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映画「妖怪大戦争 ガーディアンズ」の公開を記念して2021年8月7日(土)、埼玉県所沢市ところざわサクラタウンで、「世界妖怪会議」が開催されました。「世界妖怪会議」は、日本と世界各地の妖怪を紹介し、妖怪の生きる道について活発なディスカッションをする催しです。
タイからは、タイ国政府観光庁(TAT)東京事務所セークサン・スィープライワン所長が挨拶し、神田外語大学外国語学部アジア言語学科タイ語専攻2年の久保野加奈子さんと谷中彩来さんがプレゼンテーションを行い、ナンナーク(メーナーク)という女性の妖怪を紹介しました。
イベントレポート
いよいよ8月13日より公開される、映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』の劇中にも登場する「ヤミット」を再現した「世界妖怪会議」が実施された。ヤミットとは、世界各地の妖怪たちが一堂に会する会議であり、劇中でも、日本のみならず、世界の妖怪たちが集う様子が描かれているが、今回の「世界妖怪会議」にも各国、各県の代表が集まり、各地の妖怪を紹介し、妖怪の生きる道について活発なディスカッションが行われた。
会場となったところざわサクラタウンのジャパンパビリオンホールには、映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』と舞台となった所沢市から、藤本正人所沢市長が狐面を着けて登壇。さらに映画の製作総指揮を務めた荒俣宏は「妖怪の道がない!これ(ステージへの階段)は人間の道だ、、」とステージをよじ登りながら登場。各国、各県の代表は、妖怪のコスプレや国を代表する衣装をまとってリモートでの参加となった。
会議の冒頭では、藤本市長による開会の挨拶が行われ、映画の舞台となった所沢が妖怪と縁のある土地であることを紹介。コロナ禍だからこそ、世界妖怪会議を通して人間とは何か、自然とは何か、日本とは世界とは、と思い起こしながら語り合えればと会議への思いをコメント。映画を見た後は、聖地マップを片手に所沢を訪れ、狭山丘陵や名所名跡をまわり映画の世界を堪能してほしいと語り、世界妖怪会議の開会を宣言。
続いて荒俣も、映画を作るにあたって一番考えたのは所沢のことだと話し、かつて武蔵野と呼ばれた所沢には、2万年の昔から妖怪がいたと所沢と妖怪の関連をアピール。さらに昨年大ブームになったアマビエに言及し、「令和は妖怪の時代です。(アマビエは)妖怪好きな人でも知らないですよ。そういうものが復活して、妖怪のご利益が重要視されるようなった。そういう時代の映画です。妖怪の文明を感じてほしい。」と話した。
開会宣言に続いて、参加者のプレゼンテーションがスタート。
岩手県からは達増拓也県知事が登場。遠野市のカッパ淵では「カッパ捕獲許可証」があればカッパを捕まえられることや、二戸市の緑風荘で有名な座敷童を紹介。さらに岩手の県名の由来は、悪さをしていた鬼が”もう悪さをしない”という誓いとして岩に手形を残したこと、それを喜んだ村人の踊りがさんさ踊りだと、現在も残る妖怪文化をアピール。柳田國男の遠野物語に描かれたような豊かな自然は今も残っていると語った。
これに対し荒俣も、「カッパの捕獲許可証持ってますよ。捕まえたことはないですが。絶滅危惧種だからあまり捕まえないでね。」とコメントした。
徳島県からは後藤田博副知事と徳島生まれの妖怪こなきじじいが登場。数多くの妖怪伝承地が残る、徳島西部・三好市山城町について紹介した。60種の妖怪と190か所の妖怪伝承地があり、児啼爺(こなきじじい)のふるさとであることを広く後世に残すために建てられた石像のほか、駅長である「木彫りの児啼爺」がお出迎えするJR大歩危駅、妖怪ヒダルガミをモチーフにした「ひだるラーメン」などの郷土料理、毎年11月に開催される「妖怪まつり」など町ぐるみで妖怪の伝承とPRに取り組んでいると語った。
続いて鳥取県からは平井伸治知事が鬼太郎のコスプレで登場、「ゲゲゲの知事太郎平井と申します」と挨拶。2005年公開の『妖怪大戦争』にも登場した妖怪・麒麟獅子を紹介したほか、世界で唯一妖怪の名前を冠した米子鬼太郎空港や、177体の妖怪ブロンズ像が並ぶ水木しげるロード、「ねずみ男駅」など駅名に妖怪の名前を付けた鬼太郎列車などを紹介した。荒俣は、水木しげるロードにブロンズ像が登場した当初を振り返り、23体だった妖怪像が117体まで増えた盛り上がりに触れ「妖怪が幸せを持ってくる証拠になりました!先進県ですね。」とコメントした。
さらに各国の代表もそれぞれの国に伝わるモンスターについてアピール。
タイのプレゼンでは、冒頭にタイ国政府観光庁東京事務所 所長のセークサン・スィープライワン氏が「ロマンチックな妖怪を紹介します。」と挨拶。プレゼンテーションは神田外語大学 外国語学部 アジア言語学科 タイ語専攻 2年の久保野加奈子さん、谷中彩来さんが行い、ナンナーク(メーナーク)という女性の霊を紹介。夫が戦争に出征している間に難産で子供と共に死んでしまった妻が、死んでなお夫の帰りを待ち続けたというエピソードは、今でも語り継がれ、実際に彼女の墓があるマハープット寺院は観光地としても有名で、この話をモチーフにした数多くの映画も存在するとアピールした。実は怖い話でもあると紹介した荒俣だったが、映画にすることで悲しい話として定着した例だと語り、「妖怪大戦争もナンナークを超えよう!」と意気込みを見せた。
※イベントの模様は、8月13日(金)より、Youtube KADOKAWA映画チャンネルで公開予定
https://www.youtube.com/channel/UCHjj-qlJhYWDacFwnaewV6Q
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タイの代表的な妖怪として紹介されたナンナークがモチーフで、日本でも2014年に劇場公開されたのが「愛しのゴースト(原題 ピーマーク・プラカノン)」。マリオ・マウラーとマイ・ダーウィカー(ナンナーク役)が主演し、タイでは歴代興行収入第1位という大ヒット作品でした。
タイの妖怪といえば本サイトでも以前、シマモトヒロミ氏によるタイの妖怪のイラスト集「泰國妖怪画集」を掲載していました。わずか4回で終了してしまいましたが、この機会に是非ご覧ください。
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