2015年9月7日掲載
殆どのジュニア世代のバンコク滞在日本人選手達は2~3年で去って行く。だけど長期の休み等を利用してクラブに遊びに来てくれる教え子達が結構居るんだよね。だから彼らがフラッと立ち寄れるようなクラブハウスを作りたいし出来ればグランドを持ちたい…ここバンコクでは夢なのかも知れないが、この夢を追い続けたいと思っている。
俺の地元埼玉県はサッカー王国、常に覇権争いをしている浦和レッズをはじめ、J2で独走中の大宮アルディージャとJのビッククラブが存在する。浦和・大宮と並ぶ大都市である川口市、この地で”Road to J”の活動をしているAventura Kawaguchiを視察した。自分のバンコクでの…そして指導者としてのヒントが得られるのではないかということでね。
“Aventura Kawaguchi”は現在埼玉県社会人リーグに所属。川口市青木公園陸上競技場を活動の拠点としている地域密着型総合スポーツクラブ。トップチームの他にジュニアユースチーム、ジュニアチームがあり、サッカースクールも行っている。サッカーだけでなく女子フットサル、陸上、チアダンスとチームを持っていて、Jリーグチーム立上げ委員会も発足されたという本当にこれからが楽しみなクラブなのである。
俺が今回視察させてもらったのが、U-15とトップチームの練習。練習を見ながら長岡修クラブ理事長と田中真二監督とお話をさせてもらった。川口の地で問題となっているのは練習グランドと試合会場の確保。ナイター設備を持つ天然芝または人工芝の施設を確保することは日本やタイ、どの地でも難しいこと。あとはクラブや応援してくれる地域の人々の想いを選手達がどこまで理解しピッチ上でのプレーは勿論の事、ピッチ外でも発信表現していけるかなのかなと…。
田中真二監督の練習は、動きながら広い視野で考えるものが多く、見ている俺も楽しませて貰った。通称パオさん、大塚製薬/ヴォルティス徳島やバンディオンセ神戸の監督時代に俺は佐川急便東京やファジアーノ岡山で何度も対戦した因縁(!?)がある。とにかくチームのために走れる選手を育てる監督だなとの印象を持っていたが、なるほど納得の練習内容であった。自分の監督としての集大成、地元クラブを成長させることに尽くしている…そのような熱さが感じられた。
クラブや選手間で交流をしていく事で、長岡理事長と”川口とバンコク”を繋いで行きたいねと話し合った。Creerの選手達を川口へ遠征を視野に入れて活動していきたいし、遠征の際トップチームの試合観戦も出来れば良いね。Aventuraのバンコク遠征受入をお手伝いしていけたらとも思う。夢の先の形は違えど”クラブ作り”に関して…多いに勉強でき想像を膨らませられたひと時であった。
伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand