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今年で43回を迎える映画祭「ぴあフィルムフェスティバル」が、2021年9月11日(土)から9月25日(土)まで、東京・京橋の国立映画アーカイブにて開催されます。
第43回ぴあフィルムフェスティバル
日程:2021年9月11日(土)~25日(土) ※月曜休館
会場:国立映画アーカイブ(京橋)
ウェブ:https://pff.jp/43rd/
「第43回ぴあフィルムフェスティバル」は、8つ企画での構成されています。
●ナワポン・タムロンラタナリット監督特集 ~タイからの新しい風~
● ピーター・バラカン ナビゲート 映画と音楽シリーズ 「ブラック&ブラック」
● 祝!フィルマドリッド最高賞受賞記念上映 『おばけ』
● PFFスペシャル映画講座
● 森田芳光70祭~伝えたい、モリタを~
● 第27回PFFスカラシップ作品『裸足で鳴らしてみせろ』完成披露上映
● 熊坂出監督最新作 『プリテンダーズ』プレミア上映
● コンペティション部門「PFFアワード2021」
以上の企画の中でも注目なのは、世界初となるタイのナワポン・タムロンラタナリット監督の大特集です。
デビュー10年で、7本の長編映画を発表していナワポン・タムロンラタナリット監督は、軽やかな映画づくりでひと際輝く存在であり、その、独自の映画手法には国内外からの注目が高まるばかり。長編デビュー作『36のシーン』で釜山国際映画祭ニューカレンツアワードを受賞、続く2作目『マリー・イズ・ハッピー』はヴェネチア国際映画祭に出品、4作目『フリーランス』はタイ・アカデミー賞(スパンナホン賞)で 8部門を受賞。昨年、日本でも劇場公開された『ハッピー・オールド・イヤー』も記憶に新しい37歳です。
写真や SNS 等現代メディアを自在に駆使し、どこまでも自由にフィクションとドキュメンタリーを行き来する、この新世代監督は、日本の文化が大好きなことでも知られています。ぜひ、この新しい風を存分に感じてください。
★ナワポン監督から「第43回ぴあフィルムフェスティバル」の特集上映に際し、メッセージが届きました★
<上映作品>
『ハッピー・オールド・イヤー』(2019)
大阪アジアン映画祭でグランプリを受賞したナワポンの最新作。モノを毅然と捨てるヒロインが過去や情に絡め取られていく様が冷徹に描かれ、クール。『バッド・ジーニアス』のオークべッブ・チュティモンを主演に迎えた新感覚”断捨離”ラブストーリー。
『BNK48: Girls Don’t Cry』(2018)
AKB48の姉妹グループBNK48のドキュメンタリー。メンバーと競争することの難しさなどの主にインタビューで構成され、若い女性の言葉の洪水なところもそうだが、ラストにもナワポンらしい仕掛けがある。
『ダイ・トゥモロー』(2017)
ベルリン国際映画祭に出品のナワポン長編5作目。死の前日を俳優が演じるフィクション部分と、市井の人々の死に関するインタビューが交錯。「時間」の有限/無限に関するナワポン的映像遊戯。
『フリーランス』(2015)
フリーランスのデザイナー・ユンは徹夜仕事が続き、体じゅうに湿疹ができてしまう。病院に行くと新人女医が診察してくれ……。タイ・アカデミー賞8冠受賞のテンポのいいブラック・ラブコメディ。女医を『愛しのゴースト』のタビカ・ホーン(マイ=ダーウィカー ホーネー)が演じる。
『あの店長』(2014)
世界の秀作を集めた伝説の海賊版ビデオショップについて、関係者やタイ・ニューウェーブを牽引した監督たちが証言するドキュメンタリー。映画愛と海賊版問題からタイのある時代が浮かび上がる。
『マリー・イズ・ハッピー』(2013)
400を超えるツイートが女子高生マリーと親友スリのガーリーな生活を牽引していく。不思議なリズムとツイートで女子高生のリアルを形作っていく様が見事。ヴェネチア国際映画祭に出品された。
『36 のシーン』 (2012)
4映画製作現場を舞台に、36のワンショットによって記録=記憶の旅に誘われる。メディアへのメタ言説と詩情に溢れるナワポン節は初長編で既に健在。佂山国際映画祭ニューカレンツ部門最高賞受賞
「ハッピー・オールド・フィルムズ 1」(2010~11)
ビターで奇妙な味わいの自選中編3本。『MAYTHAWEE(11年)は、 』生徒会長候補の女生徒に関する毀誉褒貶が、インタビューやSNSで繰り広げられる。翌年初長編を撮るナワポンだが、手法は既に際立っている。
「ハッピー・オールド・フィルムズ 2」(2011~18)
ナワポン自選短編集。バンコクのデパート、セントラル・エンバシーのCMは、水原希子のアジア的な美しさとアシスタントのインターンの少女の語りの初々しさが相俟って、ナワポン的世界を作り上げる。
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