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タイ北部ナーン県にあるワット・プーミン。この寺院は1596年に建てられ、1867年より7年をかける大規模な改修工事が行われました。寺院内には四方を向いた仏像とタイルー族の生活を描写する壁画があります。
壁画の中で最も有名なのが「大地に共鳴する愛のささやき、または、ささやく人」と名付けられた作品です。プー・マン(マンおじいさん)さんがヤー・マン(マンおばあさん)さんの肩に手を置き、耳元で愛をささやいています。
この壁画は1867年の改修工事の際に描かれました。作者のナン・ブア・パンはタイルー族の出身です。
タイルー族は700前頃に中国南部のシーサンパンナ(西双版納)からタイ北部に移住してきた民族で、独特の文化習慣を持っています。ナーン県にはタイ国内でタイルー族が一番多く住んでいます。
壁画のマンおじいさんは体に入れ墨を入れていますが、タイルー族の文化では男性はお腹から膝にかけて入れ墨を入れる習慣がありました。マンおじいさんは胸にも人を象った入れ墨を入れていますが、これは自分が何人の召使いや奴隷を抱えているかを示す役割をしていたそうです。ということは、マンおじいさんはかなり裕福だったということになりますね。マンおばあさんの服も手がかかっていて高価な物に見えます。
タイの人々はこの壁画にご利益があると信じています。壁画の前で恋人たちが愛をささやくと、2人の愛がより深くなり関係が永遠に続くというのです。そのためバレンタインデーはカップルたちで寺院が一杯になるそうです。
ワット・プーミンには愛をささやく男女の他にも、いろいろな壁画があって同じようにタイルー族独自の生活習慣を紹介しています。これらの壁画はアート作品としてのクオリティの高さと共に、歴史的価値も評価されているのです。
วัดภูมินทร์ Wat Phumin
[時間]
6:00~18:00
[住所]
Phakong, Tambon Nai Wiang, Amphoe Mueang, Nan 55000
[電話]
054 771 897
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