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タイでは、インフルエンサー市場が急成長しています。2025年の市場規模は4.5万バーツ(約1800億円)に達し、前年比で20%以上の拡大が見込まれています。一方で、インフルエンサーやコンテンツクリエイターの「納税漏れ」問題が表面化しており、歳入局は税制への適切な加入を呼びかけています。
タイ歳入局は今月、オンライン販売業者やeコマース事業者、インフルエンサー、そしてコンテンツクリエイターに対して、「収入がある場合は、正しく申告し、税金を納める必要がある」と警告しました。
マーケティング企業「Tellscore(テルスコア)」の調査によると、タイ国内でデジタル業界に従事する人は約900万人にのぼり、そのうち約700万人はフリーランスで活動しているといいます。
同社のスウィッタ・チャランウォンCEOは「一定の収入を得ているにもかかわらず、正しく納税していないケースがある」と指摘。さらに、タイ国内で活動する外国人インフルエンサーについても、タイから報酬を受け取っている以上、タイの税制に従うべきだと訴えています。
タイではインフルエンサーのフォロワー数によって報酬額が異なり、以下のように分類されています。
ナノ・インフルエンサー(フォロワー1,000〜1万人):1投稿あたり3,000〜5,000バーツ
マイクロ・インフルエンサー(1万〜5万人):5,000〜1万バーツ
ミッドティア(5万〜50万人):1万〜3万バーツ
マクロ(50万〜100万人):3万〜10万バーツ
とくにナノやマイクロ規模のインフルエンサーが多くを占めており、その分、税務当局の監視が届きにくい現状があります。現金による報酬だけでなく、商品の提供やPR案件など、形式も多様化していることから、正確な課税が難しくなっているとのことです。
スウィッタ氏は「インフルエンサー市場は今後さらに拡大が見込まれる。フリーランスから法人化することで、より多くのビジネスチャンスが生まれ、税制面でも整った形が実現できる」と述べ、制度整備の必要性を訴えています。
2025年第一四半期の広告市場においては、依然として企業のマーケティング投資意欲が高く、インフルエンサー活用の需要は今後も続くとみられています。
政府による納税指導と制度整備が、急成長するインフルエンサー業界の“影”を照らす鍵となりそうです。
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