有名ロック歌手を麻薬密売容疑で逮捕、タイ芸能界にも波及する捜査

有名ロックバンド「I-Zax」のボーカル、愛称ザック（แซ็ก）ことパチャラポン・パーンプム（พัชรพล ปานพุ่ม）容疑者（47歳）が、バンコクで違法薬物の所持・販売の疑いで逮捕されました。タイ麻薬取締委員会（ONCB）によると、同容疑者は国内外の麻薬密売ネットワークと関係があるとみられています。

逮捕の経緯

2024年7月22日、中国の南京空港でタイ人2人が覚醒剤（アイス）53グラムを所持していたとして拘束されました。この捜査を進めた中国当局（中国国家麻薬管理委員会、NNCC）は、薬物をバンコクの44歳のタイ人の女から購入していたことを突き止めました。NNCCはONCBに協力を要請し、2025年3月13日、バンコク・ラチャダー地区のマンションでこの女を逮捕しました。現場では覚醒剤（ゴールド・ピンクゴールド）やエクスタシーが押収されました。

ネットワークの拡大捜査

この44歳のタイ人の女の供述をもとに、42歳のタイ人の女も逮捕されました。彼女の住居では、ヤーバー（メタンフェタミン）、覚醒剤（ゴールド・ピンクゴールド）、エクスタシー、ケタミン、MDMAのほか、麻薬取引に使用されたとみられるデジタル計量器や銀行口座の通帳15冊が押収されました。

捜査を進める中で、ザック容疑者が常習的に薬物を購入していたことが判明しました。容疑者の自宅を捜索した際、薬物の注文に関するメッセージが発見されました。その後、容疑者が直接薬物を受け取りに来た際にONCBが身柄を確保し、逮捕に至りました。

芸能界にも波及する捜査

ONCBのパーヌラット・ラックブーン事務総長は、ザック容疑者が自身の薬物使用だけでなく、他の芸能人にも薬物を販売していた疑いがあると発表しました。現在、ONCBは100人以上の関係者リストをもとに、さらなる捜査を進めています。

ロックスターから麻薬密売容疑者へ

I-Zaxは2002年にデビューし、2000年代にヒット曲を生み出した人気ロックバンド。

ONCBは現在も捜査を続けており、芸能界を巻き込む大規模な麻薬ネットワークの全容解明を目指しています。