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“Fagiano岡山”のOB戦の話が来た時は、タイに住んでいる手前正直現実的では無いなと感じていた。Jリーグを目指すとしてチームが生まれ変わってから10年、年齢や膝の事を考えて”今が最後のチャンスなんじゃないかな”と思っていた俺は、段々と”行きたい”気持ちが強くなっている事を隠すのに必死となっていた。そのことに気付き、俺の背中を押してくれたCreer fcのスタッフのみんな…俺は行く先々でチームメイト(!?)に本当に恵まれていると感じる。
首の座っていないKirariを抱っこして入場してから10年が経つ、あの時は様々な人達に怒られたっけ。家族を連れて行きたい気持ちはあったけど、家族には先行の予定があったので泣く泣く独りで行く決断をした。
皆さんご存知の通り、タイ国王様がご崩御された。そして月末のテロ予告…タイ国内ではイベントを慎む傾向にあり黒や白の服に身を包んだ人達があふれている。この事態に過敏に反応しているのは周辺諸国の様に感じる。このような風潮を受け、家族の先行の予定がキャンセルとなった…。
忙しい週末のレッスンや業務の引き継ぎに追われていた深夜23時、家内から1本の電話が入った。「家族で岡山に行こうと思うんだけど…」
独り身だし宿は何とかなると思い、行き帰りの航空チケットだけは早めに手配を済ませていた。家に帰りそこから家族の飛行機の手配、ホテルの予約を始め全てを終えたのが出発当日の早朝4時を過ぎていた。無茶な段取り、しかし家内も「桃スタ(現シティライトスタジアム)を駆け回る俺の姿を子ども達に観せる最後のチャンス」と思った様だ。
「行って来ます」…家族とは関西国際空港で待ち合わせ、一足先に俺は家を出た。やたらと英語で話しかけてくるぼったくりタクシーに乗車してしまい、出発から直ぐに降りる羽目となる怪しいスタート。嫌な予感…それは直ぐに的中した。スワンナプーム空港に付きチェックインカウンターへ向かうと直ぐに張り紙が目に入った。到着遅れ、時間は目途が立たないという(後に台風の影響であったことが判明)。「マジか、今日発ちたいんだけど」と掛け合うも「23時の便…もしくは明朝」なんて言いやがる。キャンセル料は取られないというので、駄目元で家族が乗る便をスマホで調べる。「おぉ、まだ(チケットが)取れる」とそのまま予約を試みる…何故だx3!?、全て情報を入力するも”購入”ボタンが押せない。何度トライしても、サイトを変えてもダメ…”購入”から先に進まないのである。そんな矢先、家族から”出発しましたメール”が届く。家族が利用するのはもう1つの国際空港ドンムアンである。
空港受付で”○○航空のサービスカウンターってある!?”と聞くも、何故か英語で「No」という変な返答。搭乗予定であった航空会社のカウンターに戻り、「○○航空のチケットを取ってくれ!!」と泣き寝入り、そしたら○○航空のサービスカウンターに連れてってくれるという。空港受付の「No」って何だったんだ!?
チケットは無事手配出来たんだけど、時間が無いから「空港間のシャトルバスがあるんだけど、タクシーで行け」と言われるがままに乗車。そこから渋滞に嵌るし携帯の充電が無くなるし…マジ付いてねぇ。
やっとこさドンムアン空港に到着、驚く子ども達を後目にチェックインを済ませイミグレへ。Re-entry Visaの担当員が凄く親日家でね、超感じの良い人だったぁ。タイの選手時代にVISAの問題で苦労しているから、イミグレの役員は先入観からみんな悪い奴的な印象をどうしても持ってしまう俺、”イミグレの人がみんなこのような感じの良い人なら善いのにねぇ”と家内と何度も何度も頷き合った。
そこから6時間のフライトを終え土地勘の無い大阪梅田で一泊することに…人の好さそうな方に話し掛け「ファミレスに連れてって下さい」とすがる。サイゼリアに入ったんだけど、タイに慣れてしまっているからなのか、丁寧な店員の応対が嘘っぽくみえてしまってならなかった。ファミレスで携帯の充電をしてホテルにチェックインするために移動、日本のコンビニって便利ですね…Wifiが使えた。地図を頼りにホテルには深夜1時過ぎに到着。死んだように爆睡する伊藤家ファミリーなのであった(続く)。
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