【ITB Berlin 2025】タイが観光大国としての地位を強化、年間3,900万人の誘致を目指す

タイは、2025年3月にドイツ・ベルリンで開催された国際観光見本市「ITB Berlin 2025」において、「Amazing Thailand Grand Tourism and Sports Year 2025」をテーマに観光ビジョンと戦略的取り組みを発表し、世界有数の観光大国としての地位をさらに強化する方針を示しました。タイ政府メディアNNTが2025年3月6日に伝えています。

ペートンターン・チナワット首相がタイ代表団を率い、国内各地から集まった160の観光関連事業者とともに、タイの魅力を世界に向けて発信しました。

2025年の観光目標：年間3,900万人の訪問者

観光はタイ経済の重要な柱となっており、2024年には3,500万人以上の外国人観光客を迎え、474億ユーロ（約1兆8,000億バーツ）の収益を生み出しました。2025年には、年間3,900万人の訪問者と980億ユーロ（約3兆7,000億バーツ）の観光収入を目標としています。

特に欧州市場への注力を強めており、1,062万人の欧州からの旅行者誘致を目指し、242億ユーロ（約9,000億バーツ）の経済効果を見込んでいます。

 ビザ政策の強化と観光インフラの発展

この目標を達成するため、タイ政府はビザ政策の緩和、観光客の安全対策の強化、航空・インフラ開発を推進しています。また、文化観光の分野で「ソフトパワー」を活用し、さらなる観光促進を図っています。

特に「メディカル＆ウェルネスツーリズム」の分野が注目されており、タイは医療・健康分野での観光ハブを目指し、高品質な医療サービスやリラクゼーション施設の整備を進めています。

 「フェスティバルカントリー」としてのブランド確立

タイ政府は、年間を通じて国際的な注目を集めるイベントを強化し、「フェスティバルカントリー」としてのブランド確立にも力を入れています。

2025年には、ソンクラーン祭（タイ正月）、プライド月間、ローイクラトン祭（灯籠流し）、カウントダウンイベントの規模を拡大し、世界中からの観光客を惹きつける計画です。また、女子バレーボール世界選手権2025や東南アジア競技大会（SEA Games 2025）といった国際スポーツイベントを開催し、スポーツツーリズムの分野でも競争力を高める方針です。

タイ政府は、こうした国際的な観光戦略を通じて、タイを**「世界が訪れたくなる国」**としてさらに発展させることを目指しています。