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11月5日は「世界津波の日」。国連開発計画(UNDP)は2021年11月5日、津波の恐ろしさを子どもたちに伝え、備える方法をわかりやすく教えるために、ソロモン諸島やタイで暮らす人々が津波から生き延びた経験談をもとに「津波のおはなし絵本」シリーズを発表しました。
タイは、2004年12月26日に発生したインドネシア西部スマトラ島北西沖のインド洋で発生したマグニチュード9.0の「スマトラ島沖地震」により、津波に見舞われました。プーケットやカオラックを中心にタイ全土で5,395人が死亡、8,457人が負傷。現在も2,932人が行方不明になっています。日本人も28人が犠牲になりました。
以上の写真は、ピピ島の津波記念公園です。
「津波のおはなし絵本」シリーズは、美しい絵とシンプルな言葉を使って、津波から自分や家族、友だちを守り、大災害で受けた精神的ショックから回復する方法を説明するものです。
6歳から11歳までの子どもを対象とし、「アジア太平洋地域学校津波対策プロジェクト」の普及開発活動の一環として作成されました。このプロジェクトはUNDPが日本政府の資金拠出を受け、2017年からアジア太平洋地域の23カ国で実施しています。
シリーズの第一作目「デュリー先生とつなみ」が公開されました。
こちらからぜひご覧ください。
https://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/library/the_tsunami_teacher.html
UNDPは日本政府協力のもと、津波被害リスクの高い学校の特定と緊急対応・避難計画の策定を行い、学校における津波啓発活動と避難訓練を実施しています。2017年の支援開始以来、23カ国373校の16万人を超える生徒、教員、学校管理者が津波防災訓練を受けています。また、専門機関監修のもと、 分かり易い教材が作成され、さらに現地言語に翻訳されて活用されています。また、指導者養成研修を通じ、12カ国349 校における職員のスキルを向上させ、コミュニティレベルでの備えと意識向上プログラムをさらに推進しました。2020年には、新型コロナウイルス感染症により数カ月にわたる休校が続き、学校の津波対策への取り組みに新たな課題が加わりました。中でも重要なのは、防災を多次元でとらえることと、コミュニティ全体を巻き込む必要があるという2つの点でした。コロナ禍における日本の対策に学ぶため、2019年に発行された地域ガイドの補足資料として、「コロナ禍と津波避難:学校管理者向けガイド(Tsunami Evacuation During COVID-19: A Guide for School Administrators)」が作成されました。
UNDPは貧困や格差、気候変動といった不公正に終止符を打つために闘う国連の主要機関です。170か国において、人間と地球のために総合的かつ恒久的な解決策を構築すべく、様々な専門家や連携機関からなる幅広いネットワークを通じ支援を行っています。
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