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アジアの子ども延べ40万人の中学就学を支援してきた公益財団法人 民際センター(代表理事:秋尾晃正)は、職業訓練高校への進学を目指すタイの子どもを支援する奨学金制度を新設、1月15日より支援者の募集を開始したことをお知らせします。
■アジアの子の中学就学を支援する「ダル二―奨学金」
「ダルニー奨学金」制度は、経済的貧困で中学校教育を受けられないアジアの子どもたちの中学校入学から卒業までを支援する、国際教育里親システムです。1日40円(年間14,400円)で、子どもたちの教育支援をすることができます。支援者には支援している子どもを、子どもには誰が支援しているのかをレポート等で伝える”顔の見える教育支援”を特徴としています。2017年に30周年を迎え、現在までに400,000人以上の子どもたちの中学就学を支援してきました。
◼世界の教育は次のステージへ
2000年に国連のサミットで採択されたミレニアム開発目標(MDGs)では、2015年までにすべての子どもたちが、男女の区別なく初等教育の全課程を修了できるようにすることをゴールとする「普遍的初等教育の普及」が掲げられました。その結果、若者(15~24歳)の識字率は、83%(1990年)から91%(2015年)に向上したことが報告されています。
2015年9月には、MDGsの次なる目標として持続可能な開発目標(SDGs)が採択されました。国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成する目標として「質の高い教育をみんなに」が掲げられています。世界共通の目標として、初等教育だけでなく、技術教育や職業教育を含む上位の教育段階に目が向けられるようになりました。
⺠際センターのダルニー奨学金では、従来から取り組む中学校(前期中等教育)への進学支援に加え、今後は、さらに上位の教育段階(職業訓練高校)への進学支援に取り組むことを決定しました。
■職業訓練高校への進学支援開始
貧困を脱却するには、専門的知識や技術を身に着け、就職する必要があります。しかし、中学校や高等学校(普通科)では、技術の習得に限界があることから卒業後に選択できる職業は限られており、貧困脱却まで至らないケースが発生しています。中学校を卒業した後、多くは農業や⽇雇いの仕事に就いているのが現状です。職業訓練高校への進学機会の提供により、職業選択の可能性を広げ、貧困脱却を支援します。
■支援募集 概要
職業訓練高校への進学支援という新しい試みを経済的格差が広がりつつあるタイから募集します。タイでは普通⾼校の他に、専⾨的知識や技術を学べる職業訓練⾼校があります。3年間通うことにより、仕事に必要な知識や技術を習得することができます。
民際センターが奨学金制度を開始した最初の地域でもあるタイのウドンタニ県から、職業訓練高校の進学希望者8名を1期生として選定しました。ウドンタニ県は、農業が中心である東北タイでは珍しく、商業の都市として農業以外の仕事に就く受け皿がある地域です。
・支援対象 職業訓練高校(IT/会計学など)に進学する1年生から3年生
・支援金額 35,000円/1人/1年
・支援方法 卒業までコース※(3年間)
※3年分一括でのご支援か、毎年のご支援かお選びいただけます。
・奨学金の支給方法 生徒名の預金通帳に奨学金を振り込みます
・報告書の送付 毎年夏(8月末日まで)に、報告書(奨学金証書と子どもの写真)をお送りします。
特設ページはこちら
http://www.minsai.org/news/vocational1?pr
■支援候補者のご紹介
職業訓練高校への進学を目指す8名をご紹介します。
1. Ms PAWEENA INTRACHA (TOEI)
希望分野︓コンピュータサイエンス/IT
私の名前はPaweena Intracha(15)です。私は今祖⺟と叔⽗、姉と⼀緒に暮らしています。私たちにはあまりお⾦がなく、農業で⽣計を⽴てています。私は職業訓練⾼校で、コンピューター/ITについて学びたいと願っています。そうすれば、仕事が得られ、家計の負担を減らせると思うからです。 5-10年後の将来、⼤きな家を⼿に⼊れて、有名な⼤会社で良い安定した仕事を得たいと思っています。
2. Ms KAMOLRAT RUEANGKHAJORN (KING)
希望分野︓コンピュータサイエンス/IT
こんにちは。私の名前はKamolrat Rueangkhajorn(15)です。今は祖⺟と2⼈だけで暮らしています。お⾦はあまりなく日々なんとかやりくりしています。休みの時には頻繁に家事をして祖⺟のお⼿伝いをします。仕事が出来れば家計の負担を減らすことができるので、職業訓練⾼校でコンピューター/ITについて勉強したいと願っています。5-10年後には⼤きくて有名な会社で然るべき⽴場に⽴った仕事をしている事、⼀般的にいう全うな仕事をし、全うな⽣活をしていたいです。
3.Ms KANLAYANEE UPPAKARAT
希望分野︓会計学
こんにちは。私の名前はKanlayanee Uppakarat(15)です。⺟は⼯場で働いていて、⽗は⽇雇労働者です。祖⽗は稲作農家です。姉Kanittha Uppakaratは、⾼等職業訓練認定に向け、1年⽣として勉強しています。私は姉と祖⽗と⼀緒に暮らしています。宿題をして、⾃由な時間にはスポーツをします。卒業したら就職でき家計の負担を減らす事が出来ると思うので、職業訓練⾼校で勉強したいです。姉から職業訓練⾼校の学⽣⽣活について聞きました。⾃信が持てるようになるための指導や新しい⼈に会う機会があるとの事で私も気に⼊ると思います。ただ、学費や⽇々必要になる経費を⼗分に賄えない事が⼼配です。5-10年後には就職することが⽬標です。
4. Ms PORNNAPA THONGDEEKIEW
希望分野︓会計学
こんにちは。私の名前はPornnapa Thongdeekiew(15)です。⽗は私が⼩学校2年⽣の時に亡くなりました。今は⺟と姉と⼀緒に暮らしています。私たちは農業で⽣計を⽴てています。余暇には⺟の家事を⼿伝っています。私は職業専⾨学校で勉強する事を希望しています。なぜなら卒業後に就職ができ家計の負担を減らせますし、それが職業訓練⾼校の良いところと思うからです。姉から職業訓練⾼校で学⽣⽣活について聞きました。私がしらない新しい世界で、新しい⼈たちと出会うので、気にいると思います。⼼配なのは 学費を払う⽤意が⼗分にない事です。
5.Ms PANJILA SRIBUALA
希望分野︓エンジニアリング
こんにちは。私の名前はPanjila Sribualaです。私は、⽗⺟と3⼈で⽣活しています。⾃由な時間には姪/甥のベビーシッターと家事をします。私は職業訓練⾼校に進学することに決めました。なぜなら、卒業直後は仕事に就くことができ、就職先を懸命に探す必要がないからです。仕事が得られたら家計の負担を減らすことができます。5-10年後には、恐らく仕事を得て⾃分で⽣計を⽴て、両親の借⾦ 返済を⼿伝えるようになっていたいです。
6.Mr KRITSANA PILASAEN
希望分野︓コンピュータサイエンス/IT
こんにちは。私の名前はKritsana Pilasaenです。私は最初の⼦供です。今は祖⽗⺟と⼀緒に暮らしています。稲作と養鶏で⽣計を⽴てています。職業訓練⾼校に通学すれば、卒業後は仕事に着くことができて家計の負担を減らせて、実地経験が得られることが良い点だと思います。職業教育の事を少し調べたらやる気を感じました。ただ、必要経費を⼗分にカバーできない事が⼼配です。5-10年後、私は⾃分の夢の仕事、やりたいこと、能⼒を⼗分に使ってできる範囲で安全な仕事をしている事を思い描いています。家族をサポートするのに⼗分な収⼊を得ることもできます。
7.Ms PONGPRAPA PROMSRICHA
希望分野:コンピュータサイエンス/IT
こんにちは。私の名前はPongprapa Promsrichaです。現在中学校3年⽣として勉強しています。祖⺟、⺟、そしていとこの3⼈で⼀緒に住んでいます。私の両親は別れています。私たちはかなり貧しいです。⾃由時間には家事をして⺟を⼿伝い、電話で遊んでリラックスしたり、収穫時期には⺟と祖⺟側の親戚を⼿伝ったりします。職業訓練⾼校での勉強を続けることを決めた理由は、新しい事に触れて経験や体験を積み、試⾏錯誤しながら学んで新しい友⼈を作る事が出来るからです。職業教育の⻑所と短所はそれぞれ場合によると思います。私にとっては、⼀旦何かをすると決めたのであれば、それが順調だろうが⼤変だろうが、やると決めたのですからただ実⾏あるのみです。先輩達から職業訓練⾼校の⽣活について聞きましたが、沢⼭の課題があ るので楽しいけど⼤変だと⾔う⼈や、別の先輩は、やることが多すぎて余裕が持てないとの事でした。まあ、私が聞いたのは以上です。私が気に⼊ると思う点は、友達と同じ場所で勉強を続けられる事と好きなことを勉強できる事です。そうですね、履修過程で卒業できないのではないか、何かしらの問題に直⾯するのではないか、という事を少し⼼配しています。卒業後はフルタイムの仕事をして家族をサポートするのに⼗分な貯蓄をし、両親の夢を実現して私の事を誇りに思ってほしいです。勉強を続けることができれば、私の家族と将来のキャリアは確実に変わります。
8.Ms PLAIFA SRIBUNRUEANG
希望分野:会計学
こんにちは。私の名前はPlaifa Sribunrueng(15)です。私は祖⺟と叔⺟と⼀緒に暮らしています。⿂や鶏を飼育して⽣計を⽴てています。職業訓練⾼校を選んだのは、職を得て家計の負担を減らすことができるからです。それが職業訓練⾼校で学ぶメリットです。さらに、実地研修ができます。姉から学⽣⽣活について聞き、私も気に⼊るだとうと思ってやる気を感じます。そこでの⽣活は刺激があり楽しそうです。⼼配なのは費⽤を賄う事ができない事だけです。奨学⾦を受け取ることができれば、夢を実現し、明るい未来を築くことができ、私の家族を⽀えるための全うな仕事を得て、私が夢に描いた⾼等教育を受け続けることができるようになります 。
(支援する子どもの希望を承ることはできませんので、あらかじめご了承ください。)
◼今後の展望について
タイのウドンタニ県で職業訓練高校への進学支援の施行を続け、教育行政、学校、村人を巻き込んだ奨学金制度として確立させた後、タイ全土を含むアジア5か国での実施を目指して参ります。
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