タイ政府、汚職防止法を改正 PACCの権限を拡大し捜査を強化

タイ政府は2025年2月18日、「汚職防止に関する執行措置法（第4号）B.E. 2568（2025）」の改正を官報で公布しました。これにより、公的部門汚職防止委員会（PACC）の権限が強化され、汚職や職務上の不正行為に関与した公務員に対する捜査、訴追、逮捕がより厳格に行われることとなります。改正法は2月19日より施行されました。タイ政府メディアNNTが伝えています。

今回の改正では、PACCが他の機関からの指示を受けることなく、独立して捜査を開始できるようになりました。また、国家汚職防止委員会（NACC）からPACCへの汚職事件の正式な移管手続きが整備され、より迅速かつ透明性の高い捜査が可能になります。新たな規定では、捜査は60日以内に開始し、原則として2年以内に完了させなければならないとされており、国際案件に限り期間の延長が認められます。

さらに、PACCの調査結果を受けた上司は、60日以内に適切な懲戒措置を取ることが義務付けられました。これを怠った場合、上司自身が懲戒処分の対象となる可能性があります。また、PACCは、逃亡の恐れがある場合に裁判所に逮捕状を請求し、必要に応じて逮捕を執行する権限も与えられました。

政府は今回の改正について、タイの汚職防止体制を強化し、公的部門の透明性と説明責任を向上させることを目的としていると説明しています。