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タイ政府は、加熱式たばこ製品(HTPs)の利用が拡大していることを受け、健康リスクの深刻さと、使用・販売・所持に対する厳しい法的罰則について、国民に注意を呼びかけています。2025年3月23日にタイ政府メディアNNTが伝えています。
政府副報道官は3月22日、従来の紙巻きたばこよりも「安全」であるとする加熱式たばこの宣伝が広がっていることに対し、「これは虚偽であり、誤解を招くものです」と警告しました。
加熱式たばこは、たばこ葉を燃焼させるのではなく加熱する電子機器で、煙ではなく蒸気を発生させる仕組みです。しかし、健康への悪影響がないわけではないとのこと。韓国とアメリカの研究機関による共同研究では、加熱式たばこの使用者は非感染性疾患(NCDs)――高血圧、糖尿病、心臓血管系の病気など――を発症するリスクが、使用していない人と比べて68%も高いことが明らかになっています。使用頻度や期間が長くなるほど、そのリスクはさらに高まるとされています。
タイでは現在、約1,400万人が非感染性疾患(NCDs)を患っており、年間30万人以上がこれらの疾患によって亡くなっています。その多くは60歳未満であり、加熱式たばこの広がりは、タイの公衆衛生にとって新たな脅威となっているとしています。
なお、加熱式たばこはタイ国内では現在も違法。
販売・提供:禁錮3年以下または60万バーツ以下の罰金
輸入:禁錮10年以下および製品価値の5倍の罰金
所持:禁錮5年以下
禁煙区域での使用:5,000バーツ以下の罰金
政府は、特に若者や保護者に対し、こうした製品の誤ったイメージに惑わされず、使用を避けるよう強く呼びかけています。今後も関係法令の厳格な適用を続けるとともに、従来のたばこ製品と新しい喫煙手段の両方に関する健康リスクについて、正しい情報の普及に努めていく方針とのことです。
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