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旭化成株式会社は、タイに所在する持分法適用関連会社PTT Asahi Chemical Co., Ltd.(以下「PTTAC社」)の事業終了および工場設備の撤去を決議したと2024年11月15日に発表しました。この決議は同日に開催されたPTTAC社株主総会でなされたものです。
PTTAC社は2006年に設立され、プロパン法アクリロニトリル(AN)やメチルメタクリレート(MMA)、硫安の製造・販売を行ってきました。特に東南アジア市場向けに製造拠点を担い、事業を展開していましたが、2022年以降の経済環境の低迷や原料コストの上昇により競争力が低下しました。さらに、中国における生産能力増強を背景とする需給環境の悪化が業績を圧迫。PTT Global Chemical Public Company Limited(以下「PTTGC社」)との協議の結果、今後の事業継続が困難であるとの認識で一致し、合弁事業の終了に至りました。
PTTAC社の概要は以下の通りです。会社名はPTT Asahi Chemical Co., Ltd.で、本社所在地はタイ王国ラヨーン県。2006年8月に設立され、2013年1月から操業を開始しました。旭化成株式会社とPTTGC社が折半出資し、235名の従業員が勤務しています。
2024年10月31日をもって工場生産は終了しており、12月31日に販売を終了します。その後、2025年から2028年にかけて工場設備の撤去工事が行われ、会社の清算はその後決定される予定です。
今回の事業終了により一部撤退となりますが、旭化成はグループの競争力強化に努め、持続的な企業価値向上を目指します。また、ANおよびMMA製品についてはアジアを中心とした取引先に安定供給を継続する方針です。本件に伴い発生する費用は、すでに2025年3月期の業績予想に織り込まれています。
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