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第243回 “信頼”というものに対する日本人とタイ人の捉え方の違い(後編) -U-15 Phra Intra Jr. Cup-

2015年5月30日 配信

2015年5月30日掲載

「夢追い人」のタイサッカー珍道中

U-15 Phra Intra Jr. Cupにて準々決勝へ進出、試合の方は翌週となった。
問題のタイ人スタッフとは翌日しっかりと話し合うことにした。「試合アレンジまで頑張ってくれているから今回の件では庇ってあげるけど、もうドタキャンや音信不通が起こってしまうようなら…面倒見切れないから」…反省をしている様子であったので、いつものように仕事に戻って貰った。
準々決勝当日、俺は別会場にてBangkok Premier Leagueに参戦しているU-12 Academy Teamの指揮を取るためU-15選手達の送迎をタイ人スタッフに任せ、直接試合会場を梯子する段取りを組んだ。前日に送迎ルートと出発時間を伝え、試合会場に連れてくることを約束させた。
基本的に俺は選手達と一緒に試合を戦う気持ちで指揮を取る。だから理不尽と思える笛に対してはレフリーに対して激しく抗議をするし、試合中はベンチに座らずに指示を送る。ベンチスタートの選手に対し声を出す等一緒に戦えていないと感じれば不満をブツけるし、この時間帯だけは携帯等を気にせずに集中して毎試合臨んでいる。だから試合終了後、直ぐに会場を移動しようとした際に見た携帯の着信数に正直失望した。
「送迎時間を1時間過ぎていますが、どうされましたか」「担当のタイ人スタッフに連絡するも連絡がとれません」「今日試合に間に合うのですか」…U-15メンバーのご父兄様からの着信であったりSMSであったりLineであったり、約束の時間を1時間近く過ぎていた。もう当然このタイ人とは連絡が取れないと感じたので、一緒に会場にいたタイ人コーチにバイクタクシーで送迎出発地点に向かって貰い、俺は会場移動しながら電話応対・謝罪に追われた。
会場には30分前に必ず到着させ、アップを開始するようにしているのであるが、残念ながらバスは遅れていた。俺は拙いタイ語と英語を駆使して準決勝の試合を1時間遅らせて貰った。と、そこへ更にハプニングが勃発。タイ人コーチより「バスが故障した、急遽タクシーに乗り換えて行こうと思うが捕まらない」との報告。もぅ”これから試合だっ”というモチベーションにさせられないよね、”無事(試合会場)に辿り着いてくれ”って感じ。正直選手達を乗せたタクシーを目にした時は安堵してしまった。試合の方は準々決勝敗退、U-15 Phra Intra Jr. Cupでの挑戦はここで終止符を迎えた。集中して戦える環境を提供出来なかった”いとたくコーチ”の責任だよね、本当に申し訳なく感じている。
件のタイ人スタッフ…後日悪ぶれる様子も無く「今日は何時から(仕事)ですか」と連絡してきたので「申し訳ないけど、もう我がクラブはあたなを必要としていないから」と伝えた。ここでは詳しく書かないが、どうやらプライベートで変化が生じたらしい。実際上記のハプニング中にFBへ投稿をしていたみたいなんでね。まぁ恥ずかしい話、俺の監督不行き届きということ。
このような事に直面すると、改めて”外国で仕事をしているのだなぁ”と実感させられる。タイ人は良く”マイペンライ(気にしない)”と口にするが、俺はことをうやむやにしているだけで解決しようとしないこのスタイルがあまり好きでは無い。だから言いたいことは言わせてもらうから「いとたくコーチはキーモーホー(直ぐ怒る)」なんて言われてしまう。これでも大分我慢するようになっていると思うのであるが…日本人だから特に気になってしまうんですかね。


伊藤琢矢(いとたく)

アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand

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