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順天堂大学とジョリーグッド、VRを活用した医療・感染症教育事業をタイ・マヒドン大学で開始

2022年10月26日 配信

<プレスリリース>

順天堂大学(東京都文京区、学長:新井一)は株式会社ジョリーグッド(東京都中央区、代表取締役:上路健介、以下 ジョリーグッド)と共同し、タイ王立マヒドン大学(タイ王国バンコク市、学長:Prof. Banchong Mahaisavariya、以下 マヒドン大学)及び、タイ国内におけるVirtual Reality (VR; 仮想現実)を活用した医療人材養成を目的に、医療教育VRの導入実証事業を開始いたします。日本の医療VRが海外大学に正式導入されるのは“国内初事例”となります。



本事業は順天堂大学医学部総合診療科学講座(内藤俊夫 教授、森 博威 准教授)とマヒドン大学医学部、熱帯医学部との共同教育プロジェクトの一環として行っています。ジョリーグッドからマヒドン大学へVR教材の制作設備及びVR体験機材を提供し、マヒドン大学内で感染症診療教育のVR教材をセルフ制作できる環境を構築します。導入先の内訳としては、マヒドン大学の熱帯医学部/ラマティボディ病院医学部・看護学部/チャクリナルティボディ病院教育シミュレーションセンターの4部門となります。今後、制作されたVR教材はマヒドン大学内で実証授業を行い、効果検証を行った後、タイ国内の地域病院に対して、VRを活用した医療教育を展開していきます。
なお、本事業は順天堂大学が厚生労働省の採択事業として進めている 「タイ、東南アジアにおけるITを利用した感染症、地域医療人材養成事業」 とも一部連携する形で取り組んでいます。
(採択事業詳細:https://kyokuhp.ncgm.go.jp/activity/open/r4pdf/10_Juntendo_University.pdf

順天堂大学とジョリーグッド、VRを活用した医療・感染症教育事業をタイ・マヒドン大学で開始

■タイの総死亡数の約15%が「感染症」が原因。タイ国内の医療現場で求められる感染症診療教育。
保健指標評価研究所の調査結果によると、アジア諸国における感染症による死亡割合は、タイが最も高くなっており、感染症に対する医療体制の遅れが伺えます。
また、タイの医師人口は、1,000名の国民に対して0.8名となっており、各国と比較してもタイの医師は不足しています。加えて、タイの医師は卒後3年間地域医療に携わる義務がありますが、感染症に関する十分な研修や教育を受ける体制が整っておらず、地域において新型コロナウイルス感染症を含めた各種感染症に対応し、医療を提供できる人材の育成体制が求められています。

■導入実証事業の中長期的なビジョン
1年目ではマヒドン大学にて医療VRプログラムを完成させ、2年目以降では、タイ国境沿いの地域医療に関わる医学生や研修医、医師を対象にVRを用いた教育を行うことで知識と経験の早期向上を目指し、地域医療における健康危機への対応を含めた診療の質の向上を目指します。

1年目:マヒドン大学にてVR教材のセルフ制作環境を構築し、教育プログラムを完成させて大学内で運用へ
2年目:マヒドン大学が連携するタイ国内の地域病院へとVR教材を拡大し、タイ国内全域で運用展開へ 
3年目以降:ベトナムなど、タイ以外の東南アジア諸国へとVR教材を拡大

■本事業の関係者コメント
<Dr. Aongart Mahittikorn: マヒドン大学熱帯医学部 准教授>

We have great expectations in VR-medical education. After the COVID-19 pandemic in Thailand, we faced difficulties teaching infectious diseases to students and medical staff. We have been seeking new technologies to provide high-quality medical education, and now Thailand educators are more concerned about VR. In this project, Faculty of Tropical Medicine, Mahidol University, plans to make high-quality VR contents in the Tropical Medicine field. 

<森 博威(プロジェクトリーダー): 順天堂大学 医学部総合療科学講座准教授、マヒドン大学熱帯医学部客員教授>

新型コロナウイルス感染症の流行を受けて順天堂大学では、対面での授業やベッドサイドの実習が制限される中で感染症医療人材の養成に取り組みました。VRを使用した医学教育は臨場感に溢れ実際の診療に近い形での医学教育が可能です。また場所を選ばず教育できるため、僻地や地域医療の教育に使用できます。今回ジョリーグッド社のご協力の元、VRを使用したタイ、マヒドン大学での医学教育を開始します。このプロジェクトが将来的に国を超え、世界にスタンダードな医学教育を届けるきっかけとなることを期待しています。

 

■マヒドン大学についてhttps://mahidol.ac.th/
マヒドン大学は、タイでトップの国立大学で、医学関連の分野における学士号を授与する、最も歴史の古い大学です。17学部、6専門学校、8研究所からなる総合大学であり、医学のみではなく人間の健康に関連した研究、技術指導などを積極的に行っています。研究機関としての積極的な活動は、国内外で高い評価を受けています。

■順天堂大学についてhttps://www.juntendo.ac.jp/
順天堂大学は、7学部3研究科6附属病院からなる健康総合大学・大学院大学として、「教育」「研究」「診療・実践」という3つの柱を通じた国際レベルでの社会貢献と人材育成を進めています。なお、順天堂大学にはジョリーグッドのVRソリューションが2021年に導入されており、既に学生教育など、さまざまな場面でVRの活用が進んでいます。

■【参考】医療VRで日本の医療技術伝達を可能に
ジョリーグッドの医療VRプラットフォームは、医療施設が制作する教育コンテンツに加え、医療機器メーカーが手がけるトレーニングコンテンツも掲載されています。医療スタッフに各メーカーの機能・性能における疑似体験を提供できることも大きな特徴としています。ジョリーグッドは、ASEAN諸国に向けた医療機器の輸出を進めている国内の医療機器メーカーや日本政府、そして現地の医療機関らと連携しながら、日本医療技術の伝達と浸透というテーマに対しても、VRで促進・支援して参ります。

■株式会社ジョリーグッドについてhttps://jollygood.co.jp/
ジョリーグッドは、高精度なVRソリューションと、VR空間のユーザー行動を解析するAIによる医療福祉向けサービスを開発するメディカルテクノロジーカンパニーです。VRやAIなどのテクノロジーにより、医療教育、障害者支援、精神疾患治療など、人の成長や社会復帰を加速し、医療の進化や人の生きがいを支えるサービスを様々な研究機関や企業の皆様と共に展開しています。

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