2015年8月6日掲載
各学期ごとに、毎日時には厳しい練習に耐えてくれている選手達への息抜き的な、しかしその土地土地の風土に触れられローカルチームとサッカー交流が出来るキャンプを企画させて貰って早3回目を迎える。今回はカンチャナブリ・ラチャブリ・サッカーキャンプと題して歴史と自然に触れられる旅をテーマに7月30&31日に合宿を行ってきた。
折角だから移動着を揃えたいなと思い、我がサッカースクール主催のThai-Japan Cup記念T-shirt(の余り!?Regista製品である)を選手達に配り、2日間全員同じ格好にて行動。この見栄えが格好良くてね、これは続けて行きたいなと感じた。
歴史:俺自身も興味があったカンチャナブリの”戦場にかける橋”、ちなみに俺の親父は2010年時に来タイした時に洪水の影響で訪れられなかった場所である。映画自体は観たこと無かったので、行きのバスにてDVD上映を行う事にした。Bangkok中を探し回ったんだけど、残念ながら今回のDVDは英語。でも選手達は一生懸命鑑賞をしてくれていた。最後に橋が爆発するシーンにみんな感慨深げ、小学生低学年の選手から「日本軍って…」という意見も出る程であった。
実存するカンチャナブリの橋は鉄橋であったし突っ込みどころは満載であったが、あえて選手達には伝えずにみんなで向こう岸まで線路沿いを歩き橋を渡った。そこで珍事件が起きる。現在この橋を使い滝までの運行を続ける電車が、選手達が橋を渡り終える前にやってきてしまったのだ。橋には電車をよけるサイドステップがあるのでそちらに避難して電車を見送ったが、手を伸ばせば届く距離を走行する電車に選手達は大興奮であった。
その後博物館に移動、当時日本軍が使用していた移動用の車やバイク、鉄砲や捕虜を運んだ貨物車の展示を見ながら、「戦争は何のためにやるのか」と向き合っている選手達に関心させられた。
自然:2日目は”今学期の疲れをとるぞっ”という事で温泉へ…タイの人達は人前で全裸にならないので、水着とラッシュガードを着用。”疲れをとる”なんて目的意識、選手達からは残念ながら微塵も感じられず、泳ぐ×2。水中眼鏡持参の選手なんてのもいたからね。更にコーチ対選手達の相撲大会が突如始まり、地元のタイの人達の興味津々の眼差しの中、自然の中の温泉にてキャッキャキャッキャとはしゃぎまわったのでありました…自然を堪能することに関しては目的を果たせずだったかな。
サッカー:両日とも地元チームと試合を行った。中学生の参加が少なく、我がチームはコーチ3人がプレーしたり、U-12では4年生が…U-10では3年生が主体のチームとなったが、いやはやどうしてAcademy選手でない選手達の頑張りも有り各カテゴリー公式戦さながらの試合を展開。この合宿では規律に重きを置いていたので、挨拶と清掃を徹底して意識させて行動した。更に宿舎に帰ってからは紙を配り「試合についての感想」を書かせ提出、それに対してコーチ陣が選手個々人に対して今後取り組んで貰いたい課題を中心にコメントを記入し返却しました。この紙がサッカーノートを今後記入していく切っ掛けとなってくれれば良いのだけれど…。
初日夜にBBQを食べたり帰国する選手の卒団式をやったりと盛り沢山の内容で選手達に楽しかったと行って貰えたのが嬉しかったね。帰りのバスの中で選手達はお菓子パーティーをしたり、最後まで大騒ぎであった。
「ホテルの部屋にカエルが出ました」「部屋に大量の蟻が発生しました」といちいち俺を呼びにくる選手達の応対に追われ中々休めなかったが、コーチもリフレッシュ出来た合宿であった。
この合宿に参加した我が息子は、コーチにかけて貰った「Rion、凄い上手くなったな」という言葉が嬉しかったようで「俺、次の合宿も行く。Academyに入ってお兄ちゃん達と試合する」と今から4ヶ月後に開催予定の合宿を予約、彼なりの目標設定をしたようである。これって成長なのかな、あまり口煩くせずに見守っていこうかなと思っている。
伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand