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タイ国鉄、JR東日本から無償譲渡のキハ40・48形を導入へ 2025年に通勤路線で再デビュー

2025年3月25日 配信

【2025年3月25日】タイ国鉄(SRT)は、JR東日本から無償で譲渡された冷房付きディーゼルカー「キハ40形」と「キハ48形」あわせて20両の改修作業を進めており、2025年内にも最初の6両の運行を開始する予定です。車両はすでにタイに到着しており、現在はバンコクにあるマッカサン工場にて整備が行われています。



今回導入される車両は、日本の地方路線で長年にわたって活躍してきたキハ40系のディーゼルカーです。日本では多くが引退を迎えましたが、耐久性に優れた設計のため、タイでの再利用が決定しました。

現在はまず、タイ国内の線路幅(メーターゲージ=1メートル)に合わせて台車の車軸を調整する作業が進められており、この工程には25日から30日ほどかかる見込みです。その後、車体と台車の組み立てを経て、再びマッカサン工場に戻し、ブレーキ、駆動装置、エンジン、空調設備などの全面的な整備が行われます。

2025年6月ごろには各種の技術検査が予定されており、加速性能やブレーキ距離、車両の振動、空調の動作確認、さらには運転士の注意力を確認する「ビジランスシステム」などのテストが実施されます。テストが完了した車両は塗装やトイレの改修を行い、順次運行準備が整えられます。

まずは6両が2025年中に運行開始予定で、残る14両も段階的に整備が進められる計画です。これらの車両は、バンコクと周辺地域を結ぶ近郊通勤列車「フィーダー線(FEEDER)」として投入され、学生や通勤客を中心に、多くの利用者にとって便利で快適な移動手段となることが期待されています。

車両の内訳は以下の通りです。キハ40形は9両で、両運転台のダブルキャブ仕様、定員は最大65人です。2両は長椅子タイプ、7両はクロスシートタイプで、両側にトイレが設置されています。キハ48形は11両で、片運転台のシングルキャブ仕様、すべてが長椅子タイプで、定員は最大82人。トイレは片側に設置されています。

タイ国鉄が日本から車両を譲り受けるのは今回で6回目となり、これまでにはJR西日本やJR北海道からの譲渡が行われてきました。JR東日本からの譲渡は今回が初めてです。

タイ国鉄総裁は、「キハ40・48形は通勤輸送を支える大きな力となります。国民の移動がより安全・迅速・快適になるだけでなく、公共交通の利用促進、燃料消費の削減、環境対策、生活費の軽減にもつながります」とコメントしています。

引退後も新たな役割を与えられた日本の気動車が、今度はタイで第二の人生を歩み始めます。

 

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