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タイは、2025年3月28日にミャンマーで発生したマグニチュード8.2の地震により、バンコク・チャトゥチャック区で倒壊したタイ国家会計検査院の建物での捜索救助活動の6日目を迎えました。4月2日午前10時時点で、当局はこれまでに15人の死亡を確認しています(男性8人、女性6人、性別不明1人)。負傷者は9人で、行方不明者は72人となっています。タイ政府メディアNNTが伝えています。
救助活動は現在も続いており、ルアムカタニュ財団などの緊急対応チームが交代制で作業を行い、重機を投入して支援しています。前夜からは大型クレーンも導入され、瓦礫の撤去作業が進められています。現場は効率的な捜索を行うため、A・B・C・Dの4つのゾーンに分けられています。一部地域では交通が再開されていますが、倒壊現場周辺では依然として通行制限が続いており、当局はドライバーに対して救助隊や機材への注意を呼びかけています。
バンコクのチャッチャート・シッティパン知事は現場を視察し、救助活動の勢いを維持しつつ、安全を確保することの重要性を強調しました。生存者の救出を最優先に、重機による作業が慎重に進められています。ペートンタン・チナワット首相も一時的な避難所を訪れ、犠牲者の家族と面会しました。短時間の訪問でしたが、作業の妨げとならないよう配慮しつつ、精神的な支援を目的としたものでした。
現在、約200人を受け入れているこの避難所では、複数の政府機関とボランティアが連携して生活支援を行っています。医療チームも常駐しており、身体・精神の両面からのケアを提供中です。熱中症対策としてエアコンも設置され、飲料水や生活必需品などの寄付が引き続き届いています。ボランティアたちは一日を通して活動し、被災者の心のケアに努めています。
避難所では、外国人被災者への支援体制も整備されています。ミャンマー語に堪能な通訳が常駐し、医療チームとのやり取りや各種手続きのサポートを行っています。災害発生以来、通訳チームは約40〜50人を支援しており、現在も約10人が家族の安否を待っています。
また、政府は避難所内に窓口を設置し、法的・手続き的な支援を提供しています。チャトゥチャック区役所は証明書の発行などの行政支援を行っており、社会保険事務所の職員も現場に派遣され、給付や権利についての説明を行っています。これらの支援は、タイ国籍者と外国人労働者の両方に対して平等に提供されています。
今回の大規模災害と厳しい状況にもかかわらず、政府機関、ボランティア、市民社会の連携は強固であり、被災者とその家族への支援は途切れることなく続いています。倒壊した建物の全区域が確認され、すべての人の所在が明らかになるまで、捜索活動は継続される予定です。
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