2015年4月12日掲載
“左利きの強烈なキックを持つ天才肌”、彼を一言で表現するならこのようになるだろうか。とにかく対戦した相手コーチからは「良い選手だね」と必ず名前が挙がる選手であった。しかし”サッカーに対して何処か冷めているような…”そんな印象も持っていた。折角預かった大いなる可能性を秘めた素材、俺はサッカーに対して熱く向き合うよう接し続けてきたのだけれど…。
何でも器用にプレー出来てしまうから…直ぐに足を止めてしまう。シュート練習でコースを狙うよう指示しても思い切り振り切ったキックをしたりね。要は自分が納得しないと行動に移そうとしていなかったように感じるね。
一歩引いた正確を演じてたのかな。だって大事な大会で負けた時は悔し涙を流していたし、「こうやって蹴ってみな」とアドバイスしたFKを試合でねじ込んだ時は一瞬だけど興奮していたもんな。その感情を素直にピッチ上で出し続ければ良いのに…。
回りの友人には「日本に帰ったらサッカー辞めるかも…」なんて話していたようだね。100%でサッカーと向き合っていないのにチームを背中で引っ張れる存在、持ち前の負けず嫌いを素直に試合や練習で表現していけば間違い無く簡単に俺なんか超えていく選手になれると思う。
“熱く…熱苦しく”は格好悪くなんて無い、むしろ凄ぇ格好良いんだぜ。感情を剥き出しにしたHIBIKIのプレー、いつかスタジアムで見せてくれたらと思う。
伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand