2014年11月27日掲載
「サッカーは自身がプレーするもの。教える(指導する)ものじゃない」と現役時代は思っていた。実際引退後、サッカーに関わるのであればクラブ運営側に興味が有り、知人に相談したりしていた。しかしシーズンオフ等で地元に帰り、友人のクラブへ身体を動かしに練習参加させて貰うと、こんな名も無い自分でも選手達(子供達)は喜んでくれるんだよね。だから指導の勉強というか、C級ライセンスは持っていた方が良いのかなぁとは感じていた。でも”リフレッシュポイントが何だかんだ”と面倒くさそう、完全に喰わず嫌いしていたね。
C級の受講のチャンスはJリーガーになり優先的に受けられるという特典を得た時にあった。しかしタイへの挑戦と時期が重なり、泣く泣く断念をしたという過去がある。現在Bangkokで我流で指導をしていて、改めて指導の勉強をしたいなぁと思っていた。そんな折り、”タイでC級ライセンス講習が開かれる”という初の試みの情報が届いた。11月10日から17日まで8日間のカリキュラム。そりゃあ受けるしかないでしょう。
今回この講義を受けてみて、自分の今までの経験から各年代に合わせてメニューを変えながら”ここまで成長させたい”と設定しながら指導していたことは、あながち間違えでは無かったとに確信が持てた。その中で授業中に自分の心に響いた言葉を徹底してメモし続けた。更に実技や実習があったので、選手目線から感じられたことや自分の指導を他の指導者はどのように感じたかを知ることが出来、本当に成長させて貰えた場となったね。
実技では”40歳で現役復帰”という気持ちでフルスロットルでサッカーをプレーした。日に日にコンディションが上がっていく事が実感出来ていたんだけど、俺の現役時代を知る後輩から「衰えたねぇ」という有難い一言を貰い深く傷ついたという…。でもここで感じたのは(指導される)選手は褒められる事を浴しているということ。地味な動きでも「狙ってたね、いとたく」なんて言われると素直に嬉しく感じたからね。
実習を通して学んだことは…俺は1回の練習を張り詰めたものにして密度濃度の濃い練習をするべきと考えていたんだけど、それが自然と”与え過ぎ”になってしまっていたのかなぁと。これでは選手の心に刺さらないんじゃないかとね。”100%の(上手くなりたいという)気持ちで(練習に)来いっ、そしてついて来い”という指導が自分の特徴だと決め付けていた部分があって、そうでは無く選手達へ歩む寄ることの大切さも知ったというかね。ここに上手く自分の信念でもある”熱く、熱苦しく”を上手く融合させて”いとたく”の色に変えて行ければ良いなと感じたね。
「自分を簡単に超えていく選手を作り続けろ」…今回の講師をされた透さんから頂いたメッセージ。サッカーは時代と共に進化している、指導者は学び続けなければいけない…早速B級ライセンスを受講したいと思ったね。
今回の講習ではBangkokで指導する他クラブの若いコーチ達(日本人タイ人問わず)と横の繋がりが持てた。というても俺…若くは無いんだけどね。彼らと何か一緒に発信出来たらと思うし、この繋がりは大切に行きたい財産だね。
伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand