|
|
在タイ日本国大使館によると、日本政府は、草の根・人間の安全保障無償資金協力により「ペッチャブリー県パーデン区における多目的給水車整備計画」を支援するため、総額5,915,000バーツの供与を決定。2023年2月15日には在タイ日本国大使館において、梨田和也大使とルアムジャイ・タームローイポー・ネットワーク・コミュニティエンタープライズのゴーソン・セーントーン代表との間で署名式が執り行われました。
日本政府、「ペッチャブリー県パーデン区における多目的給水車整備計画」への支援を決定|在タイ日本国大使館
本案件のプロジェクトサイトであるペッチャブリー県ケーンクラチャーン郡パーデン区は、タイ西部に位置し、ミャンマー国境と接しています。区の面積の約7割は、タイ最大のケーンクラチャーン国立公園森林保護区に区分され、水道や電気が整備されていません。また、カレン族等の少数民族が在住する集落は、水道設備が足りず、毎日全世帯が使用できるだけの水道水が不足しています。
こうした状況下にある住民は、生活用水を確保するため、雨水を水瓶に貯めたり、河川など自然水源から水を汲み貯めたりして生活を送っていますが、自然水源から遠い住民は生活用水の確保が困難な状況です。また、3月から5月の暑季には雨水による生活用水の確保も困難になります。パーデン区行政機構はこうした問題を抱える住民に対して、6,000リットルの水を積載可能な給水車1台で生活用水や飲料水を運搬していますが、必要水量を満たしていません。また、車両の老朽化により故障が頻発するため、住民への給水サービスが十分に実施できない状況です。加えて、同区行政機構は専用の消防車を所有しておらず、給水車を消防車として兼用していますが、消防用の散水機能を有していないため、山火事や民家の火災等の消火活動に支障をきたしています。
こうした状況を受け、同地に在住する住民組織であり、同区行政機構と協力関係にあるルアムジャイ・タームローイポー・ネットワーク・コミュニティエンタープライズは、住民が安心して生活できるよう、住民の生活用水及び飲用水、防水用水が確保できる体制の構築を切望しています。
日本政府は同団体からの支援の要請を受け、同地の住民への生活・防災用水の安定供給が可能になると判断し、草の根・人間の安全保障無償資金協力による支援を決定しました。
関連記事
新着記事