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日本からのキックボクサー、MMA(総合格闘技)ファイターの遠征が相次ぐタイのリングだが、2024年9月6日にはムエタイの殿堂ルンピニースタジアムで行われたONEチャンピオンシップでは、日本から重森陽太と黒田直也が参戦し、重森はKO勝ちでONEチャンピオンシップの初戦を飾った。そしてもう一方のムエタイの殿堂ラジャダムヌンスタジアムには、この日、K1甲子園西日本優勝の経歴を持つ、溝口司が登場した。
溝口はキッズ時代も含めてキックボクシング106勝を誇り、現在はMMAに転向して活動している21歳。キッズの頃に初めてタイ修行を敢行して、タイのリングに上がっている。
3回目のタイ遠征となる今回、溝口にはラジャダムヌンスタジアムのセミファイナルという大舞台が用意された。この日のイベントはスタジアムの定期興行の「ラジャダムヌンノックアウト」で、外国人ファイターが多数カードに絡み、イベントの宣伝文句”KO率80%”通りに、KOで試合が決まることが多い。
この日は全7試合が行われたが、溝口が登場する6試合目までにも中国人選手や、タイ人選手のKO、またフランス人選手対モロッコ人選手の熱戦があり、満員の会場もヒートアップしていた。
溝口はこの日はタイの練習拠点であるロンポージムの名を箔して「ツカサ・ロンポージム」の名で、リング上でコールされた。対戦相手はタイのウティデート・スーンキラーバーンチャートで、ベテランで侮れない選手である。63キロ制限、3回戦(3分3ラウンド)で行われたこの試合、ゴングが鳴ると、溝口は積極的に前へ出る。思い切りの良いコンビネーションブローを放ち、ウティデートの右わき腹に鋭いパンチを着弾させると、ウティデートは耐え切れずそのまま崩れ落ちた。レフェリーはウティデートの様子を確認すると試合をストップした。開始ゴングから僅か20秒ほどの速攻のKOショーとなった。
ここ数年はMMAファイターとして活動してきた溝口、原点回帰となるムエタイの試合で強烈なKOを本場のファンに見せつけて、強烈な印象を残した。溝口陣営は「勝つことしか考えていなかった。タイ人選手の技術、反応は油断できなかったが、ラジャのリングでKOすることができて安心した」とコメントしている。
今後のタイのリングへの遠征も期待されるところで、ラジャダムヌンスタジアムのRWS(ラジャダムヌンワールドシリーズ)興行や、ONEチャンピオンシップへの参戦も検討していく。
溝口選手のタイの拠点~ロンポームエタイボクシングジム
https://www.facebook.com/009009rompo
[寄稿・Odasai(https://note.com/odasai_oda)]
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