|
|
タイ上院は2024年6月18日、同性婚の平等法案を承認。タイが東南アジアで同性婚を合法化する最初の国となります。同法案は国王陛下の承認を経て、王室官報に掲載されてから120日後に発効になります。6月(プライドマンス)にはバンコクで、同性婚の平等法案を祝福する大規模なプライド・パレードも開催されています。
【2024年7月12日、日本発表】
世界最大級の宿泊予約サイト Booking.com (以下、ブッキング・ドットコム)は、日本を含む世界27の国と地域、11,469人のLGBTQ+の旅行者を対象に実施した最新調査*を実施。その結果、LGBTQ+の旅行者がいまだに大きな課題に直面していることが明らかになりました。
日本のLGBTQ+旅行者の36%(世界:59%)が「旅行中に不当な扱いを経験したことがある」と回答し、前年(2023年)の25%(世界:58%)と比べると増加していることがわかりました。また、日本のLGBTQ+旅行者の32%(世界:41%)が、「旅行中のさまざまな状況を安全に乗り越えるために、別の自分を装ったことがある」と回答しています。
LGBTQ+の旅行者は、他の旅行者と自分の選んだ旅行先にいる地元の人々の両方から、何らかの不当な扱い的な扱いを受ける可能性があることを意識しており、日本のLGBTQ+旅行者の40%(世界:51%)は「LGBTQ+であることによって旅行者としての不安や自意識が高まっている」と回答しています。これは、特定の性自認の人ではさらに大きな懸念事項であり、トランスジェンダーでは64%、インターセックスでは57%、ノンバイナリーでは56%となっています。
日本のLGBTQ+旅行者の46%(世界:63%)が「旅行中にありのままの自分でいられることが重要な要素である」と考えています。LGBTQ+の旅行者は、旅行先を検討するなかで、以下のようなことを考えていることがわかっています。
● 日本のLGBTQ+旅行者の29%(世界:55%)が、LGBTQ+の人権、平等、婚姻に関する権利について、現地の法律を重要な要素であると考えている
● 日本のLGBTQ+旅行者の28%(世界:51%)が、自国と比較して旅行先がどの程度LGBTQ+の人々を受け入れているかを考慮している
●日本のLGBTQ+旅行者の25%(世界:50%)が、外国を旅するLGBTQ+コミュニティの旅行者の体験についてニュースで見聞きしたことを考慮している
ー
これらの懸念は、LGBTQ+の旅行者の認識や意思決定に明らかな影響を与えています。日本のLGBTQ+旅行者の34%(世界:43%)は「過去1年以内に、旅行先がLGBTQ+の人々に協力的ではないと感じられたために、旅行を取りやめたことがある」と回答しています。この結果は、世界のLGBTQ+の子どものいない旅行者では40%であるのに対し、子どものいるLGBTQ+の旅行者では48%にのぼります。また、トランスジェンダーの旅行者では59%、インターセックスの旅行者では56%(いずれも世界の数値)と、さらにその傾向が強まります。
一方で、日本のLGBTQ+の旅行者の44%(世界:56%)は過去12ヶ月間に、LGBTQ+を自認する人々に協力的であると思われる地域への旅行を予約しています。また、LGBTQ+ツーリズムがすでに確立されている旅行先を選ぶ、と回答した日本のLGBTQ+コミュニティの旅行者の割合は57%(世界:57%)でした。
LGBTQ+の旅行者は旅先が決まると、フライト中に起こりうる不当な扱いへの不安を和らげるために、さらに対策を講じています。
日本のLGBTQ+旅行者の30%(世界:36%)は、LGBTQ+の自分に向けられる反応や行動を恐れて、見知らぬ人の隣に座ることに不安を抱いています。その傾向がより顕著に見られるのは、トランスジェンダー(世界:57%)、インターセックス(世界:48%)、ノンバイナリー(世界:44%)となっています。その結果、日本のLGBTQ+旅行者の35%(世界:46%)は、「不当な扱いを恐れて他の人との接触を最小限に抑えるために、あらかじめ特定の席を選択することにしている」と回答しています。トランスジェンダー(世界:61%)、インターセックス(世界:55%)、ノンバイナリー(世界:50%)となっています。
また、旅行中に不安を感じる機会の多いLGBTQ+当事者は、日本のLGBTQ+旅行者の29%(世界:40%)が、「自分自身を守るために、潜在的な不当な扱いや望ましくない注目を避けるため、外見や行動の一部を変えている」と回答しています。
LGBTQ+の旅行者が、今後より良い旅行体験をするためにどのような改善点を旅行会社に要望するかを尋ねたところ、日本のLGBTQ+旅行者の11%(世界:28%)の人が、「歓迎されていると感じられる宿泊施設を見つけるのに役立つ、絞り込み機能」を挙げました。この機能を特に重視しているのは、トランスジェンダー(世界:49%)とジェンダーフルイド(※)(世界:40%)の旅行者です。
※性自認が複数の性のあいだで揺れ動くセクシュアリティを持つ人
ブッキング・ドットコムのCMO兼シニア・バイスプレジデントであるアルヤン・ダイク氏は、次のように述べています。
「ブッキング・ドットコムでは、誰もが自分らしいスタイルで旅に出かけ、世界を体験できるべきだと強く信じています。私はゲイの当事者として、残念ながら今年はプライドのイベントを前にして渡航警報がすでに発令されるなど、世界の多くの地域で依然として課題が続いていることを身をもって認識しています。このような状況にもかかわらず、LGBTQ+コミュニティの人々が自宅でも旅行中でも生き生きとした体験を柔軟に受け入れる姿を見て、私はとても感銘を受けています。現実的かつ具体的な進歩が見られる一方で、誰もが『Travel Proud』の取り組みによって本当の意味で安心して旅行できるようにするために、私たちは慎重に気を配りながらも自分たちの役割を果たさなければなりません。」
LGBTQ+コミュニティの旅行者は、自分たちの選択だけでなく、旅行業界の進歩を認識しており、日本のLGBTQ+旅行者の53%(世界:73%)が「インクルーシビティが高まったことで、旅行がより快適になった」と回答しています。
現在、ブッキング・ドットコムでは、LGBTQ+コミュニティの旅行者が直面する特有の課題についてや、出身地、恋愛対象、性自認に関係なく、すべてのゲストにより快適に感じてもらうために理解を深めてもらえるよう、取り組んでいます。
ーー
この調査は、ブッキング・ドットコムによって、次を含む27の国と地域で1万1,469名のLGBTQ+旅行者を対象に独自に行われたものです:アルゼンチン(201)、オーストラリア(606)、ベルギー(201)、ブラジル(503)、カナダ(804)、コロンビア(302)、クロアチア(204)、デンマーク(200)、フランス(1,005)、ドイツ(1,005)、香港(203)、インド(403)、イスラエル(204)、イタリア(603)、日本(402)、メキシコ(300)、オランダ(504)、ニュージーランド(202)、シンガポール(202)、スペイン(402)、スウェーデン(203)、スイス(200)、台湾(200)、タイ(202)、イギリス(1,007)、アメリカ(1,000)、ベトナム(201)。LGBTQ+の回答者は、性別、ジェンダー、性的指向のさまざまな層において自己認識をされた方々です。また、本調査への回答にあたっては、過去12ヶ月間以内にレジャー・観光目的で旅行していることも条件となっていました。本調査は、2024年の4月と5月にオンラインで実施されました。
▼関連記事
バンコクでアジア最長パレード!ラブプライドパレード2024で同性婚法を祝福<PR>
タイが同性結を認める東南アジア最初に国に!上院で可決し国王の承認を経て発効へ
関連記事
新着記事