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タイ警察は2025年3月20日、日本人を標的としたコールセンター詐欺組織の首謀者であるヤマグチという名の日本人の男(47歳)をバンコクで逮捕し、詐欺組織に騙されて働かされていた日本人2名を救出したと発表しました。
この捜査は、在タイ日本大使館からの情報提供を受けて行われました。タイ入国管理局が調査を進めた結果、日本で傷害、詐欺、窃盗、組織犯罪法違反などの罪で指名手配されている日本人の男がタイに滞在していることが判明しました。
この人物はバンコク・サトーン地区の高級マンションに居住しており、タイ当局は滞在許可を取り消した上で、3月13日に身柄を拘束しました。その後、日本政府と連携し、国外退去手続きを進めています。
捜査の過程で、この人物がカンボジアやベトナムで活動するコールセンター詐欺グループの指導者であることが明らかになりました。さらに、2024年に「ラス・サムライ・ジャパン」という企業を設立し、高額な美術品の取引を通じて資金洗浄を行っていた疑いが浮上しています。
警察はサトーン地区の彼の自宅を家宅捜索し、日本で前科のある日本人4名を発見しました。これらの人物の一部は「ラス・サムライ・ジャパン」と関連があるとみられています。捜査の結果、仮想通貨ウォレットに約3,000万バーツ(約1.2億円)の資産が確認されており、警察は引き続き調査を進める方針です。
また、タイ警察は日本当局の要請に基づき、別の日本人の男を逮捕しました。この人物は日本で窃盗罪に問われており、コールセンター詐欺グループの財務担当として活動していたと供述しています。
タイ政府が進める詐欺組織の掃討作戦の影響で、隣国の少数民族グループがこの人物を拘束し、タイ側へ引き渡しました。警察は入国管理法違反で起訴した後、日本への送還手続きを進めています。
さらに、タイ警察は詐欺組織に騙され、強制的に働かされていた日本人男性2名を救出しました。救出されたのは22歳と47歳の日本人で、日本当局の情報提供を受けて発見されました。
調査の結果、彼らは以前タイ警察が救出した16歳の日本人少年と同じグループに所属していたことが判明しました。詐欺グループには約10人の日本人が関与していたとみられています。警察は、これらの人物の身元確認を進めるとともに、日本政府と協力して組織の全容解明を進めています。
タイ警察は、日本政府と連携し、コールセンター詐欺や人身売買などの国際犯罪の取り締まりを強化する方針を示しました。特に、詐欺組織の資金の流れを追跡し、関係者の摘発を徹底するとしています。
今後も、タイと日本の法執行機関が協力し、国際犯罪の撲滅に向けた取り組みを進めていくとしています。
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