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2020年9月20日(日)から9月24日(木)まで開催されるアジアフォーカス・福岡国際映画祭2020で、タイのアノーチャ・スウィチャーゴーンポン(อโนชา สุวิชากรพงศ์ Anocha Suwichakornpong)監督特集が実施されます。
アノーチャ・スウィチャーゴーンポン監督は、タイの短編として初めてカンヌ国際映画祭に招待され、初長編はロッテルダム国際映画祭でタイガー・アワードを受賞するなど、世界のアート・シネマを牽引する女性監督。2017年の第26回スパンホン賞では「暗くなるまでには(ดาวคะนอง By the Time It Gets Dark)」で最優秀作品賞と最優秀監督賞を受賞しています。(参照 「ダーウカノーン(暗くなるまでには)」が最優秀作品賞を受賞![第26回スパンナホン賞])
アジアフォーカス・福岡国際映画祭2020の特集では、長編全3作とアジアフォーカス・福岡国際映画祭のために自選した短編集が上映されます。
Krabi, 2562
2019年/イギリス、タイ/93分
[上映日時]20日(日)12:30、22日(火・祝)14:45
自由に切り取られフローしていく
ゆるやかな時間と風景、そして記憶
イギリス出身のアーティストと、タイのアノーチャ監督による共同監督作品。リゾート地としても人気のタイ南部の町クラビを、1人の女性がロケハンに訪れるという設定を通して、クラビの街、自然、人々の日常が切り取られていく。フィクションとノンフィクションのフレームを自在に行き来しつつ描かれる空間や記憶。その独特の浮遊感が心地いい。
https://www.facebook.com/krabi2562
ดาวคะนอง By the Time It Gets Dark
2016年/タイ、オランダ、フランス、カタール/105分
[上映日時]21日(月・祝)12:30、23日(水)12:30
ひとりひとりの記憶が歴史を紡ぐ
刺激にあふれた映像詩
2017年の本映画祭で紹介した長編2作目。ある女性監督が脚本執筆のリサーチのため、70年代に学生運動家だった女性にインタビュー取材をする。1976年、学生運動が武力により鎮圧された事件、ひとりの女性の変遷、将来を嘱望された男性アイドル、さまざまな要素がモザイク状に組み合わされていき、記憶と空間が交錯し絶妙なコラージュを見せる映像詩。
https://www.facebook.com/daokhanongmovie/
เจ้านกกระจอก Mundane History
2009年/タイ/82分
[上映日時] 20日(日)17:00、24日(木)12:45
日常生活は歴史となり、輪廻する
静かな毎日に“生”の意義を問う
2010年の本映画祭で紹介した長編映画デビュー作品。エークは事故で下半身不随となった。介護士のパンが雇われ、屋敷の2階で暮らすエークの世話をする。自らの負の感情から脱する事ができず、エークは常に不機嫌で、父親とも口を利かない。淡々とパンとの時間が流れていく。エークはパンと交流する中で、次第にその精神世界は解き放たれていく。
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Anocha Suwichakornpong Shorts
2006-2020年/タイ/91分
[上映日時] 21日(月・祝)10:00、24日(木)17:30
アノーチャ監督の世界観が凝縮された
選りすぐりの短編7本を上映
監督デビュー作『グレイスランド』(06)は、タイの短編映画初のカンヌ国際映画祭公式出品作。夜のバンコクで出会った男女の一夜を描く謎めいた作品だ。他に、工場の女性労働者たちに関する映画撮影現場を舞台にした『Jai』(08)、2030年のメコン川をテーマにしたオムニバス『MEKONG 2030』の1本『The Line』(20)など、いずれも監督ならではの自由な映像話法が光る。
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