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タイのメディアは2025年2月15日、NHKや共同通信の報道を引用し、タイ西部で保護された16歳の日本人少年が「ミャンマーの特殊詐欺グループの拠点に、日本人とみられる約10人がいた」と証言していたことを伝えました。
タイ警察や軍関係者によりますと、この少年は2025年2月、ミャンマー東部の詐欺拠点にいることが確認され、2月12日にタイ西部ターク県メーソートで保護されました。少年は中国人グループの犯罪拠点で、日本人を標的にした詐欺行為に関与させられていた可能性があるということです。
また、タイ軍関係者によりますと、少年が保護された際に「自分のほかにも10人ほどの日本人がいた」と証言していたことが明らかになりました。
この事件に関連し、タイ警察は2月13日、日本人の藤沼登夢容疑者(29)をバンコクのドンムアン空港で拘束しました。藤沼容疑者は、日本の高校生をミャンマーの特殊詐欺グループに勧誘し、詐欺行為を強要した疑いが持たれています。
タイ警察によりますと、藤沼容疑者はオンラインゲームを通じて日本の高校生(17)と知り合い、旅行を勧める形でタイへの航空券を用意しました。その後、高校生をミャンマー国境の町ミャワディへ連れて行き、現地のコールセンター詐欺グループの一員として活動させていたとみられています。
高校生の保護者が連絡が取れなくなったことを受け、日本大使館がタイ当局と連携し、1月に高校生を無事保護しました。
藤沼容疑者は、日本でいくつかの容疑で逮捕状が出されていました。タイ警察は、ミャンマーからドンムアン空港に到着した藤沼容疑者の滞在許可を取り消し、ブラックリストに登録したうえで、今後、日本へ強制送還する方針を示しています。
タイ警察は、「外国人による犯罪行為を厳しく取り締まり、違反者は国外追放し再入国を禁止する」と強調しています。
ミャンマーとタイの国境地帯では、外国人がだまされて詐欺グループの拠点に連れ去られ、特殊詐欺に加担させられるケースが相次いでおり、タイ当局は日本人を標的にした組織的な犯罪の実態解明を進めています。
■タイで保護の日本人少年“ミャンマーの拠点に約10人の日本人”|NHK
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