|
|
2025年3月28日13時20分ごろにミャンマーで発生した、タイにも被害をもたらした地震。ある観測機関はマグニチュード8.2(M8.2)と報じた一方で、別の機関は7.7(M7.7)と発表しました。この数値の差により、一部で混乱が生じたことを受け、タイ気象局地震監視部(Earthquake Observation Division, กองเฝ้าระวังแผ่นดินไหว)は、「なぜ地震の規模が異なるのか」について解説を2025年3月30日に発表しました。
同部によると、マグニチュードに違いが出る理由には、観測地点の距離や観測網の構成、地震波の種類、使用する解析手法の違いなど、複数の要因があるといいます。たとえば、海外の地震観測機関は震源から遠く離れた地点のデータを使って特殊な技術で計算を行う一方で、震源から1,000km以内の観測所ネットワークでは、より近距離の地震波データを使用し、リヒタースケールに基づいた手法でマグニチュードを算出します。
タイ気象局ではこのリヒタースケールによる標準的な方法を用い、これまで一貫して国民への情報提供に活用してきたと説明しています。観測環境や解析方法の違いにより数値にばらつきが出るのは、決して「どれかが間違っている」ということではなく、それぞれが別の視点から導かれた正当な結果だとしています。
同局の観測体制は全国に80の地震観測所を擁し、そのうち55箇所は地盤加速度の測定を行っています。さらに13の観測所は国際的なネットワークと連携し、広域的な地殻変動の監視にも対応しています。これらの観測網により、タイ国内外の地震活動を常時把握できる体制が構築されています。
気象局地震監視部は「地震情報の数値は一つではなく、それぞれの観測網と技術に基づく“複数の正しさ”が存在する」と理解を求めたうえで、混乱せず正しい情報に基づいた行動を取るよう市民に呼びかけています。
なお、地震に関する最新情報や観測データの詳細は、タイ気象局地震監視部の公式ウェブサイト(https://earthquake.tmd.go.th/index.html)でも確認することができます。
‐
▼関連記事
タイで地震、バンコクでも比較的大きな揺れ
関連記事