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タイ下院の産業委員会は、盗品の売買を防ぐため、1931年制定の「競売および骨董品取引管理法」を改正し、盗品を購入した廃品回収業者に禁錮刑を科す方針を決定しました。2025年2月25日のバンコクポストが伝えています。
この法改正について、タイ団結国家建設党(United Thai Nation Party)のラチャブリ県選出議員であり、同委員会の委員長を務めるアッカラデート・ウォンピタクロット氏は、「近年、公私の財産が盗まれる事件が増えており、大きな被害が発生している」と説明しました。
現行法では、廃品回収業者が購入記録を適切に管理していなかった場合、罰金は2,000バーツのみと定められています。しかし、アッカラデート氏は「この金額では、盗品を転売することで得られる利益に比べて軽すぎるため、犯罪を抑止できていないのが現状です」と指摘し、警察や地方行政当局の取り締まりにも影響を与えていると述べました。
この問題を解決するため、委員会と地方行政当局は法律を改正し、購入記録を適切に管理しない廃品回収業者に対して、罰金に加え禁錮刑を科すことを決定しました。
また、アッカラデート氏によると、業者との協議の中で、現在の手書きによる記録管理では不十分であるとの意見が出たことから、将来的にはウェブサイトやアプリを活用した電子記録管理の導入も検討されているとのことです。
「電子記録を導入すれば、盗まれた電線やマンホールの蓋、家庭用の水道メーターなどが廃品回収業者に転売される事例を特定しやすくなり、犯罪者の逮捕にもつながるでしょう」とアッカラデート氏は述べました。
なお、同氏は、この法改正が拾った物を売る「拾い屋」には適用されず、あくまでも廃品回収業者が対象であることを強調しています。「この改正によって、公私財産の安全性が向上するとともに、法を遵守する正当な業者を保護することにもつながります」と述べました。
改正案は現在、下院議長に提出されており、下院での審議を経て成立する見込みです。施行後は、公的資産や政府所有物の窃盗が大幅に減少すると期待されています。
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