【猛暑警戒】タイ全土で熱中症リスク高まる、政府が注意喚起

タイ全土を襲う猛烈な暑さにより、健康リスクが高まっているとして、当局は国民に対し熱中症への警戒を強く呼びかけています。暑季のピークに向けて高温が続くと予想されており、政府は屋外での活動を控えること、水分をこまめに補給すること、そして熱中症のリスクを大幅に高めるアルコールの摂取を避けるよう促しています。2025年3月24日のタイ政府メディアNNTが伝えています。

タイ疾病管理局の発表によりますと、2024年には熱中症などの高温に関連する症状で63人が死亡しており、死者は全国31県で報告されました。犠牲者の多くは30歳から95歳の男性で、労働従事者や高血圧、糖尿病、心疾患などの持病を抱えていた人が多かったとされています。特に東北地方では死者数が突出しており、4月だけで全体の70％を占めています。

報告された死亡例のうち、62％は屋外での作業中に発生しており、多くの人が発症前にアルコールを摂取していたことも判明しています。保健当局によりますと、アルコールは体の熱調節機能を妨げ、脱水を促進し、心臓への負担を高めるほか、極端な高温環境ではその影響がさらに強くなるとのことです。

政府は熱中症の予防策として、明るい色の服を着用すること、水を頻繁に飲むこと、日陰や冷房の効いた場所で適度に休憩を取ることを推奨しています。また、特に高温の環境下での飲酒は、熱中症や関連する合併症のリスクを著しく高めるため、強く控えるよう求めています。

一部の地域では気温が摂氏44度に達する中、当局は「予防と意識が命を守る鍵である」として、国民に対し一層の注意を呼びかけています。