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アイドル運営として幾度となくタイへ遠征している、“流浪のバンドマン”西田健児(ケンジ)氏が、2024年10月半ばにもアイドル運営としてバンコクへ。いつもはアイドルにスポットを当てた取材を行う流浪のバンドマンですが、今回はアイドルを追って一緒にタイに遠征したファンにスポットを当て、インタビューを決行しました。
■西田健児氏より
今回、タイに遠征しているヲタク(アイドルファンの愛称)をジョッドフェアーズナイトマーケットで発見して、この企画を思いつきました。
「タイに遠征しているヲタクの視点はどういう感じなんだろう?」という本音を、本当はその場でインタビューをしたかったんですが、ジョッドフェアーズにて口頭でのインタビューをするのに十分な環境を確保できなかったため、日を改めての質問形式に切り替えさせていただきました。
答えられることが多い方が“人となり”が出るかなと思い、質問を多めに設定させていただきました。その上で「質問についてその経験をしたことがないなど、答えられないことは無回答で大丈夫です」と記載しましたが、ほとんどの質問にみなさん丁寧に答えてくれて、予想していたよりもボリュームのあるインタビューになりました。
インタビューに答えてくれた、ヲタクのみなさん。ご協力、本当にありがとうございます!
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[とむ](日本人/男性)
@tomfukkatsu
高校生の時にライブアイドルにハマってから、現在もヲタクを続けている大阪在住の28歳。フェスが大好き。
[ノーミ](シンガポール人/男性)
@Normy616
AKB48がきっかけでヲタクになったシンガポール人。ヲタク歴は10年以上。日本語勉強中。
[みおっち](日本人/女性)
SAY-LAの咲山しほちゃんが大好き!
[弁にぃ](日本人/男性)
@konmaniwa725
真面目そうな雰囲気が全身からにじみ出てる、アイドルのライブでは笑顔になりたいなと思うヲタク。
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ーーライブについて、タイと日本の違いを何か感じる部分はありますか?
とむ:タイのライブは自由ですね。ヲタクが言う”平成”がタイにはまだ残っています。リフトはガンガン上がるし、国旗はブンブン振るし、よく回るし、とにかく多動。多動派でない人もそれを優しく見守っている温かさがあります。ライブという非日常の機会を目一杯振り切って楽しもう、多少のトラブルはマイペンライ、という精神があるように思いますね。
ノーミ:ライブ時の楽しみ方が大分違うと思います。タイのライブでは何も禁止されていないのでライブ中は結構何でもあり、色んな楽しめる形が出て来るからとても面白いです。
みおっち:ヲタクのノリ! とりあえず盛り上がってみようという気持ちが日本より強いように感じます。
弁にぃ:日本では事務所やグループによってリフトやサークルがある現場、撮影可能のカメラ現場、コールやMIXで盛り上がる現場、サイリウムを振ってアピールする現場、パフォーマンスを見る現場、これが分かれてる気がするんですけど、タイでは全てをしていて、良くも悪くもコロナ前の日本のアイドル現場に近い気がします。
ーータイ遠征の楽しいところは?
とむ:タイ人と日本人のみならず、世界各地のヲタクと出会えること。ライブの沸き方も、日本では見られない独自の進化を遂げていたりするので面白いです。世界中の色々な国の人と、共通の趣味を通じて仲良くなれるって素敵なことですよね。遠征のたびに友達が増えてライブが楽しくなっていくのを感じます。タイ人のヲタクが日本に来るときは、一緒に旅行に行ったりご飯を食べに行ったりしています。
ノーミ:タイのオフ会とチェキ代が日本より安くなるところです(笑)
みおっち:知らないヲタクと仲良くなって、また次に来る時が楽しみになるところ!
弁にぃ:最初の頃は海外旅行を兼ねて遠征できるってすごいって思ってましたが、考えてみると、大阪から東京までが夜行バスで約7時間。でも関西空港からバンコクまでは約6時間です。新幹線では、新大阪から東京が約14,000円で行くこともありましたが、その頃のバンコクまでの飛行機代が約13,000円でした。バンコクに行く方がコスパがいい。それなのに、タイのアイドルさんが、日本のアイドルはタイまで来てくれた! とすごい喜んでくれます。そんなアイドルさんの笑顔がいちばんのご褒美です。
ーードンキモールトンローのアイドルイベントの主催である、siamdolのイベントについては、どうですか?
とむ:対バンやワンマンのゲスト出演を通じて現地のアイドルのライブを見る機会がある、というのが最大の特徴だと思っています。
一日中楽しめるので、観光する時間がない(笑)
ノーミ:いつも日本のアイドルグループを呼んでいて本当に感謝しています。イベント自体は文句は無いですが、イベントに関するの情報をもっと早く出して欲しいです。そうするなら、皆は準備するの余裕もできています。
みおっち:大好きです!
弁にぃ:siamdolに所属しているタイのアイドルは、日本の地下アイドルを歩んできたヲタクなら必ず耳にしたことがある曲を持っていて、ここぞという時にセトリに入れると、日本の会場では見たことないレベルの歓喜で全力フリコピ、全力コール、土台が足りなくなるくらいのリフトが立ちます(笑)
ーータイ遠征をして欲しいアイドルグループはありますか?
とむ:アキシブproject。体制変更前は毎年タイ遠征をしていて、現地のヲタクからも愛されているのですが、まだ新体制での活動期間が短くタイ遠征ができていないため。アキシブの曲はタイでもカバーされていたりと知名度が高いので、心待ちにしているヲタクは多いと思います。「アキシブウェイ」のイントロでヲタクの目の色が変わるのは、日本もタイも同じです。
ノーミ:READY TO KISS。久しぶりにレディキスの海外ワンマンを見たいです。
みおっち:パピプペポは難しい。韓国で楽曲がカバーされてたり、ヲタクのポテンシャルもタイに向いていると思うから🦒
弁にぃ:yosugala。推しメングループのyosugalaが遠征してくれたら何が何でもタイに飛んできます。タイのヲタクはたくさんのアイドルを見ていてかなり厳しい目を持っているので、パフォーマンス、ビジュアルどちらも完璧でレベルの違う4人組を今のうちに見て欲しいですね。
ーー日本のヲタクにおすすめしたい、タイのアイドルはいますか?
とむ:Erin(Stellagrima*)。日本人ウケする小動物系の顔立ちで、とにかく可愛い。日本語も上手に話せて、本人もアイドル好きなのが伝わってくるので話していて楽しいです。グループはEuphonie☆(ユーフォニー)。いま日本ではほとんど聞けない曲も含め、ArcJewelの名曲たちをカバーしてくれるので、脳汁が止まりません。今は活動をしていないグループの曲が、『Euphonie☆』のおかげで異国で生き続けるって粋ですよね。オリジナル曲も可愛くて良い感じです。
ノーミ:Euphonie☆
みおっち:ICEちゃん
弁にぃ:StellagrimaのErinちゃんです。まだ今年に加入したところなのですが、日本に留学経験があって、日本人だとわかると日本語で話してくれる可愛いアイドルです。みんなで一緒に落ちサビで上がりましょう(笑)
ーーいままでで一番印象に残ってる、楽しかったイベントはどんなイベントでしたか?
とむ:やはりジャパンエキスポタイランドですね。世界中からアイドルヲタクが集まる、アイドル界のオリンピックだと思っています。一度参加した人が必ずリピーターになる”魔”のイベントです。コロナによる中止を経て2023年に復活しましたが、これからもずっと続いてほしいですね。
ノーミ:初回参加したのジャパンエキスポタイランド。初めてたくさん友達と大規模のイベントに参加して、一緒にいっぱい楽しめるのは最高だった。
みおっち:水族館オフ会🐬
弁にぃ:ジャパンエキスポタイランドはいつも楽しいですね。このイベントのおかげでタイ人とたくさん仲良くなりましたし、思い出話だけで居酒屋2〜3件まわせます。
ーーいままでで改善点を感じたイベントはありますか?
とむ:特になし。
ノーミ:今回(2024)のSAY-LAタイ遠征はオフ会の場所がよくなって、チケットを取るのもっと簡単になったから全体的にイベントが良くなりました。
みおっち:チャオプラヤー川クルーズオフ会(2019)の集合場所がお寺の駐車場の奥にある川沿いでわかりにくかった。
弁にぃ:タイの炎天下は日本人にとって味わったことのない暑さなので、タイのイベントでたまにある屋根がほとんどないところでの特典会くらいですかね〜
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ーー今までで楽しかった予期せぬでき事はありましたか?
とむ:宿泊したホテルにムエタイのトレーナーがいて、ジムでムエタイを教わったこと。見ることはあっても実際にやるとは思っていなかったので、貴重な経験でした。
ノーミ:ないんです。
みおっち:(無回答)
弁にぃ:日本ではなかなかありえない状況ですが、飲食店に入ろうとしている日本人に「どこのアイドルファンですか?」と声をかけて自分のグループのアピールをしたアイドルさんがいて、その時に声をかけたお客さんが後々に全通しするほどになり、グループの背中を支えてくれるヲタクになったと言う、まさかの事がありました。
ーー今までで大変な思いをした、トラブルに巻き込まれたことは何かありますか?
とむ:チェンライでバイクをレンタルして出かけた際に、転んで車体に傷をつけてしまったことがあります。数万円〜数十万円の請求を覚悟していたのですが、お金の話よりもまず怪我がないかの心配をしてくれて。結局、修理代も数百バーツ程度で大丈夫でした。。こういうタイ人の穏やかで優しい人間性が大好きです。
ノーミ:ないんです。
弁にぃ:安い宿にありがちなんですが、上層階に泊まるとシャワーの水圧が弱々しくて、シャンプーをつけて髪が泡立ったところで水が止まりました(笑)
みおっち:タクシーなどで値段をふっかけられる。マレーシアでハウスキーパーにお金を抜かれる。
※追加質問※ みおっちさんの「ハウスキーパーにお金を抜かれる」っていう回答があまりにも気になったので、追加で質問させていただきました。
ケンジ:みおっちさん。丁寧な回答、ありがとうございます。ちょっと気になったので追加で質問させてほしいんですが…。
みおっち:大丈夫ですよ~。
ケンジ:ハウスキーパーにお金を抜かれたあとは、ホテルにクレームを入れたんですか? どう解決しましたか?
みおっち:台湾▶マレーシア▶フィリピン▶帰国の予定で、マレーシアでお金を抜かれてました。帰国してから気づいたので、泣き寝入りです🥲
ケンジ:あらら。災難でしたね…。
みおっち:ポーチに台湾ドルと日本円も入れてて、1万円札だけ抜かれてました😱 宿のクチコミに書くくらいしかできなかったですね〜。
ケンジ:おおお…。ハウスキーパーがお金を盗むって、本当にあるんですね…。僕も気を付けます。貴重な体験談、ありがとうございます!
ーータイに遠征するにあたって、気をつけていることは何かありますか?
とむ:日本では成田空港と羽田空港、青海と青梅を間違えて青ざめることがよくあると思うのですが、タイではドンムアン空港とスワンナプーム空港を間違えないように気をつけています。一度間違えたので。
ノーミ:事前にタクシーアプリ(Grab/Bolt)をインストールした方がいいと思います。
みおっち:体調を整える!楽しむという気持ちを持つ!
弁にぃ:日本では当たり前でも荷物はできるだけ前にしたり、後ろポケットに物をいれないとかタイに限ったことではなく注意していることです。
バイタクやトゥクトゥクは必ず先に値段の交渉をしてから乗るのと、複数人で乗るなら1人当たりの値段か全員での値段かの確認ですかね。
ーータイのおすすめの食べ物は?
とむ:セブンイレブンのホットサンド。ホットサンドメーカーで温めてくれるのが嬉しい。異国の料理が苦手な人も安心です。カオパット(炒飯)はタイ米独特のパラパラ感があり美味しいです。定番のカオマンガイやパッタイなども含め、50バーツ(約220円)程度で食べられるのが嬉しい。
ノーミ:ムーグロープ! 豚の三枚肉の皮の部分のみがカリカリで噛んだ時にサクッと崩れる食感が最高です!
みおっち:プラーヌンマナオ(魚の煮込み)。クンチェーナンプラー(エビ刺身の辛いソース合え)。セブンイレブンのホットサンドテンモーパン(スイカスムージー)。カオニャオマムアン(マンゴーともち米ココナッツソースかけ)。
弁にぃ:パクチー好きで辛いのも好きなので、なんでも好きなんですが、辛いの苦手な人ならマッサマンカレーはおすすめですね。
ーー口には合わなかったタイの食べ物は?
とむ:特にないですが、調子に乗って青唐辛子を丸かじりすると舌がやられます。悪ノリ注意。
ノーミ:自分はほぼ何も食べれるので今まではありません。
みおっち:タイティー。
弁にぃ:日本では100%食べることないからと思い、チャレンジしてみたカブトガニ…。カブトガニの卵…。一度チャレンジしてみて下さい(笑)
ーーおすすめしたいタイのお店は? またその理由は?
とむ:みんな大好きBigC。タイ版の西友みたいなところでしょうか。
ちょっとした日用品の買い足しからお土産、衣料品、安価で美味しいフードコートなどが揃っており、観光とローカル体験のいいとこ取りができます。
ノーミ:食事は”Kuay Jab Mr. Joe”と言うミシュラン・ビブグルマンのムーグロープの店がおすすめです。ミシュラン・ビブグルマンの店だからも説明必要ないですよね(笑)マサーシーはCentralworldの近くにあるの”Foot Haven Massage”がおすすめです。店が広いし、サービス良いし、値段も高くないから良いお店です。
みおっち:(無回答)
弁にぃ:オーナーの心意気が大好きでよく通っていますがアソーク駅直結のターミナル21フードコートです。賃料無銭、食器回収や洗浄もデパート負担、年間2000万バーツ以上の大赤字…。それでも地元のひとたちみんなが、安くて美味しい物を清潔なところで食べて欲しいとの気持ちで実現させて、今じゃ広告なしで外国人までオープンから待つくらいに有名になりました。他のフロアも外国人で溢れてるのでオーナーの狙い通り!? 当然、自分もみんなにおすすめしています。
ーー最後に、ヲタクとしての自己PRをお願いします!
とむ:大阪在住の28歳。高校生の頃にライブアイドルにハマり、当時からの推しを今でも追いかけています。フェスが大好きで、夏に活発になります。タイ遠征は9回目。推しのタイ遠征はほぼ毎回参加しています。好きな言葉はマイペンライ。推しはSAY-LAの咲山しほです。
ノーミ:ヲタク歴は10年以上あるのシンガポールヲタク、ノーミです。AKB48がきっかけでヲタクになっております。その2~3年後に段々地下アイドルにハマりました。2016年からI-GET所属しているのSAY-LAのファンになって、今まで続けています。
みおっち:ただの旅行だと絶対知ることのないような楽しみは、遠征ならではだと思います😊 海外遠征のおかげで、他の色々な国に興味をもつようになりました。SAY−LAちゃんとも、また新しい国に行けたらいいなあと思ってます🐹
弁にぃ:綺麗事ですが、自分は推しメンの卒業ライブというものが好きではありません。過去に泣き崩れた経験があり、アイドルのライブというのは笑顔になりたいなと思うようになりました。そして推し活は推しの未来へのお手伝いと思っていて、アイドルの子はアイドルを辞めると一般人になってしまいます。最高の輝きで終わりたい気持ちはわかるけど、それはあくまで思い出になるだけですよね。なので、その時々で未来を夢見てアイドルしてる子はたくさんいるし、そんなアイドルの子を見つけてあげてその子の背中を押してあげたいと考えるヲタクです。(結論DD)
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なるほどなァ、と学べることの多いアンケートになりました。ヲタクのみなさん、ありがとうございました!
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