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2012年3月4日、バンコク市内でジャーナリストの福留巧男(のりお)さんにお話をお伺いしました。45年に渡って「数え切れないほど」タイを訪れ、近代化されていくこの国の様子をつぶさに見て来られた方です。
——今回のタイご訪問の目的は?
福留さん:まず、3月11日に行われる『タイジャパン・チャリティマラソン』(http://www.jaat.or.th/marathon2012/)のPR活動。懇意にしているスタジオ・ジブリがデザインしたTシャツを参加者に販売し、収益から原価を引いた額が東日本大震災とタイ洪水で苦しんでいる子供たちに使われます。皆さんドンドン参加して下さい!Tシャツ購入だけでも結構です、道も混むし、むしろその方がいいくらい(笑)。
でも、僕は主催者ではなく、あくまでオブザーバーです。東日本大震災の際、どの国より早く援助の手を差し伸べてくれたタイに対して、感謝の気持ちを伝え、何とか恩返しをしたかったんです。
——マラソンが終わった後のイベントで、素晴らしい物を発表されるそうですね?
福留さん:タイの国民的歌手、バード・トンチャイさんが震災後すぐに作ってくれた応援歌「Thai for Japan」。この曲のお陰で莫大な額の義捐金が集まり、日本も励まされました。それに対する返礼として、バードさんの同じ曲を使ったビデオ・クリップを作ったんです。この1年間で被災地の様子、そして、タイでも洪水が起きて今一緒に頑張ろうよ、人生は素晴らしいんだというメッセージを3分45秒で表してみました。
[Official MV] Thai For Japan : เบิร์ด ธงไชย แมคอินไตย์
——(ビデオを観終えて)これは、感動しますね…。動画ではなく、スチール写真を使って人々の一瞬を見せていき、台詞は一切なし。出てくる言葉はたった2つだけ。
福留さん:使っている2つの言葉は東日本大震災の遺児の子たちの物なんです。自画自賛ですがど良い出来だと思います!タイ語字幕の編集、今朝の6時までやっていたんです。
東日本大震災もタイの洪水も動画は腐るほど撮ってあるんですよ。現地でずっと取材していましたからね。でも、沁みるような絵の作り方を考えたとき、あえてこの手法を取ることにしたんです。題名は「Thanks Thai from Japan」。イベントで発表した後、タイのTV局でも流して貰おう予定になっています。
——東日本大震災に関して、もう一つ進められている物があるそうですね?
福留さん:被災地の物が風評被害で売れなくなっていますよね。日本酒離れで売り上げが年々少なくなっている酒造会社にとっては追い討ちをかけられたようなもの。それなら販路をタイに広げれば良いと、いろいろ動いてみたんです。結果、3月22日に大使館でタイ各界の人々を招いたお披露目会、翌日にはコンラッド・ホテルで試飲会が行われる予定になりました。こちらも被災地が元気づくように広がれば嬉しいですね。
本日は貴重なお時間ありがとうございました!
(2012年3月5日掲載)
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