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タイ下院は2025年1月29日、バンコクとその周辺地域を運行するBTSやMRTなどの電車で20バーツの均一運賃を実施するための共通チケット法案を、賛成367票、反対0票で承認しました。また、主要な法案として閣議決定案を採用することを、226票対142票で決定し、人民党案を退けました。各報道が伝えています。
閣議決定案には、交通政策・交通計画局(OTP)のもとで統一的な共通チケットシステムの技術基準を制定することが盛り込まれています。運輸大臣が共通運賃を設定し、今後の公共交通機関の契約にも適用される見通しとなっています。さらに、許可を受けた事業者のみが支援を受けられる基金を設立し、特定の公共交通機関に対して勅令によって共通チケットシステムの適用を義務付けることも可能となります。
一方、野党は審査委員会でのさらなる議論を求めています。法案の定義については、共通チケットシステムが「公共交通サービスの提供」と誤って記載されており、「運賃、料金、またはサービスの支払いを共通チケット基準に準拠した電子決済システム」とするべきだと指摘しています。また、ライセンス規定に関して、「旅客輸送サービスのライセンス」ではなく、「共通チケットシステム提供のライセンス」に修正するよう求めています。
政策委員会から消費者団体協議会の代表が除外されたことも問題視されています。市民の意見が反映されにくくなるため、代表を復活させるべきだとの意見が出ています。さらに、共通チケットシステムの適用範囲が鉄道中心となっている点について、低所得者にとって重要なバスを含めるべきだと指摘しています。陸上および水上交通にもライセンス規定を適用する必要があるとの意見もあります。
財務の透明性についても懸念が示されています。補助金の適正管理を確保するため、事業者は6か月ごとに事業報告書とキャッシュフローを公開すべきだと提案されています。また、20バーツの運賃を維持するには年間数百億バーツが必要となるため、法律において基金の使用目的を明確に定める必要があると指摘されています。
今後、法案はさらに審査委員会で精査され、追加の議論を経て最終的な成立を目指すことになります。
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