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第294回 中学生年代を指導していて、我思う -いとたくバンコク指導記-

2016年8月6日 配信

第294回 中学生年代を指導していて、我思う -いとたくバンコク指導記-

タイではプロリーグがリーグ戦やらカップ戦やらで連日盛り上がりを見せている。更にタイ代表も9月に日本代表とワールドカップ予選で激突するという事で、兎に角サッカーの話題に事欠いていない状況。そして育成年代も環境整備が着実に行われている印象を受ける。Thailand Youth Leagueの発足もその1つ、U-19, U-17, U-15, U-13のそれぞれの年代でプロチームの下部組織がリーグ戦をして行きますという日本でいうプリンスリーグの様な意味合いのもの。益々在タイ中の日本人中学生との実力が離れて行ってしまうのではないかと感じているのは俺だけでは無いのではないか。

Creer fcは今シーズンより新設されたThai Academy Leagueに参戦している。リーグ戦はHOME&AWAYで行われ、数試合は遠征となる。このリーグを通じてタイの色々なサッカー環境に触れ、試合やチーム間交流が出来て選手達の経験値が上がり成長へと繋がると考えているのであるが…まぁ結果が出せていない。Creer fcはまだまだ小さなクラブなのでね、ポジション争いの末スタメンを目指して練習に励む環境とは行かず、”選手が足りないので助っ人を…”なんて他クラブにお願いしている現状は、正直情けなく感じる。

Creer fc以外でも中学生年代の指導の場を与えて貰っている。でもここでは本当に”上手くなりたい”とトレーニングに参加している選手は数える程。100%でプレーしないし、辛いことから直ぐ逃げようとする。「なんでだろうなぁ!?」って指導しながら”ず~っ”と考えていた。

俺は高校は別にサッカーで選んだ訳では無かった、たまたま入ってみたら強かったという。大学は関東2部リーグを選択、1部リーグでは生き残れないと思っていたから。社会人でJFL(アマチュア)を選択したのも自分の力に自信が持てず、でも全国レベルの戦いの場でプレーしたかったから。今思うと…”トップリーグじゃないから、アマチュアだから”と負けた時の言い訳をしていた様に感じる。

引退を考えていた時にFagiano岡山に拾って貰った。だから退路を切ってプロの世界に飛び込んだ。もう前を向きながら進み続けなければいけない状況。渡タイを決断したのも似たようなもの。

だから”熱く熱苦しい指導”は続けて行かなきゃいけないのかなって感じる。例えそれが数人にしか響かなくても、刺さらなくても…そして俺なんかのショボいキャリアを簡単に越していってくれる選手をここタイから育て続けて行かなきゃダメだなってね。

第294回 中学生年代を指導していて、我思う -いとたくバンコク指導記-

伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
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