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【2025年2月15日 ウボンラチャタニ】タイ警察中央捜査局(CIB)は、またひとつ闇に巣食う者たちの目論見を砕いた。メコン川を隔て、対岸はラオス。そこは、密輸業者にとって長年の「舞台」であり、「抜け道」でもあった。暗躍する者たちが息を潜め、影とともに動く場所。だが、CIBの目を逃れることはできなかった。
今回、CIBが狙いを定めたのは、この地を拠点に活動する一人の男。覚醒剤(ヤーバー)を運び、若者たちへと売りさばく「運び屋」だったのか、それとも単なる駒の一つに過ぎなかったのか。いや、それはもはや問題ではない。重要なのは、彼がCIBの包囲網に絡め取られ、抗う術もなく沈んだという事実だけだ。
情報はすでに届いていた。メコン川を渡り、ラオス側で受け取ったヤーバーを、指定の場所で「客」に手渡す。何度も繰り返されてきた闇取引。しかし、その終焉は目前だった。
CIB傘下の水上警察は、捜査班を編成し、すでに動き出していた。そして、決定的な瞬間が訪れる。運び屋は、ホテルの駐車場で取引を行う予定だった。警察は、現場で彼を発見。だが、その刹那、男は察知したのか、一目散に森へと駆け込んだ。狭まる包囲網、暗闇の中で響く足音——彼は逃げられるとでも思ったのか。
取引現場から150メートル離れた場所。暗がりの中、彼は“証拠”を手放すしかなかった——986錠のヤーバーが地面に転がる。
だが、もはや遅すぎた。逃げ道はない。追跡する警察官、そして静寂の森。数秒後、すべては終わった。
CIBのもとに集まる情報は、氷山の一角に過ぎない。それでも、彼らは確実に闇の綻びを突いていく。この摘発は、壮大なる戦いの序章に過ぎないのかもしれない。だが、その幕が開けた先に何が待っているのか——それは、まだ誰にも分からない。
タイ警察中央捜査局(CIB)
プロフェッショナルで中立、国民と共に。
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