多い食品の摂取です。子ども時代に肥満だった人の多くが、大人になっても肥満のままで、生活習慣病のリスクが高くなります」と述べています。
また、パオロ病院の小児科医スラポン・リートチャワリット医師は、「肥満は睡眠時無呼吸症候群、糖尿病、高血圧、関節の異常など様々な健康問題を引き起こします。さらに、肥満の子どもは自信を失い、友達との関係に悩むこともあり、学業や発達にも影響します」と警鐘を鳴らしています。
スラポン医師は、子どもの肥満を防ぐためには「家庭での栄養教育と運動習慣が大切です。炭水化物の摂取を控え、甘みの少ない果物や野菜を積極的に取り入れましょう。また、高カロリーな食品を冷蔵庫に常備しないこと、そして子どもが十分な運動を行う時間を確保することも重要です」と提案しています。
政府による法整備とともに、家庭や学校、地域社会が連携し、子どもたちの健やかな未来を守るための取り組みが求められています。
■ ‘โรคอ้วนในเด็ก’ ภัยสุขภาพ ปรับโภชนาการ คุมโฆษณากระตุ้นอ้วน
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