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タイ政府が中国政府と進めている、バンコクとナコーンラーチャシーマを結ぶ高速鉄道の建設について、タイ政府は交渉が大詰めの段階に入ったことを語りました。
タイが中国と進めているバンコク~ナコンラチャシマの路線とは、もともとタイ政府は中国政府とバンコク~ノンカイの路線を検討していましたが、その交渉が難航したことから、やむなくその一部区間としてナコンラチャシマまでの総延長約253キロを建設するという計画となった路線です。以下に、PJA NEWSの過去記事を引用します。
■タイ高速鉄道で唯一実現性の高いEEC路線、政治と現実に隔たり|PJA NEWS
「中国との交渉では、路線はタイの地方都市ノンカイへの路線であり、巨額の赤字が見込まれた。
このためタイ政府は、中国政府に6割の負担を求める共同出資で特別目的会社(SPV)をタイに設立し、共同開発をする提案をして中国側の負担を求めたが(2016年)、中国側はこの共同出資の提案を断った。
その後はタイ政府は低利での融資なども含めて中国政府に提案したが、中国側は低利融資も断り、交渉は長らく紆余曲折を経て難航した。
2017年7月、タイのプラユット政権はやむなく上記の一部区間であるバンコク~ナコンラチャシマの総延長約253キロ、全6駅、総投資額見込み1,794憶バーツを、タイ政府の投資で建設する計画を閣議で承認。中国技術による高速鉄道を、タイの投資で建設する計画となった。」
このバンコク~ナコンラチャシマ路線について、タイ運輸大臣は、中国との交渉が大詰め段階に入ったことを語りました。タイ現地大手英字メディアのBangkok Postが伝えています。
■Key Thai-Shino railway talks “wrapping up”(タイと中国の鉄道協議が大詰めの段階に)|Bangkok Post
報道によると、タイのアーコム運輸大臣は今月の2月27日から3月1日まで中国の北京で行われる中国政府とタイ政府との会議で、この路線について交渉の予定であるとしています。契約がまとまれば、来月の3月に契約の締結が期待され、建設を含む契約は5月に締結が期待されていることを語りました。
しかしながら詳細な条件等はいまだ交渉中であり、アーコム運輸大臣は「我々は交渉においてタイの法律を支持して対応をしています。中国は、ほとんど責任を共有しないという多くの提案をしてきましたが、我々はそれに同意できないので、現在も協議は継続しています。」と語っています。
上記が報道されている概要です、報道では他に、交渉している各条件のより詳細な内容などが書かれています。
来月の選挙前の発表ですので、タイ政府としては、政府としての成果を早く強調したいという思いもあるものと思います。
しかしながら、このバンコク~ナコンラチャシマ路線は、タイの中でも平均世帯年収も低く、住民も少ない地方とを結ぶ路線のため、完成後は当分の間は赤字が予想されています。その赤字の負担をどうするのかの議論で中国政府、タイ政府ともに交渉は難航し、長期間にわたり進捗がほとんどありませんでした。
今月末からの北京での交渉で、このどのような進展があるかに注目が集まります。
この路線の協議の進展は、他のタイ高速鉄道の路線へも影響しそうですね。
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