第289回 息子よ、親父にムキになれっ!! －いとたくバンコク子育て記＆指導記－

我がCreer fcはタイで新設された中学生世代のリーグ戦”タイアカデミーリーグ”に参戦している。Home&Awayで行われる長期リーグ戦、6月5日(日)にリーグ第4節のホームゲームが行われた。

このリーグ戦は各チームの交流目的も有り、この日は中学生の他U-8, 10, 12とメンズクラスの試合が行われた。

Awayの地を訪れるとタイ料理を準備してくれているチームが殆ど。だから今回は”たこ焼き”を用意し｢おもてなし｣。”たこ焼き”を1,000個、選手や親御さん達に手伝って貰い試合そっちのけで只ひたすら焼いていた。

最初に行われた試合はU-8、我が息子Rionが出場。息子がU-8アカデミーチームに参加したのは1年生の時、正直人数合わせ的な要素があった。でも2年生になり一皮むけて欲しいと感じていた。身体が小さいんだけど、スピードはピカイチ。だからある試合時のハーフタイムに｢いちいちボールを止めないで、スピードを活かしてゴールへ向かい続けろよ｣と自主練させた。そしたらその試合でU-8アカデミー試合での初得点をマークした。喜びを爆発させるRionを見て正直泣きそうになったね。それからRionは連続得点を続けている。

メンズクラスの試合には俺も出場、Creer fcコーチ陣は皆元プロ選手なんでね…ましてや選手達を前に負けるわけにはいかなかった。なんか数年前のCL”バルサvsチェルシー”みたいな展開になったけど、ポゼッションされたボールを奪い一気にゴールへ向かう事で完勝した。

帰り道の車にて、｢Rion、今日どうだった!?｣と聞くと、｢今日も1点取ったよ!!｣と嬉しそうに報告してくれた。先週の試合で得点した時は｢GKが前に出てたからパスを受けてシュートした｣と一丁前の発言。この日は｢GKのパスをカットして押し込んだ｣とのこと。この日は課題であるディフェンスも頑張っていたので、｢Rion、確実に上手くなるよ｣と俺には珍しく褒めてあげた。

｢まぁ俺は(今日の試合で)2点取ったけどね…｣と一言、そしたら｢キィ~ッ｣とムキになるRionが可愛い。

俺はRionを選手として認めていることがある。自分の得点のみならず、チームメイトが得点すると自分の事の様に喜びを爆発させ祝福するんだよね。自分の感情を出すのが苦手な大人しい選手がバンコクの日本人選手に多い中、これが出来る選手は貴重に感じる。その姿が自分の息子だけど…35歳年下だけど、俺の目には凄ぇ格好良く映る。でもまだまだ満足して欲しく無いからね、ちょいちょいと嫌味を交えつつ親父に対して｢キィ~ッ｣となり、練習に励んでもらえたらと感じる。