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2025年4月8日、世界最大級の世論調査機関イプソス株式会社が、「イプソス幸福感調査2025」の結果を発表しました。今回の調査は、世界30か国・約2万4千人を対象に実施されたもので、その中でも特に注目されたのが、「現在の生活の質」と「5年後の生活の質」についての設問です。
この2つの質問に対する回答をもとに各国をマッピングしたグラフでは、各国の人々の「人生に対する見方」がひと目で分かる構成になっています。その中で、タイと日本の立ち位置は対照的なものでした。
グラフ上の右上、いわゆる「ポジティブゾーン」に位置するのがタイです。これは、現在の生活の質を「良好」と答えた人が多く、加えて5年後の生活についても「もっと良くなる」と期待している人が多いことを意味します。
具体的には、タイの回答者のおよそ50%が「現在の生活の質は良好」と回答し、65%以上が「5年後にはもっと良くなる」と前向きな展望を抱いています。この結果は、インドやメキシコ、インドネシアなどの“楽観的な国々”と同じ傾向を示しています。
一方で、日本はグラフの左下に位置しています。ここは「現在の生活の質は低く、5年後にも改善するとは思っていない」という、いわゆる“絶望ゾーン”とも言えるエリアです。
日本では、「現在の生活の質が良好」と答えた人は約12%、「5年後はもっと良くなる」と回答した人は約20%にとどまりました。いずれも30か国中最下位という結果であり、他国と比較しても、極めて悲観的な見方が広がっていることが示されています。
今回の調査は、「今が幸せかどうか」に加えて、「これからの人生をどう見ているか」という意識もまた、幸福感に大きく関係していることを示唆しています。
タイをはじめとする前向きな国々では、将来への期待が今の生活にも明るい影響を与えている一方、日本では“先が見えない”という感覚が、現在の幸福度そのものを引き下げている可能性があります。
イプソス株式会社は、世界最大級の世論調査機関として、世界各国の幸福感や生活意識に関する調査を毎年行っています。2025年版は、2024年12月20日〜2025年1月3日にかけてオンラインで実施され、30か国23,765人が対象となりました。
調査結果は、2025年4月8日に発表されています。
調査レポートの詳細は以下の公式サイトよりご覧いただけます。
【イプソス公式サイト】
https://www.ipsos.com/ja-jp/online-community-service
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